2012年私的BL【マンガ】ベスト10

 23,2013 23:57
「次回、マンガのベスト10を発表します。」と「小説編」で予告しておきながら1週間。ようやっと、マンガの2012年私的ベスト10発表です。


一体どうしてこんなにズレ込んだのか!? ――ダラダラしていたからなのはさておくとして、未読だった2012年発行のマンガを今さらながら読んで、「これ、ベストに入れるべき!?」と、この期に及んでグラついたからなのです……。


積読だったり買うタイミングが悪かったり、ベスト選定に間に合わなかったのは自業自得だというのに、今回の場合は、なんならゴリ押しでベスト入りできるんじゃね? という最低な状況。われながら往生際が悪いったらありゃしない。


しかしなんとか心を整えました。もう迷いません。<若干震え声


選考基準は、小説と同様


・2012年に発売されたもの
・直感的に思い出したうえで、もう一度読みたい作品
・新装版を外す
・続きもので2012年に完結したもの



でございます。また、ブログにレビューをアップしている場合はそこにリンクを、読書メーターでレビューを書いている場合はそこから引用をしているのも、小説と同じです。


それでは、興味のある方は「read more」からご覧ください。
10位
≠ ノットイコール (池玲文)


≠ノットイコール 2 (スーパービーボーイコミックス)

22年前へとタイムスリップした先で、自分より3歳年下の父親・果と恋に落ちる主人公・凉。タイムスリップして若い自分の親と……という設定自体は、新機軸ではないと思う。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でも、主人公と未来の母親がほんのりラブな感じになりかけていたし。でも父親だとわかっているのに突っ走り…(続きはこちら

≪選考評≫
一体どう決着をつけるんだろう!? とハラハラしながら読んだ2巻。ある意味、BL的に耽美な終わり方といえるかもしれません。でもそれ以上に、池玲文先生の倫理観に対する考え方に基づいた描写が非常に印象的で、ランクイン。



9位
部活の後輩に迫られています (腰乃)


部活の後輩に迫られています (ビーボーイコミックスDX)

狙っている相手がいるなら胃袋を掴めって言いますからね。どんどん後輩に絡め取られる先輩の流されっぷり、ジリジリと間合いを詰めていく後輩の乙女思考に大笑いした。苦労性の部長もいい。表紙絵もナイス!(読書メーターより)

≪選考評≫
どうしてこんなことに!? 的な、流され侍なヒーロー巻き込まれ型コメディは、腰乃先生の真骨頂じゃないでしょうか。冷静に考えたら吉武の行動は恐ろしいはずなのに、吉武が妙に乙女チックなおかげで帳消しにされている力技にやられました。



8位
阿修羅の契 (大竹直子)


阿修羅の契

秋のJ庭でこの作品の素敵な絵を見て、気になって読んでみた。宇喜多直家って、こんな修羅の人だったのか!とビックリ。清三郎と実父とのやりとりが哀れすぎて、ちょっと涙が出そうになった。しかし直家って、秀家のパパなんだよなぁ…あの秀家の…と思う私の頭の中には、ももゴタのヒデリンがピンクの扇をヒラヒラさせているのだった。このごろ、戦国鍋の影響で戦国武将がアイドルっぽく脳内再生されるようになり、楽しいような辛いような(苦笑)。(読書メーターより)

≪選考評≫
へぇ~宇喜多直家ってこんな人だったのか~! という驚きもさることながら、直家の得体の知れなさや恐ろしさがじんわり伝わって印象的でした。よく考えたら、この作品、BLに入れていいのかしら……と思わなくもないけれど、メジャーではない戦国大名が取り上げられていることに敬意を表して。



7位
その手が恋に気づくまで (汀万里 )


その手が恋に気づくまで (CITRON COMICS)

表紙買い。記憶喪失や曰くある過去など、定番のモチーフを使いながらも、しみじみと読ませる良いお話だった。絵柄が、昔の吉田秋生(吉祥天女や河よりも長くゆるやかにの頃)っぽいのも好み。表紙カバー裏の4コマがカワイかったw (読書メーターより)

≪選考評≫
地味ながら、読んでいくうちにじんわりと心に沁みていく感じ。まさに“わたし好み”というところ。鳴海の意地っ張りな姿や心の脆さは、10代の危うさが巧く出ているなぁと感心しました。個人的には、神楽坂(攻め)よりしげ(当て馬)の方とうまくいってほしかったし、その余地はあったと思うけど、今後に期待ということで。



6位
新入社員の育て方 (広川和穂)


新入社員の育て方 (キャラコミックス)

これは良かった! 表題作、ちょっと先輩がキザっぽいけど、こういう先輩だったら後輩は惹かれるよなぁ…。同僚のために弁当を作る話、攻めは確信犯だよね(笑)。どのリーマンの物語にも満足。巻末の描き下ろしでさらに満腹!(読書メーターより)

≪選考評≫
爽やかリーマン! こんなヤツはいないだろ、と思いつつも、「仕事ができる」という設定があんまり嘘くさく感じられない描写が良いと思います。ゲイを職場でカミングアウトしているとか、「男同士でも一生一緒にいたいと思っていいんだ」というモノローグとか、ちらほら見られるセンシティブな描写もお気に入り。



5位
クシュラル (えすとえむ)


クシュラル (Feelコミックス オンブルー)

イエニチェリ、イェー!!!!! スルタン、イェー!!!!! トルコに感じる萌えが満たされる一冊。表紙のサマルカンドブルーっぽい青やアラベスクも素敵すぎてニヤニヤしちゃう。(読書メーターより)

≪選考評≫
個人的に、オスマントルコはBLネタに溢れているんじゃないかと思っているので、この作品の登場に小躍りしたのは言うまでもありません。イエニチェリはもちろんだけど、スルタンとか宦官とか、めちゃくちゃ前のめりになる設定ばかりで大萌えでした。



4位
アンバランスなネオンサイン (京山あつき)

アンバランスなネオンサイン (キャラコミックス)

最高。具体的であからさまなエロシーンはないのに、なんなのこの満足感。ライゴの、戸惑いから徐々に恋に変わっていく心の移り変わりに、めちゃくちゃ共感してしまった。ネオンの不器用で繊細なところもいい。こういうバンド、本当にありそうだよなぁ…としみじみ思った。そしてインディーズの音楽活動、同人活動に似ていると思います、私も!(読書メーターより)

≪選考評≫
「こんなはずじゃなかったのに」「もしかしたらこういことじゃない?」というような、あやふやな気持ちの揺れ動きが、すごく巧く描かれている! そしてこういうことを描くのが、京山あつき先生は本当に巧みだと心底感じ入った作品。恋かどうかはわからないけれど、そばにいる人に感じる瞬間的な親密な気持ちや特別な感覚が、読んでいて「わかるわかる!」という感じです。いや、ほんとすごい。



3位
夜明けのブルース (羽生山へび子)

夜明けのブルース (HANAMARU COMICS PREMIUM)

ちょい古いヤンキーっぽさ、場末の盛り場感、いいですなぁ(笑)。へび子ワールドを堪能した。なんかふと思ったんだけど、へび子作品、小林典雅作品に通じるものがあるような…テンポのいいセリフ回しとか人情コメディムードとか…。博多弁もよかとね。そしてファーザーが超気になる。(読書メーターより)

≪選考評≫
羽生山へび子ワールド健在、というか確立の証を見た! という感じ。ギャグも含めて昭和的モチーフ満載なのに古臭くなく、むしろ「レトロでいいじゃん~」と若者が言いたくなる(んじゃなかろうかと思う)ようなセンスが素晴らしいと思います。逆に言えば、この世界観にノれるかどうか、読者を選ぶのかもしれません。わたしはめちゃくちゃノりましたけどね!



2位
宇田川町で待っててよ。(秀良子)


宇田川町で待っててよ。 (Feelコミックス オンブルー)

じわーっとくる。女装をしても男が好きなわけじゃない、と言ってた八代が、実は男に組み敷かれたいという心の奥の願望を自覚するところ、ああ気づいちゃったのねー…と読みながら思った。業の深いことがサラッと書かれてる感じ。百瀬は本能というか、直感で動いてる感じで笑えた。(読書メーターより)

≪選考評≫
もうなんといっても八代の、おのれの心の奥底に眠る願望を自覚するところが秀逸。現代は、ちょっと前に比べたら驚くぐらい女装はお手軽に取り上げられている感があるけれど、“ただの変身願望”で終わらせていないからこそ、心に響いたのだと思います。よくよく見ると、表紙の八代の女装姿、「女の子」ではなく「女装してる男子」に見える、ような気がするのも良いと思う。



1位
新宿ラッキーホール (雲田はるこ)

新宿ラッキーホール (Feelコミックス オンブルー)

一見ベタなのに、読んでいるとそう感じさせないことに、ただただ感服。ちょっとホロリとして、読後しみじみ幸せ感を噛み締める…そんな感じ。サクマとクミちゃんが、本当に2丁目界隈にいるような気がしてしまう。そして読んでいるうちに、サクマの屈折がだんだん愛おしくなってしまった。そこはかとなく漂う昭和レトロ感は雲田作品ではおなじみだけど、この作品にはこれまで以上にピッタリ合っていたような。(読書メーターより)

≪選考評≫
もう何度読み返したことでしょう。登場人物全員が愛おしいです。サクマを切り捨てたヤクザの親分でさえもね。読み終わった後の、1本の映画を観たような満足感ときたら! 雲田はるこ作品も、羽生山作品同様昭和チックな匂いが濃厚に漂っているけれど、方向性の違いが感じられて面白い。よりアダルトで、大人の疲れた色気、みたいなものが感じられる、雲田ワールド全開の作品だったと思います。



~~涙ながらに惜しくも次点~~

蛇崩、交差点で (藤たまき)

蛇崩、交差点で (H&C Comics)

好きすぎて周りが見えず自分中心になってしまう恋心、相手に気持ちが伝わらない・伝えられないというもどかしさ、子どもゆえの無力さに対する絶望感――といったいろいろな感情が、読んでいてあちこちから伝わってくる感じ。藤たまき先生らしいなぁと思ってしまった。大人になった龍一と円が、今度は気持ちにゆとりをもって、再び関係を始める姿も良い。円の父と叔父の関係は予想外だったな。(読書メーターより)

≪選考評≫
円と叔父と父の関係が予想外で、途中で混乱して拍子抜けしたせいか、不完全燃焼な感じが拭えず次点。明かされた真実は十分に衝撃的だし耽美的なんだけど。



みひつのこい (ウノハナ)

みひつのこい (gateauコミックス)

前作の「三度目の正直」よりしっくりした感じで好き。遠藤が一皮むけたようでよかったなぁ…と、読後思った。追えば逃げるように海外に行ってしまう城守との今後が気になる。タイトルをひらがなにしたところがナイス。(読書メーターより)

≪選考評≫
遠藤が一皮むけるまでの葛藤しているところは良かったんだけど、そこからがあっけない感じがして、次点。城守が海外に行くことで、遠藤と城守の、今後の追っかけっこ的関係性が暗示されている……と勝手に期待。



虎穴ダイニング (元ハルヒラ)

虎穴ダイニング (Canna Comics)

なぜ虎頭&しっぽ…!? という疑問は置かれたまま、フツーに生活が営まれるシュールさ。なのに読んでいて癒され、和まされる感じ。不思議。日向さんの心の大きさにキュンとくる!(読書メーターより)

≪選考評≫
なぜか顔が虎の日向との、なんということはない淡々とした毎日。そこにホッコリするのだけど、もうちょっとドラマを期待していたのかもしれません。というより、もうちょっとこの二人のお話を読みたかったということなのかも。



毎年の傾向ではあるけれど、マンガは小説に比べて、新規開拓が活発ですね。小説よりも気軽にトライできるからなのかしら? 実際、今回のランキングでも半分の5作品が、これまでランキング入りしたことのない作家の作品だもんね。


しかしランキングをまとめていて気づいたのだけど、マンガ編、わたしときたら、ブログにレビューをアップしているのは10位の「≠ ノットイコール」だけだった――なんということでしょう! 


今年はもうちょっとレビューをアップするように頑張ろう……。


反省しつつ、最後に、「うわー! これはすごいわぁ……!」と衝撃を受けた作品を、「衝撃でしたで賞」として紹介したいと思います。それはこちら。



衝撃でしたで賞
白衣にひそむ熱情 (葉月つや子)

白衣にひそむ熱情 (スーパービーボーイコミックス)

少し前に読んだ「腐ォロー」が良かったので、超期待して読んだ。良い。でも表現規制の影響でかしら…チ●コのボカシがハンパなかった。別に精緻に描いてほしいわけじゃないけど、わずか数年の間でこの変化かよ…と気持ちは複雑。レディコミや男性向け劇画のテイストは今回もチラ見えで楽しい。デブ受けとか子供が可愛げがないとか、前作と共通しているところも笑ってしまった。葉月先生には腐界にちょこちょこ降臨していただきたい…自衛隊員だったママの話とか読みたいわ!(読書メーターより)


正確に言うと、最初に「すごい!」と思ったのはこれより前の「腐ォロー」なんだけど、レディコミの流儀をBLに転化する力技といい、子持ち設定がトレンドなBL界を震撼させるような可愛くない子どもの絵ヅラといい、珍子の大胆な描写といい、「腐ォロー」で感じた衝撃は、色あせることなくこの作品でも発揮されていました。


そして「腐ォロー」発売からたったの2年で、ビックリするほど変わってしまった珍子のボカシ具合が衝撃だったことといったら! 「自主規制はここまできたか……」と、表現規制を思い出させてくれた意味でも、謹んで「衝撃でしたで賞」を奉りたいと思います。


――表現規制問題も、せめて頭の隅っこにでも引っかけておかなくてはね。


「熟な腐女子を探る!(仮)アンケート 第5回『世代のギャップ、感じる?』」を実施しています。アンケートはこちら空お願いします。31歳以上腐女子の投票数が100になるまで続けます。もちろん、30歳以下腐女子や腐男子の投票も大歓迎! 御用とお急ぎでない方、ご協力をよろしくお願いいたします!

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