LAに恋して

 17,2011 05:05
LAに恋して
原題:Going Down LA-LA LAND
監督:キャスパー・アンドレアス 2011年 アメリカ

la1.jpg


映画スターを目指してLAにやって来た、若くハンサムなアダム。親友キャンディの世話になりながらオーディションを受け続けるも、なかなか彼にチャンスは巡って来ない。退屈なバイト生活に嫌気がさしたアダムは、お金の誘惑に負けてゲイポルノの世界へ足を踏み入れてしまう。そんな時、彼は有名スターと出会い、瞬く間に恋に落ちるが…。(LGFF公式サイトより)


どこのBLか! と叫びたくなるような、ロマンティックなストーリー。若くてハンサムな俳優志望のアダムが、生活のためにゲイポルノに出演したものの、その映画制作会社が手掛けているホストサービスのような仕事を通じて有名俳優・ジョンと出会い、最終的には恋を成就させるんだもの。
アダムの、仕事ではなく恋愛方面におけるある種のシンデレラストーリー、ともいえるかもしれない。男性を主人公にしてこんなにロマンティックな恋愛が描かれるのは、ゲイ映画ならではじゃないかな。


このアダムがまた、ニューヨークから来たというわりには、スレてなくて真面目でシャイな良い子でねぇ……。こういう子が近くにいたら、そりゃあ、同じ女優志望のキャンディのように、あれこれ気になって何かと応援してあげたくなるってものでしょう。


la4.jpg
アダムの親友でアダムに部屋を貸しているキャンディ。女優として売れるため&生活のためにトンチンカンな努力ばかりしている様子が笑える


アダムは生活のため、写真のヌードモデルをし、やがてゲイポルノに出演するのだけど、彼をモデルにしようと口説くフォトグラファー&ディレクターのニックが、「お金のために脱いだっていえばだれも気にしない」と言う。


la3.jpg
ナイーブそうなニック。実はこの人がこの作品の監督とあとで知って驚いた


しかしアダムがポルノに出演したと知ったキャンディは、「写真はまだしも、映画は……」と顔を曇らせる。


日本でも、有名人が実は過去にAVやゲイビに出ていたということが大きなスキャンダルになることがたまにあるけれど、それはアメリカでも、ハリウッドのようなところでさえも同じなんだなぁ……と思った。


まあ、アダムがスタッフで関わる撮影準備シーンは、Randy Blueにハマっているわたしにとっては大変興味深かったけれども。


アダムは人気俳優・ジョンと出会い、互いに惹かれあうのだけど、ジョンは仕事のために人気を失うのを恐れ、ゲイであると公表していない。パーティーにはカモフラージュのため、昔売れていたエラソーな女優を同伴して出席するほど。


実はアダム、ジョンと出会う前にニックと付き合っていて、ニックが浮気をし、麻薬に溺れたことで彼と別れるのだが、その後、ニックが恐らく麻薬によって仕事をすべて失い、ボロボロになってアダムに金を借りに来る。このシーンは、ジョンのカモフラージュのシーンと同様、ショウビズ界のダークサイドを描いているといえるのかもしれない。


la2.jpg
ニックの麻薬依存に不安を募らせるアダム


アダムとジョンの関係が何者かによってゴシップ紙にタレこまれた時、ジョンはアダムに別れを告げる。その時に言った、「自分のファンの多くは中西部(保守的な地域)に住んでいる」「自分にはスタッフなど多くの人の生活の責任がある」というようなセリフが、胸に刺さった。「カミング・アウト」の重大さとリスキーさを、まざまざと想像できて


アダムの、「隠れて会うのはもういやだ」という気持ちも、わからないでもないけれど――。


――そんな展開だったのに、ま、最後はジョンがアダムを失いたくなくて、覚悟を決めて白昼堂々とアダムを迎えに行くんですけどね。アンタ仕事は大丈夫なの!? と内心盛大にツッコミんだけど、まあいっか、と思える気持ちの良い作品だった。キャンディの、パパラッチへの得意そうな応対も笑えたし。


映画上映後に、アダムを演じたマシュー・ラドウィンスキーくんのトークセッションがあったのだけど、いやぁ、もうすごくキュートだったよ!! 映画で見るよりも華奢で、大勢の観客を前に緊張しているのが伝わってきて、ほんとうにカワイかった。通訳さんまで緊張しちゃって、トークはいまひとつだったけどね。


関連記事

Tags: ゲイ クィア映画 LGBT

Comment 0

Latest Posts