【勝手に祭り】プチ☆成宮ゆり祭り

 06,2012 23:59
今年のGWは、前半は用事があって実家に帰省したし、後半もちょこちょこ出かけたので、あまりじっくりと本を読める状況ではなかったのだけど。


そんな中で読んだBL本は、見事にほぼ成宮ゆり作品だったことに、我ながら笑ってしまった。せっかく買った新刊もそっちのけで読んでたもんね。


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今手元にある成宮作品の数々。GWに読んだのは下半分


本を読めた日は実質3日くらいとして、その間に読んだ成宮作品は3冊。読み直したものも入れると4冊。久しぶりに作家読みしてるなぁ……というか、いまだにこうしてハマっちゃう作家や作品があるBLの奥深さ&幅広さに、心の底からリスペクトだよ!


それにしても出版点数は結構あるにも関わらず、どうしてわたし、今まで成宮作品を知らなかったのか……。たまたまこれまでわたしの周りで聞かなかっただけだとしても、それはそれで、周りも成宮作品に気づいていなかったということになる。


というわけで、通算9冊ほどしか読んでいない身で誠に僭越ながら、成宮作品を見過ごしてきた原因を考えてみた。余計なお世話なのは、重々承知でございます。


――でも偉そうに言っておきながらナンだけど、最大の原因はこれだと思うな。


身の程知らずなので折り畳みます。
1.レーベルがルビー文庫一択である


成宮ゆりさんご自身、「ルビー小説大賞奨励賞」を受賞なさってのデビューということなので、ルビー文庫とのつきあいが深いのは納得ではあるのだけど。


ルビーって、わたしはあまりチェックしていないレーベルなんだよね……<そんなの知るか! 別に恨みやわだかまりはないけれど、ルビーはBLの老舗として、「今人気の要素を適宜盛り込んでサックリ読ませる作品を出すレーベル」というイメージが強い。よく言えば無難。悪く言えばインダストリアルな感じ。


白状すると「ルビーでこんなに働く男同士がガッツリ書かれたBLを読めるなんて!」というのが、わたしの正直な感想だ。そういう意味では、成宮作品はこれまでのわたしのルビーを裏切る作品、ということではある。


でも個人的には、ほかのレーベルでの成宮作品を読んでみたいなぁ……。


そして1.に付随して考えられるものとして、これ。


2.イラストが、またこの人! な印象


ルビーからしか出ていないゆえに、これは仕方がないことだと思う。さらにいえば、イラストレーターにも罪はない。もしかしたら、作家の指名によるのかもしれないし。


とはいえ、BL小説にとってイラストは超重要アイテム。そこで既出作品の1/3のイラストが桜城ややさんってのは、かなり多いんじゃなかろうか? 次に多い印象なのが、海老原由里さん。


桜城さんや海老原さんのイラストに不足はないが、作品を買うたびに同じイラストレーターさんだと、シリーズモノではない限り、「またかー!」と思ってしまうのよ……。贅沢な話だけどさ。


「またかー!」と思ってしまうのは、レーベルやイラストレーターだけではなく……。


3.頑なに一人称で進む物語


これほどの筆力があれば、三人称でも物語を作れるのではないかと思うのだけど、どういうわけか、これまで読んだ作品は一人称ばかり。成宮さんご自身が、一人称でなければ物語を書き進められないタイプなのかしら。


ただ興味深いのは、受け視点・攻め視点どちらの一人称もあるということ。まあ受けだろうと攻めだろうと、語っているキャラがヘタレっぽいのが共通している。


もちろん、出版されている作品はすべて三人称という作家さんは大勢いる。でも一人称で進む物語って、人の好みがハッキリと分かれると思うのだ。現に、「一人称の小説は苦手」と断言する友人もいる。そういう人に、どんなに面白くても読む前から敬遠される確率が高まるのは、非常に残念だと思うんだよね……。


4.キャラたちの年齢設定が若すぎる


成宮作品のキャラたちは、ほぼしっかりと誇りを持って仕事をしているのだが、いかんせん年齢設定が若い。作中のキャラたちが非常に落ち着いているので、30代ぐらいだと思っていたら、20代半ばなことが多くてうろたえる。


そりゃあ、20代だろうと10代だろうと、誇り高く仕事をしている人物はいる。でも結構出世したり高給を取っている設定だと、30代だと辛うじて「年相応」でも、20代だと「デキすぎ。こんなヤツいない」と鼻白んじゃうのよ。ごめんなさいね、アラフォーのオバサンで。


昨今のBLは30代なんて珍しくないだろうと思うと、なぜ成宮作品のキャラたちが揃いも揃って20代なのか、首を傾げてしまう。作家のこだわりなのか、編集の方針なのか……。


こうしてみると、


レーベル・イラストレーター・一人称進行・キャラ年齢設定


と、ある意味、作品の傾向が固まっている感じが、個人的にはモニョモニョしているということですね。これが作者の萌えであり、作品に投影されると考えるなら、ここで挙げたポイントをあまり強く主張するべきではないのかもしれないけれども。


しかしこれまで読んだ作品がどれもそこそこ面白かったゆえに、もっともっと! と求めたくなるのだ。 せめて三人称進行かキャラ年齢のアップのどちらか、試していただけないかなぁ……!


ともかく、GWを彩ってくれた成宮作品に敬意を表し、GW中に読んだ作品の簡単なレビューをまとめてみた。


素直じゃないにもほどがある (角川ルビー文庫)素直じゃないにもほどがある (角川ルビー文庫)
成宮 ゆり 金 ひかる

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交通事故で偶然にも幼なじみの樋野と再会した花屋の雅。樋野は高校時代突然キスをしてきたが、それからずっと音信不通になっていた謎な男だった。後日、謝罪のために雅の店に現れた樋野は、結婚式のブーケ製作を依頼してくる。複雑な思いを感じつつ何でもないフリを装った雅だが、あることがきっかけで再び樋野からキスされ、目を背けていた恋心を自覚してしまう。思わせぶりな樋野の態度に切なさといらだちを募らせる雅は…?恋に素直じゃない2人の再会ラブ。


わたしが萌えるタイプの幼なじみモノ。つまり、お互いに張り合っていて素直になれないという感じ。


ちょっと面白いと思ったのは、攻めの片思いはそれはそれとして、受けが自分の気持ちに気づいて即失恋&思いきれなくて片思いという設定で物語が進むこと。もちろん、受け視点。


つまり、樋野が小学生の時に雅に告白してきたことを雅は考えないようにしていたのだが、ある日偶然に二人は再会し、樋野に婚約者がいると知って、雅は樋野への想いを自覚するのだ。


複雑だ。だからこそ、雅の空回り感と、樋野の思わせぶりな様子にヤキモキしてしまう。ジレジレ感が巧い!


そんな恋にハマるか! (角川ルビー文庫)そんな恋にハマるか! (角川ルビー文庫)
成宮 ゆり 海老原 由里

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保険調査員の江夏慎理には、この世で最も恐れている人間がいる。それは自分を犬扱いする超凶暴な先輩の椿原十希だ。ある日、調査現場で薬を盛られた椿原を救出した江夏は、椿原の予想外のエロさにムラムラしてつい酷く抱いてしまう。それ以来、椿原の媚態を忘れられず、暴力さえ愛のムチに感じてしまう江夏。そんな中、椿原と2人きりで出張に行くことになり…!?「女好きな俺がこんな凶暴男にハマるはずがない!」ダメ犬後輩×最恐美人先輩で贈る下克上ラブ。


こちらは攻め視点で物語が進行。ヘタレ攻め×ツンデレ受け。攻めの江夏はノンケだけど、現在の仕事に就くまでにヤサグレていて、男女関係なくヤリまくっていたらしい。うーむ、ノンケでも同性と恋に落ちてセックスできるという設定だな。


勢いでセックスしてしまった後の、江夏の煩悶ぶりと我慢ぶり、そして椿原の不器用さがカワイイ。でも江夏が語るほど、椿原が凶暴に思えないのが残念かもしれない。いや、実際にこんな人がいたらイヤだけどさ。


その男、侵入禁止! (角川ルビー文庫)その男、侵入禁止! (角川ルビー文庫)
成宮 ゆり 桜城 やや

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工事現場で働く佐伯の恋人は、敏腕刑事の緒方。最初は「男の抱き方を教えてやる」と緒方を誘ったはずが、今では逆に緒方に抱かれる日々が続いている。ところが、忙しい緒方とすれ違っていたある夜、街で女と親しげに歩く緒方を見てしまう。不安になる佐伯だが、緒方が嫌う佐伯の友人・高橋と会っていたことがバレたとたん、緒方の紳士的な態度が豹変。捉えられた佐伯は、恥ずかしい“お仕置き”を受けることに…!?刑事×ガテン系子羊のスリリングなトラップ・ラブ。


「その男、取扱中止!」の続編。ちなみに前作は読んでいないけど、ちゃんとついていけました。ガテン受けだよ~! と浮かれて選んだ作品。物語も、ガテン受け視点で進む。


内容紹介文の「恥ずかしい“お仕置き”を受けることに」の語尾には、なんだか「キャハ(はぁと)」が付きそうな勢いだけど、それほどスウィートなバカップル展開ではなかった。むしろ、受けの佐伯の苦悩が痛々しかった……。


まあ、最終的にはバカップルな話で納まるのだけど。個人的には、佐伯が夜間大学に進んでからの話も読んでみたいなぁ……。


恋はフェアじゃないけれど (角川ルビー文庫)恋はフェアじゃないけれど (角川ルビー文庫)
成宮 ゆり 桜城 やや

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不慮の事故でワインをかけられたお詑びにと、シェフの氷見からパンケーキをごちそうされた会社員の椎名。それをきっかけに、椎名は氷見の料理の味見に付き合うことになり、人懐っこい笑顔に惹かれていく。ある日、酔った勢いで椎名は思わず氷見にキスしてしまう。氷見は困惑しつつも椎名を抱き寄せ体を繋げる。“遊びの関係”と割り切ろうとする椎名だったが、氷見とのまるで恋人のような甘い時間に想いは募っていき…。自由恋愛系シェフ×オクテな会社員の恋のレシピ。


「恋はゲームというけれど」のリンク作。わたしはこちらの作品の方が好み。ちょっとBL的にはレアな作品だと思う。


受け視点で物語は進むのだが、受けの椎名はゲイだと自覚しているものの、全面的にそれを受け入れるのにためらいがあり、告白されたら女性とつきあっているという設定。しかも女性にモテるので、傍から見れば、恋愛に慣れているように見え、実際、攻めの氷見からもそう思われている。


氷見はノンケだけど、これまたモテるくせに恋愛に執着しないため、来る者拒まず去る者追わず、出入りの激しい遊び人だと思われている。もちろん、椎名もそんな風に思っている。


お互いに相手のことを「真剣に追えば逃げていく遊び人タイプ」と思い込んでいるわけだが、受け視点で語られているので、当然、読み手は椎名が本気なのはわかる仕掛け。


これなぁ……もしも三人称で語られていたら、また雰囲気が違う作品だったかもなぁ……。でも「恋愛相手に忠実・誠実ではないキャラ」同士は敬遠されちゃうかな。



まだまだしばらくは成宮作品を読みまくると思う。そしてそうこうしているうちに、新刊が6月に出る模様。もちろん、レーベルはルビー。


……うん、他レーベルからの出版は諦めるとしても……やはり三人称進行かキャラ年齢のアップのどちらか、ご検討いただけないかしら……! <しつこい 


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Tags: 成宮ゆり 桜城やや 海老原由里 金ひかる 複数レビュー 警検麻ヤ

Comment 1

2012.05.16
Wed
00:17

lucinda #-

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拍手コメントRES

>05/14 20:39 Eさま

エラーにもめげず拍手&コメント、ありがとうございました!(泣)
そしてさっそく読まれたようで…って、すでに5冊ぐらい読まれてるってす・ご・い! でも気に入られたようで、なんか嬉しくなりました! 成宮さんの代理人じゃないけど(笑)

そうそう、キャラたちが地に足が付いている感じ、しますよね。私も最近、「理想の男の作り方」、読みましたよ~! あれもなかなか凝った構成で、私も好きな作品です。キャラの年齢アップはルビーでは厳しいですかね……。うん、他レーベルは一番願うところではありますです…


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