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【院政期を読む】「保元・平治の乱を読みなおす」(元木泰雄)

 14,2012 23:08
今年の大河ドラマは平清盛だし、院政期への関心が高まるかしら……!? と期待していたら、今のところ、ドラマの視聴率が低いというニュースの見出しが毎週ネットに上がっていて、ちょっぴり拍子抜け。


ニュースを見るたびに、日本史のドラマチックな転換期は、何も戦国時代と幕末だけじゃないんだよ……! と心の中で叫びまくっているわたし。


まあ、ドラマは今のところ低調だけど、ドラマのおかげで院政期絡みの書籍がいろいろ出ていると思われるので、興味を持ったものを、少しずつ読んでいこうと思います。


というわけで第一弾。実はかなり前に、やはり院政期好きなかりんこさんからお借りしていたもの。なかなか一気に読めずにいて、ようやく読み終わったのだけど。


保元・平治の乱を読みなおす (NHKブックス)保元・平治の乱を読みなおす (NHKブックス)
元木 泰雄

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貴族から武士へという、時代の主役の移り変わりを象徴する古代末期の兵乱、保元・平治の乱。武士を主人公として語られてきた通説を打破し、王家・摂関(せっかん)家の嫡流争いと、新興貴族である院近臣と軍事貴族の利害対立が複雑に絡み合う院政期の混乱した政治状況を描き出す。平清盛(たいらのきよもり)の関与の低さ、後白河上皇の立場の脆さ、藤原信頼の逞しさなど、これまで語られたことのない乱の実体を、いま明らかにする。


読みながら何度も、うーむ……と唸ってしまった。だってね……


同じ苗字の人が多いので、誰が誰だかわかんなくなっちゃうんだよ! 特に藤原と源!


ただでさえ、貴族・武士ともに事件の関係者がたくさんいるだけでなく、系譜もややこしいというのに。


まあ、人間関係が非常に複雑なのは、この系図を起こした時にも身に沁みていたけれども。


院政
同性愛関係にフォーカスしてもこのややこしさ。この図を見ても、“藤原”は多いね(※クリックで大きくなります)

院政期に興味があるといいながら、わたしの院政期、あるいは保元・平治の両乱の認識は、「国の権力が貴族から武士に移った時期」程度だったのだけど、これは大枠にもほどがあるというもので――


同じ貴族の中でも、摂関家と新興貴族=院近臣が権力を争っていて、保元の乱をきっかけに院近臣に権力が移り、さらに平治の乱で院近臣同士が食い合って権力者が淘汰されたということ。


武士は天皇家や貴族の武力を担っていたが、源氏は親子や兄弟がそれぞれ違う貴族につき、平氏に比べて身内の争いが激しかったこと。しかも源義朝を輩出した河内源氏のほかにも、村上源氏やら文徳源氏やらが入り乱れて立場を異にしていたこと。


――というようなことを、この本を読んで深く納得したのだった<遅い


この時代がややこしく思える原因の一つは、摂関家と院近臣の貴族のほとんどが“藤原”を名乗っていることじゃないかしら。血筋を辿って行き着くのは藤原不比等ではあるけれど(それはそれですごい)、院政期の頃はもう全く赤の他人。それなのに同じ苗字だから、単なる同族間の争いにしか見えないのが、ちょっとねぇ……


摂関家から院近臣に権力が移ったということは、むりやり幕末に例えると、徳川将軍家から薩長土肥の武士へと権力が移ったようなものじゃなかろうか。そのくらいドラスチックに変わったのに、「藤原忠実が保元の乱に敗れた後、藤原信頼が勢力を増し……」と言われても、「ん? 二人は親戚かなんかなの?」などと思って重大性が伝わらない感じ。


つくづく残念だわ……。ここテストに出るよ的超重要なキーポイントなのに


源氏も身内争いのおかげでややこしいけど、保元・平治の両乱は摂関家や院近臣の権力争いがメインで、源氏は平氏とともに何らかの理由でどちらかについたという様相なので、貴族ほど「ややこしい~!!」というイライラは感じない。まあ、人数だけはたくさん出てくるので、誰が誰の係累なのかは、何度も系図を見ないと把握できないけど。


それにしても、源氏の内紛の多さに比べると、平氏はうまくまとまっていたように見えてならない。しかもこの本によると、保元・平治の両乱では、平清盛は源義朝のように、どちらかの勢力に早々に肩入れせず、慎重に決断し行動していたらしいのが新鮮


平治の乱に勝利しても、頼朝や義経など義朝の子どもを全員殺したりしていないし、平家物語などで伝えられる「傲慢で残酷な権力者」とはあきらかに違う人物像が想像できて、ちょっと楽しい。ドラマでは今のところ、中二病的に喚いてばかりだけど、今後どう変わっていくのか見どころじゃないかな。


――あ、保元・平治の両乱に深く関わった、オレ様攻め・頼長と、魔性の受け・成親は、イメージそのままでした、ええ。本当に頼長は執念深く、成親はおバカさんだったんだね……ホホホ……。


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Tags: 歴史 同性愛 男色 院政期

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