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ハッピー or ビターは馬次第? ― 「純潔契約」(砂床あい) 「G1トライアングル」(いつき朔夜)

 16,2012 23:52
庭前日のランチオフの後、ゾロゾロ買い出しに行った書店で、


「lucindaさん、これ読んだ? これ、馬モノだよ?」


とかりんこさんに教えていただいて買った本。馬モノなら、読まないわけにはいかないですからね、ええ!


純潔契約 (ビーボーイノベルズ)純潔契約 (ビーボーイノベルズ)
砂床 あい 陸裕 千景子

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「おまえでないといけない。おまえに惚れたからだ」レース中の事故から競技を離れている騎手の駿一。復帰への目処がつかず焦りと不安の中、今をときめく青年実業家・東城から専属契約を申し込まれる。何度断っても不遜な態度で迫ってくる東城は、人払いした厩舎で駿一を押し倒し、濃厚な愛撫を仕掛けてきて!? 最悪の形で契約を結んだ二人。けれど東城の飾らない野心と情熱的な愛情に、頑なだった駿一のプライドと心が動かされ始め―。


内容紹介の通り、舞台は久々にキター! な感じの、競馬界。カップリングは成り上がりの若手実業家である馬主・東城×挫折を味わった騎手・駿一。


相当な財力がなければ馬主にはなれないため、東城はBLの攻めに要求されがちな条件の一つ“リッチ”を、問題なくクリア。個人的に、「会社を経営している」とか「資産家の息子」とかより、「馬主である」と設定されている方が、なんだかリッチ具合が具体的かつリアルに感じられるような気がする。


しかしこの東城、読んでいるうちになんだかキャラがコロコロ変わっているような気がして、ちょっと戸惑った。


最初は、出会ったその日に頑なな駿一を強引にものしようとする、傲慢でイヤなヤツだったのだ。でもやがて、俊一の下着の透けを心配するちょいヘタレな変態性を見せたり、駿一に会うためとはいえ頻繁に厩舎を訪れては愛馬の世話をする一途さを見せたりする。でも最後のあたりはまた若干、押しの強い印象になっていたような。


――まあ、総体的に「強引」ということでいいのかもしれないけどさ。


それに対して、駿一の気持ちが変化する様子は、丁寧に描かれていて無理がない。東城に徐々に惹かれていくさまも、東城から無理矢理契約を申し込まれた牝馬「フォルトゥーナ」に愛情を募らせていく姿も。


いやぁ、この作品の影の主人公はフォルトゥーナだよね!? と思うほど、フォルトゥーナが登場するシーンは印象的だった。レースのシーンは、BL競馬モノの中でも出色じゃなかろうか。読んでいてちょっと目頭が熱くなったもの!


“地方競馬出身の両親を持つ国産馬”という、良血馬とは言い難い出自で馬嫌い・人嫌いな暴れん坊のフォルトゥーナが、やがてG1レースに出場し、牝馬三冠を勝ち取ってしまうのだ。


G1レースで優勝――は、あまりに都合の良すぎる展開だとしても、人に懐こうとしないフォルトゥーナが駿一に心を開き、最後はケガにめげずに勝ちを獲りに行くその姿に、ウルウルしちゃう!


ひょっとしたら東城と駿一は、フォルトゥーナの成長物語のための狂言回しだったのかも……と勘繰ってしまうほどで、フォルトゥーナの復活が暗示されているラストに大いに満足したのだった。


ところで、この作品を読んでいて思い出したのが、いつき朔夜さんの「G1トライアングル」。


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感想はこちら


キャラの相関関係やシチュエーションが、ちょこちょこ似ていた気がする……というわけで、久しぶりにやってみます、軽い作品比較。なお「純愛契約」は「純」、「G1トライアングル」は「G」と略しています。


念のためにお断りしておきますが、共通点を挙げてどっちがどっちのパクリだとかコピーだとか言いたいわけでは、決してありません。共通点がある!と興奮して比較したくなった、管理人の超自己満足比較なので、くれぐれも誤解なさらないようにお願いいたします。
★受けと父親★
■純:騎手・駿一
G1レース優勝経験のあるスター騎手なものの、レース中の事故で挫折を抱えている。ストイックで内気な感じ。父親はかつてのスター騎手で、現在は調教師をしている。

ちなみに、母親は元グラビアアイドル。両親は周囲に反対されながらも、想いを貫いて結婚。今もラブラブという設定。


■G:騎手・清見
人気騎手ではあるが、まだG1レースには出たことがない。利かん気が強い。父親はスター騎手だったが、レース中に落馬して死亡。

ちなみに、母親は競馬とは無縁の男性と再婚している。継父と折り合いが悪いわけではないが、清見は母の新しい家庭には近づきにくく感じている様子。

⇒父・子と二代に渡るホースマン。受け本人は駿一の方が屈託がある感じだけど、家庭環境は清見の方がちょっと曰くがある感じ。


★攻め★
■純:馬主・東城
東城は若いながらも苦労して成り上がった実業家で押しの強い性格。当然金持ち。


■G:馬主・星生
星生は株屋でギャンブラー。シニカル&クールな性格。もちろん金持ち。

⇒どちらも、ちょっと変態っぽいところも共通してます。


★馬★
■純:牝馬「フォルトゥーナ」
両親とも地方競馬出身の国産馬。馬嫌い・人嫌いの難しい性格。暴れん坊。しかし牝馬三冠を勝ち取る。


■G:牡馬「ラクシュミ」
G1レースにも出場した親を持つ、良血馬。こちらも若干気難しい様子。クラシック二冠を制す。

⇒性別は違ってたのね。しかしちょっとクセのある性格と、受けが騎手となってから好成績を収めるようになったのは同じ。


★騎乗依頼のいきさつ★
■純
東城が駿一を指名し、押し切って専属契約


■G
清見がラクシュミに騎乗したくて、星生の「負けたら私の意のままに」という条件をのんで契約

⇒まったく逆のいきさつだな。でも星生は、密かに清見を狙っていたんじゃないかと勝手に思ってるんだ……。


★受けを片思いする人物★
■純:調教助手の室生
駿一とは競馬学校の同期生。東城に奪われたくなくて駿一を無理矢理襲うが、後日駿一とは和解。駿一の東城への想いを応援するように。


■G:厩務員の亮太
清見とは幼なじみ。星生への焦りから、ラクシュミの蹄鉄を緩めるという暴挙に出てしまい、清見と決裂。厩舎を出奔してしまう。

⇒「純潔…」を読みながら「G1…」を思い出したのは、この当て馬的キャラが受けの身近にいたから。しかしどちらも失恋するのに、亮太……出奔してからどうなったんだ……。


★クライマックスのレース★
■純
フォルトゥーナは骨折しつつも優勝。幸い、療養してレース復活の予定。

■G
ラクシュミは骨折しつつも優勝。しかし星生の判断で引退し、生産牧場に帰って種牡馬に。

⇒どちらも騎乗している受けが馬のケガを察知し、走るのを止めさせようとするのだけど、馬の方が「負けてたまるかー!!!」と言わんばかりにツッコんだのが似ている。


ちょこちょこと似ているところはあるけれど、“結果”が違うおかげで印象がまったく違う感じになっているなぁ……と、改めて実感。特に、ラストのレース後の馬の明暗が分かれているのは大きいよね。なにせ、フォルはいつかレースに戻ってくるけど、シュミは引退だもの。


そして馬の状況に添うように、物語の雰囲気もかなり違う。「純潔…」は心置きなくハッピーエンド! だけど、「G1…」はほろ苦さがにじみ出ている。


受けに片思いしているキャラの行く末も、キッパリ明暗が分かれているなぁ……。受けの家庭の事情も同じく……。


こうしてみると、「G1…」の全体的に漂うほろ苦さは、馬の“その後”だけでなく、細かな設定も効いているのがよくわかる。


全力でハッピーエンドか、ほのかにビター風味か、それぞれ好みはあると思うけど、でもこれだけは言える。


どちらも、馬のいじらしさや愛らしさにグッときます。


競馬がわからずとも楽しめるのも、ありがたい。犬や猫が登場する物語もいいんだけど、馬は体が大きくて存在感があるのと、仕事に絡むことが多く、往々にして“馬の感情”が描写されているところが、ツボにハマるのかも。


やっぱりわたし、馬が登場するBL作品、好きだなぁ……。



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Tags: 砂床あい 陸裕千景子 いつき朔夜 ホームラン拳 複数レビュー

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