【Texan Romance】無粋は承知でテキサスものを考える [2]

 21,2012 02:27
BLやハーレクイン(以下HQ)における、リアルとはちょっと違っていそうな、ファンタスティック・ワールドな“テキサス”――つまり、


大牧場が舞台で攻めはテキサス人で傲慢で強引でワイルドで大抵金持ちで、ハンパないほど馬乗りが巧い


について。わたしなりに仮説を考えてみた。


――のだけど、一つひとつが長くなったので、3回に分けます。もったいぶってるわけじゃないのよ……!


その1:西部劇のタフなヒーロー


テキサスと同様、いやそれ以上にスーパーファンタジー設定なのが“アラブ”だと思うのだけど、BLアラブものやHQなどロマンス小説のシークものの源流は、映画「シーク」らしいということを、以前書いた。


●いきなり攫われるヒロイン(≒受け)
●混血などちょっとばかりワケアリのヒーロー(≒攻め)
●ヒーローの数奇な出自
●ヒーローの身近にいるヒーローの味方の異民族(白人など)


といったお決まりのディテールが、手を変え品を変え、さまざまにアレンジされて無数の作品を生み出しているのだけど、“テキサス”の根源も、やはり映画やテレビドラマ、つまり西部劇が影響しているのではないかと思っている。


西部劇。フロンティア精神あふれる西部開拓時代、無頼で寡黙な男が、インディアンやならず者から牧場や町を守るアレです。牧場や町を守る男が、必ずしも“カウボーイ”とは限らず、保安官や流れ者の場合もあるけど。


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カウボーイが主人公の西部劇といえば「ローハイド」(1959~1965放映のTV映画)らしい。左側のハンサム、若かりし頃のクリント・イーストウッドだよ!


彼らは颯爽と馬に乗り、華麗に銃を操って悪者を退治する。非常に頼りがいがあって正義感が強く、タフでマッチョだけど、弱き者≒女性や子どもには、不器用ながらも優しさを見せて、彼女たちをキュンとさせる。


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同じく「ローハイド」から。西部劇ではおなじみのファッションだな


この辺、受けを守る攻め、受けに対して武骨に不器用に愛を表現する攻めの姿に重なりませんか!? さらにいえば西部劇の舞台は、テキサスが設定されていることが多い。


西部劇は、1960年代頃からインディアンの描写がでたらめすぎると批判が高まり(当然の批判だけど)、今ではかつてのような「正義の白人VS悪いインディアン」といったスタイルの作品は見られなくなっている。


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インディアンとの心の交流を描いて、公開当時話題になった西部劇「ダンス・ウィズ・ウルブス」(1990)


それでも方向性を変えながらも未だに健在で、やっぱりヒーローは鮮やかに馬を乗りこなし、牧場を、町を、愛する者を守っているのだ


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映画「許されざる者」(1992)。「ローハイド」に主演していたイーストウッドが監督。残酷な無法者を、伝説のアウトローがやっつける。無法者はもちろんインディアンなんかじゃないよ!


実は大変恐縮なんですがわたし、西部劇をあまり見ていないため、代表的な西部劇のあらすじをひたすらネット検索したのだけど、どうも西部劇のヒーローは、悪者に悩まされている町にたまたま通りかかり、悪者を退治するとまた立ち去っていく――つまり「よそ者」というパターンが多いみたいですね。「駅馬車」然り「荒野の決闘」然り「シェーン」然り、and more ……。


この点、BLテキサスものは設定が逆だ。つまり、受けが「よそ者」。攻めとくっついた後はそのまま定住しているけれど。「WILD WIND」はテキサスから日本へ温泉掘りにやってくるので、攻めが「よそ者」ではあるな。


ちなみに「ワイルド・ワイルド・ウエスト」は、まさに西部劇的な勧善懲悪のストーリーになっている。そして、上記BLテキサスもののお約束通り、「よそ者」なのは受けだ。


HQの方は、攻め……じゃなかった男性が「よそ者」設定もあるようだけど、女性とくっついたら定住しているのかしらね?


“その2”に続きます。


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Tags: テキサス カウボーイ 西部劇

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