2012年私的BL【小説】ベスト10

 17,2013 23:54
なんとか今月下旬に入る前に2012年のベストをアップしたい……! と思ってほぼ1週間。どうにかこうにかギリギリセーフですかね。


――と思って、昨年のベスト発表エントリーの日付をみたら「2012.1.20」でした――。1年経っても進歩のないわたしね……。


気分を立てなおして、「2012年私的BLベスト10」を発表することにします。


選考基準は、


・2012年に発売されたもの
・直感的に思い出したうえで、もう一度読みたい作品
・新装版を外す
・続きもので2012年に完結したもの


となっております。4番目については、昨年はシリーズものも含めて完結していても選考から外していたのですが、完結したならいいじゃないか! と思い直した次第。また、シリーズものについては、他のシリーズ作品を読んでいなくても十分楽しめるのなら、選考に入れてもいいのでは、と判断しました。今、スピンオフを含めてシリーズものが結構増えている気がしますしね。


というわけで、まずは小説から発表します。ブログにレビューをアップしている場合はそこにリンクを、読書メーターでレビューを書いている場合はそこから引用をしています。


興味のある方は、「read more」をクリックプリーズ!
10位
狼と狐の夜 (高遠琉加)


狼と狐の夜 (SHYノベルス293)

渋い! ヤクザを嫌いつつも、諸事情でヤクザからの仕事を請け負う司郎、70~80年代初頭のテレビドラマに出てくるアウトローっぽいなぁと思った。零の謎が、最後まではっきり説明されていないのも悪くない。高遠先生、また面白い作品を…罪作りね…!(読書メーターより)

≪選考評≫
高遠琉加先生の、ちょっとサスペンス的な渋めな設定の作品は、BLなんだけどこれまでのBLの枠を超えつつあるような気がします。エロは薄めかもしれないけれど、読後の充足感が抜きん出ている――と実感した作品。シリーズ化されるのか続編が出るのかわからないので、今回ランクイン。というか、先生、SHYのアレとかキャラのアレとかも続き、よろしくお願いします!



9位
そんな恋にハマるか! (成宮ゆり)


そんな恋にハマるか! (角川ルビー文庫)

ヘタレ攻め×ツンデレ受け。攻めの江夏はノンケだけど、現在の仕事に就くまでにヤサグレていて、男女関係なくヤリまくっていたらしい。うーむ、ノンケでも同性と恋に落ちてセックスできるという設定だな。勢いでセックスしてしまった後の、江夏の煩悶ぶりと我慢ぶり…(続きはこちら

≪選考評≫
2012年に出会って、一気にハマってしまった成宮ゆり作品。2012年発行の中で一番好きだったのがこの作品。テンポよく読めたのと、脇キャラがほどよく印象的だったのがランクインの決めてでした。これもバディものですね。



8位
ドクターの恋文 (安曇ひかる)


ドクターの恋文 (幻冬舎ルチル文庫)

タイトルから医師が登場するだろうとは思っていたけど、「ペンドクター」まで登場するとは思わなかった。ペンドクターって、この作品で初めて知ったよ! マニアック魂をくすぐる設定だなぁ。なんだかすごく万年筆を持ちたくなってしまった。あと、攻めの医師・檜野が、受けの智秋の包茎手術を担当したというエピソードも面白い。檜野が語る当時のエピソードがちょっぴり切ない風味。オーソドックスなストーリー展開だけど、気持ちよく最後まで読んだ。(読書メーターより)

≪選考評≫
わたしのBLのツボである、“仕事について詳細に描かれている”がピタッとはまってランクインです。この作品を読むと、万年筆を使いたくなること請け合い。仕事だけでなく、こまごまと凝った設定が散りばめられていたのも印象的でした。読んだ後、ほんわりあったかい気持ちになった作品。



7位
初恋ドレッサージュ (いつき朔夜)


初恋ドレッサージュ (ディアプラス文庫)

馬設定(今勝手に作った)としてはレアだったけど、物語は王道だったと思う。でも、だからといって退屈というわけじゃない。最後までワクワクしつつ、ほのぼのしながら読んだ。受けの耕太は、純朴でちょっと鈍感。自分に対する悪口を聞いても、自分が悪いと思ってしまうほど内気…(続きはこちら

≪選考評≫
昨年は、馬モノ新刊が割合に多かった気がします。その中で一番心に残った作品がこれ。馬術部の耕太が、本当に馬が好きで、心から馬の世話をしている様子にジーンときました。馬術競技の様子も読んでいて楽しくて、いつき朔夜先生の馬モノはやっぱりいいなぁ……と再認識。



6位
男の花道 (木原音瀬)


男の花道―Don’t Worry Mamaシリーズ (ビーボーイノベルズ)

わたしの大好物・マッチョなオネエ攻めというだけでも嬉しいのに、受けはディープなオタクという夢のような設定(微笑)。ま、どちらもハンサムで美青年、というBLルールには則っていますけどね。「Don't Worry Mama」シリーズのキャラたちがちょこちょこ登場するのも、わたし好みだ。オネエでバリタチのゲイという友晴が世話好きで社交的でオシャレだったり…(続きはこちら

≪選考評≫
『リバーズエンド』も、もちろん良かった。だけど“マッチョなオネエ攻め”というわたし好みの設定に加え、執念深く恋しい相手を追いかける、いつもの木原作品なら攻めになっていそうな松尾が受け、という意外性にグッときて、この作品をベスト入りにしました。わたしにとっては、あまり痛い思いをせずに読めたという点でも◎。



5位
ステノグラフィカ (一穂ミチ)


ステノグラフィカ (幻冬舎ルチル文庫)

同じ絵師さんなので新聞社シリーズなのかと思っていたけど、やはりそうだった。それにしても衆議院速記者って、またニッチな職業を……。でも想像できるようでよくわからない仕事が、碧の人となりを通じてみるみるうちに形になって、それがすごい。西口の、屈託がなさそうで実は心の奥深いところに抱えている複雑さにちょっとグッときた。密の毒舌ぶりは相変わらず。(読書メーターより)

≪選考評≫
一穂ミチ先生は2012年も堅調でした。なんというか、大きな組織で働く男たちの、同僚に対するささやかなコンプレックスやライバル心、働いていると感じる意地と疲弊感、みたいなものがジワジワと伝わってくるのがたまりません。「off you go」と迷ったけれど、“まさかこの人が主役になるなんて!”&“速記者って!”というダブル意外性にヤられてこちらをランクイン。加えて、碧の素朴でまじめな様子に胸を打たれました。新聞社シリーズはまだ続くんでしょうか、先生?



4位
月一滴 (かわい有美子)


月一滴 (クロスノベルス)

シリーズ中、一番好きだ。橋本と嵯上、恋愛で傷ついた過去があった二人が、少しずつ惹かれあっていくその過程にゴロンゴロンと床の上を転がりまくった。こういう地味なカプ、超好みw 橋本には幸せになってほしいなぁ……! つか橋本がドアマンをしている姿を見てみたいよ(笑)。北嶋の暴走っぷりは安定の平常運転でいいんじゃないかな。うん、ほんとちょっと離れたところから見ていたいタイプだよね、北嶋(読書メーターより)

≪選考評≫
かわい有美子先生も2012年も堅調でした。本当に。特殊部隊シリーズも素晴らしかったけど、この作品の、ひっそりと息づくようなじんわりとあったかい感じが、とても好き。嵯上の、年齢を重ねているが故の“守りの姿勢”も現実味があったと思います。ホテルのベルの制服も、わざわざ見に行きたくなったもんね。多分、この二人だけだと地味すぎるために、北嶋が登場したのかしら……と思わないでもないのだけど、いいじゃないか、地味BL!



3位
頬にしたたる恋の雨 (久我有加)


頬にしたたる恋の雨 (ディアプラス文庫)

すごくいい! もう3回くらい読み返しちゃったよ! 芸人シリーズっていうだけでもワクワクなのに、それが昭和初期の大阪が舞台という設定で、私が気に入らないはずがない(笑)。登場人物がみんな“いい人”ばかりで、ちょっと物足りない感はあるけれども、時代の空気感を堪能した。あと、濡れ場がエロいw(読書メーターより)

≪選考評≫
読メの感想がすべて。久我有加先生の、時代設定に合わせた大阪弁がとても新鮮で、作品の世界観を作り上げている要素の一つだと実感。なぜか時代モノになると濡れ場が濃くなるような気がするのは、わたしの錯覚なのでしょうか……。芸人シリーズがこうして続いているのが、ファンとしては本当に幸せです。



2位
草食むイキモノ 肉喰うケモノ (今城けい)


草食むイキモノ 肉喰うケモノ (二見書房 シャレード文庫)

なにしろ読んでいる内に、受けの幸弥を心の底から応援したくなってしまうのだ。幸弥が家族を失って中卒で働き始め、苦労しながらまじめに仕事をし、亡くなった家族を思い出す様子が胸を打つ。中卒なんて16歳だもの、わからないこともいっぱいあったよね、へこたれずに5年間よく頑張ったね……と、気分はすっかりお母さんだ…(続きはこちら

≪選考評≫
仕事シーンがしっかり描かれている労働BLで、地味めで、ストーリーに無茶な破綻がない――と、わたしのツボが揃っていた作品。おまけに幸弥のまじめでけなげなことといったら!……って、幸弥といい、「月一滴」の橋本といい、「ステノグラフィカ」の碧といい、どうもわたし、まじめに頑張るけなげな若いコが出てくると、母親のような気持ちになって胸を鷲掴みにされる傾向があるな、ということを、このベスト作成で気付きました。というわけで、この作品、三拍子どころか四拍子揃っていたということで、当然のトップランキング入りでしょう。



1位
部長の男 (鳩村衣杏)


部長の男 (ガッシュ文庫)

寝る前に読み始めたこの作品。途中で、ん? と思って挿絵ページをザッと見て、「これは……リバなんじゃなかろうか……!?(ゴクリ)」とリバの予感に震えた。ええ、予感通り、リバでした。こんな素敵なリバ作品を読めるなんて! しかも小説で!…(続きはこちら

≪選考評≫
まあね、商業BLで、しかも小説で、こんな素敵なリバを読めるとは、誰が思っていたでしょうか。。著者と編集者の勇気(?)に乾杯。そして、それだけでも素晴らしいのに、鳩村衣杏先生なので仕事シーンがチャチなはずがない。ストーリーも、これからどうなるのかとドキドキしながら一気に読んだ。すべての要素がピタリとはまっていた作品だと思う。



~~涙ながらに惜しくも次点~~

友人と寝てはいけない (鳩村衣杏)

友人と寝てはいけない (キャラ文庫)

「抱かれるより抱く方が好きなバイ」とか「ドライな友人関係」とか、内容紹介をちゃんと読めば、「これは……!?」と、“攻め×攻め”アンテナがうごめくフレーズを感知するのだけど、ハッキリキッパリ“攻め×攻め”と書かれているわけではないため、正直、油断していました…(続きはこちら

≪選考評≫
鳩村先生の2012年の作品は、どれも素晴らしかったなぁと、個人的には思っています。この作品もとても好きで、『部長の男』とどっちをランク入りさせようか、かなり迷いました。わたし好みの“攻め×攻め”だったし。だけど『部長の男』の、リバものを商業で出した、という驚きと喜びには若干届かず、次点。


夜の情香 朝の心温 (吉田ナツ)

夜の情香 朝の心温 (ビーボーイノベルズ)

すごい良かった! 多重人格だとは思ってたけど、相手の気持ちを思いやる感じが溢れてて、ジーンときた! 読みながら、凛が哀れで仕方なかったけど、最後はちゃんとフォローされていて安心。こんな簡単に解決するわけがないだろ、という批判もあるかもしれないけど、お話としてはまとまっていて良かったと思うなぁ。(読書メーターより)

≪選考評≫
これも一気に読めたという点では、ランク入りした作品に勝るとも劣らない作品。次点となったのは、多重人格障害の克服ぶりが、やはり小説ならではだよなぁ……と思ったから。ある意味、当然ではあるんですけどね。でも、誰もが持っているであろう、ちょっとしたネガティブな感情をさりげなく描くのが上手い作家さんだなぁと、改めて思いました。



――このランキングを見て、わたしの作家買い傾向をご存じの方は、「どうしてあの先生の作品が1作も入ってないの……?」と思われるかもしれません。どうしてかっていうとですね――それは端的に申し上げて――


積読しているからです!(キリッ


きっと今後読んで、「ああー、やっぱりこの作品、2012年ベストに入れたかったなぁ!」と自分を責めて足をバタバタさせているかもしれない自分の姿が、今すでに脳内でイメージされておりますよ、ええ。


でも、それはそれ。今回選び出した10冊は、この先も読み直したくなる作品ばかりだと思っています。


かつてないほど積読してしまった2012年。もしかしたら10作上げられなかったりして……選考のクエリを緩めた方がいいかしら……などと、ちょっぴり心配していましたが、案ずるより産むが易しですね。


次回、マンガのベスト10を発表します。



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Comment 2

2013.01.26
Sat
13:32

マシュマロ #-

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待ってました

お久しぶりです。

新年早々体調が不調でして、密かに待ち望んでいたlucindaさんの2012年ベスト記事をチェックするのが遅くなってしまった……。

私は昨年一穂さんに惚れこんだ年でございました。きっかけはlucindaさんの『is in you』の書評からでした。

今年も参考に、読んでいない作品で興味惹かれたものを手にとって読んでみたいと思います。

編集 | 返信 | 
2013.02.04
Mon
14:51

lucinda #-

URL

コメントありがとうございます

>マシュマロさん

コメントありがとうございます! そしてお久しぶりだというのに、レスが大変遅くなってしまって、本当にごめんなさい。
体調は、もう戻られましたでしょうか…?

一穂さんの作品、いいですよね~! このブログがきっかけだなんて、とても光栄です。ありがとうございます!

ショボショボ更新ですが、また遊びにいらしてください。
ありがとうございます。

編集 | 返信 | 

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