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新年はめでたく景気よく―「ハッピー・ブラザー」

 01,2012 23:59
ずっと見たいと思っていた映画を、先日、ようやく見た。


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ハッピー・ブラザー」。原題は「家有喜事」(“喜”は“喜”が二つ並んだ中国の漢字)。1992年制作の香港映画。日本未公開。


もう20年近く前から見たいと思っていて、3年前に密林でDVDが取り扱われているのを見つけてすぐさま、手に入れたのだけど。


恥ずかしながらうちにはDVDデッキがなく、かといってPCで見るのはどうにも集中できないので、長らく塩漬けになっていた(YouTubeなどネットの動画はバンバン見ているので、単純に再生時間の長さが問題じゃないかと)


だが最近、ひょんなことからうちにDVDデッキがやってきて(再生のみだけど)、このたびめでたく鑑賞とあいなったわけ。


この作品、香港のお正月に公開されたお正月映画。それゆえ、スターがたくさん出演していて、とっても華やか。何しろメインキャストに、日本でも知られているレスリー・チャン、マギー・チャン、チャウ・シンチーと、3人もいますからね!


ストーリーもドタバタなラブコメディで軽快に進んでいくのだけど、これを見ている間中、わたしはずっと半笑だった。


もうあまりにもバカバカしくって!


イキイキと動くレスリーを見て、ちょっとしんみりした気分も2割程度混じってはいるけども。


作品への愛が溢れそうなので、折りたたみます。画像多めです。

まずはDVDのパッケージで紹介されている作品のあらすじから。

シュン家には愛人持ちの長男ムン、おかまっぽい次男ソウ、そしてラジオの人気DJでプレイボーイの三男のフンがいた。ある日、ムンが酔っ払った勢いで愛人を家に連れてきたことから妻は家出。ソウは従姉妹で天敵のションがきておかんむり、そしてフンは映画にすぐ影響を受けるホーと出会って恋の炎を燃やしていた。ところがフンが家に違う女を連れ込んだところをホーに見つかり、逃げる途中の事故でフンはおかしな病気になってしまう。それがもとで一家はとんでもない騒動に巻き込まれていくが……。

これだけ読むと、別にどうということはないストーリーに思えるのだが、それはとんだ勘違い。


ナンセンス・ギャグが始めから終わりまで詰め込まれ


ドン引きしそうほどの下品なシーンが時折差し挟まれ


気持ちいいほどくだらない!


でもこういうくだらなさ、バカバカしさはキライじゃない。


香港映画なので、もちろんワイヤーアクションも入っています。

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二股をかけていたことがバレて逃げたチャウ・シンチー演じるフン。車やベビーカーを華麗によけます(笑)


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狙った女性がイチコロのフンの必殺技「エッフェル塔の逆重ね」キス。アホすぎて愛おしい


また、パッケージには「ゴースト/ニューヨークの幻」「プリティ・ウーマン」「ターミネーター2」といったハリウッド映画がパロディとして登場していると紹介されているけど、実は「欲望の翼」やジョン・ウー作品もパロっている。「欲望の翼」でレスリー・チャンとマギー・チャンが演じたシーンをパロディにするなんて、ホント抜け目ないわ!


チャウ・シンチーの気合の入ったコメディ演技は、さすがの貫禄。

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重要な告白シーンなのに、フンのおかしな髪型でムード半減(笑)。それにしてもマギー・チャンの美しさを改めて再確認したよ!


時々、気合が入りすぎてちょっと怖いけど。

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おかしな病気にかかったフン。笑うところとわかっていても、渾身の演技に気圧されちゃう


でもわたしが一番称えたいのは、長男の妻を演じたサンドラ・ンですよ! 夫に尽くしているというのに浮気され、愛人に家を追い出される哀れな妻という役どころのはずが、メイクや演技があまりにブッ飛んでいて、役の設定ほど可哀想には見えないという凄まじさ


ダサいわ、化粧っ気がないどころか髪はボサボサだわ
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“おてもやん”なメイクだわ
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ヒゲが生えているわ
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足ツボマッサージで「欲求不満」のツボを押されて身悶えるわ、トイレ使用中のシーンはあるわ、熱演にもホドがあるだろ! とツッコミたくなってるほど。


しかし愛人に追い出されて就職したカラオケ・バーで、見違えるほど美しくなって登場した時は、心から嬉しくなった。良かったね、サンドラ! キレイなこともアピールできて!

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元夫のムンがモトサヤに納まろうとするほど変身。しかし化粧ってすごいね!


サンドラを追い出す愛人・シーラは、ロレッタ・リーが演じている。シーラは、不細工ではあるけど気立ての良い長男の嫁を追い出したとして、義弟(特にレスリー・チャンが演じるソウ)や舅・姑から疎まれ・嫌われ、最後には追い出されてしまう。いやぁ、ソウがシーラにチクチクと嫌味を言う姿は、意地悪な小姑そのものだった!

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「シュン家の嫁の仕事」を滔々とまくしたてるソウ。シーラ呆然


でも、シーラは下手くそながらも家事をこなしていたし、妙な病気になったチャウ・シンチー演じるフンを看病していたので、あんなに嫌われて追い出されるのは気の毒だなぁ……と思ってしまう。元凶は、レイモンド・ウォン演じる長男・ムンじゃん!


それにしても長男の妻に名前が設定されていないことや、妻だろうが愛人だろうが、家庭に入ったら求められる服従のような献身ぶりは、ブラック・ジョークだと思いたい……。


ところで、この映画を見たいと思っていた理由の一つは、レスリー・チャン演じるソウがオカマっぽく、彼と犬猿の仲であるテレサ・モウ演じる伯母・ション(パッケージには従姉妹と書かれていたけど、劇中では伯母様と呼ばれていた)がオナベっぽいという設定だと聞いていたから


レスリーのオカマっぷりがハンパない! と言うことだったけど、確かに恐ろしいほどハマっていた。

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なんて可憐なんでしょう……! てな細かい仕草がたくさん見られて、眼福


テレサ・モウ扮する男ぶりも悪くなかったけど、ちょっとガサツで乱暴な感じ。ションというキャラ自体がエキセントリックなので、余計にそう見えたのかも。

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バイクを家の中に乗り入れたり言葉遣いが乱暴だったり、なんとなくかつての“ツッパリ”っぽいション。表情が凛々しい五月人形みたいで、カワイイ


物語の終盤にある3兄弟の両親のお祝いのパーティーシーンで、ソウとションのドレスアップするシーンが好きだ。着飾ったお互いを見て、ソウは「手品でもするの?」と鼻で笑い、ションは「ゲイバーにでも行くのかよ?」と嘲笑うのが、笑える。


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最初はスーツを着てみたものの、釈然としていなさそうなソウだけど……

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お気に入りのスパンコールがまぶしい服にチェンジ。「やっぱりこっち!」と満足そうなレスリーがカワユス


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ションもセクシーなドレスを着てみたものの、鏡に映った自分にギョッとして

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シルクハット&タキシード姿に着替えて満面の笑み。宝塚っぽいわ~


この二人、それぞれ結婚を考えている恋人がいたのだけど、お互いの恋人同士がひっついてしまって同時に失恋し、慰め合ううちに恋心が芽生える。しかし、そのままひっつくのはよくないと思ったらしく、以前、感電して一瞬だけ中身(?)が入れ替わった経験をもう一度試そうとする。

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感電時にお互いの身体がひっついているのがポイントらしい


結果的には、めでたく思惑通りに「男らしい男性」「女らしい女性」となって二人は恋人同士となるのだけど、このくだりは正直なところ、わたしは不満だ。

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いきなり男っぽくなったソウと女っぽくなったションがイチャつきながら登場。ション、髪が長くなってるじゃん!? そりゃ兄も愕然とするじゃろうて


そもそも、二人が結婚を考えていた恋人というのも、ソウの相手は女性、ションの相手は男性だったので、二人は「ちょっと女性っぽい男性」「ちょっと男性っぽい女性」という位置付けだったのかも……とは思う。


それでも、別に「ちょっと女性っぽい男性」と「ちょっと男性っぽい女性」のままでよかったんじゃないの? と思っちゃうのだ。


何も、女性っぽさと男性っぽさを入れ換えなくても……ねぇ……?


まあ、人気スターがたくさん出演しているお正月映画なので、あらゆる年代層にウケるように作ったのかなと考えると、90年代初めの香港では、同性愛とか「ちょっと女性っぽい男性」と「ちょっと男性っぽい女性」の結婚とか、斬新すぎ・野心的すぎということだったのかもしれない。


そう、最後は3兄弟に加えて兄弟の両親までもが、タキシード&ウェディングドレスで登場し、おめでたい歌を歌って物語を締め括る。観客は、ゲラゲラ笑って幸せな気分で気持ちよく席を立てただろうなぁと思うと、これはまさしく、お正月公開にふさわしい、お正月ならではの作品なのだ。


旧正月も迎えましたからね。もうすぐ立春も迎えますしね。


恭喜發財! 新年快樂!


#邦題の「ハッピー・ブラザー」って、ちょっとイマイチじゃなかろうか。サブタイトル(?)の「終わりヨければ全てヨし」の方がいいんじゃないかという気がしてならない……。


#エンドロールには、NGシーンが流れているのも良かった。マギー・チャンが、チャウ・シンチーの演技に何度もフキ出していたのを見て、ちょっと安心した。いや、笑っちゃうよね、絶対……!


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Tags: クィア映画 ジェンダー

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