スポンサーサイト

 --,-- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

黒き龍、銀の獅子ー流沙美神伝ー(舞邑凜)

 14,2011 23:37
ブログを続けていると、こういう機会に巡り合うこともあるんだなぁ……と、しみじみと感慨に耽りながら眺めたのが、書評コミュニティサイト『本が好き!』様から献本していただいた「黒き龍、銀の獅子ー流沙美神伝ー」。


多分、声をかけていただかなかったら、この作品を読むことはなかっただろうと思うと、出会いの面白さと不思議さを感じてしまう。


というわけで、さっそく読んでみたら――思わぬ展開にいろいろとオロオロしてしまったのだった。


黒き龍、銀の獅子ー流沙美神伝ー黒き龍、銀の獅子ー流沙美神伝ー
舞邑凜

無双舎 2011-05-27
売り上げランキング : 835990

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

太古のアジア大陸奥地を舞台とした貴種流離譚が、 妖しげな情念で綴りだされる異色のファンタジー! 玲瓏にして艶冶なる両性の肉体を持つパルミラの貴公子戦士“銀獅子”と天馬の皇国より流れ着いた凄腕の若き戦士“東天の黒龍”が沙界の戦場で刃を交わすが、瞬時に恋に堕ちる。 二人の男が互いの情を求め、肉体を絡めて睦みあい、生涯の伴侶とを契る。 かつて吟遊詩人はこう唄った。―獅子よ 美しき パルミラの なお麗しき白銀の獅子よ! 汝 今こそ 出征くか 葡萄の酒を 飲み干して 白銀の大剣をば 細腰に佩き 瑠璃玉の双眸 死をも畏れず……いざ、出征くか そも 汝よ! 銀の鬣 翻し――  (本文より抜粋)


物語は、端的にいえば“ちょっと耽美風味の少年マンガ風冒険活劇”といったところ。


“ちょっと耽美風味”だと思うのは、主人公で受けの“銀獅子”こと月牙(ユイヤ)が“ふたなり”という設定であるだけではなく、彼への凌辱シーンが結構エゲツなく嗜虐趣味だから。あれほど痛めつけられてもへこたれない月牙は、かなりタフだと言わざるを得ない。


読みながら思い出したのが、「新里見八犬伝」(鎌田敏夫)や「天の華・地の風 私説三国志」(江森備)。ねっとりと、時に残酷なまでに主人公をいたぶる、あの感じですよ。


そういえば途中、攻めの“東天の黒龍”ことナークの生母は、月牙の生母と同一人物ではないかと語られる部分があるのだけど、本当にそうなら、異父兄弟モノという意味でも“耽美”といえるかもしれない。


けれども“少年マンガ風冒険活劇”というのがミソで――嗜虐趣味で耽美要素はあるし、エロシーンも結構ボリュームがあるのだけど、なぜかそれほどエロくない。ねっとりといたぶっているわりに、ジメジメしていない。


しかも文章のリズム感もいいせいか、「声に出して読んだら講談っぽいかも!」とも思ってしまう。いや、声に出して読まないけども。


「でぇ~いっ!」「あぎいぃっ!」など使われている擬音語や、「少年」と書いて「ガキ」と読ませるような言葉選びなどが、なんとなく男性向け作品的。登場人物たちのセリフのやりとりなんて、まさに少年マンガ


耽美で“しっとり”かと思いきや、わりと賑やかしく元気いっぱいで、それゆえに“冒険活劇”と思った次第。耽美と冒険活劇なんて、混ざり合いそうにない要素なのに、なんだか不思議なバランスで成り立っている作品だなぁ……と思ったのだった。


そしてもう一つ。読み進めるうちに、


――これって、BLなんだろうか――


という疑問を押さえきれなくなってしまったと白状しておきます……。


確かに月牙は、ふたなりとはいえ見た目は男性だ。彼と運命の恋に落ちるナークも勇敢な戦士で、男×男ではある。


でもね、月牙、妊娠しちゃうんですよ……! ナークとのエッチシーンでも、ア●ルが使われているわけじゃないし(ふたなりだから当然なのか?)


しかも月牙は、ナークと出会う前には、亡き妻に息子を生ませてもいる。性器だけでなく生殖機能もきれいに両性揃った、奇跡のふたなり、月牙。


そりゃ、どういうわけか妊娠・出産しちゃうBL作品はあるけれど、なんとなくわたしには、ナーク×月牙が男×男という印象は、読めば読むほどどんどん薄れていっちゃったんだよな……。


逆に言えば、ふたなりファンタジーに拒否反応がなければ、男性も楽しめる作品ということじゃないかなと思う。いや、このリズム感やドラマチックな展開は、男性でも好きな人はいるんじゃなかろうか。“BL”と括ってしまうのは、読者を限定してもったいないかもよ?


――そんなことを思ったのだった。まあ、途中でナークが受けになるかも!? 的展開があるので(実際にはリバはない)、やっぱり“BL”で括っておくべきなんですかね……難しい。


物語の舞台は太古のアジア大陸ということで、「サラディン」とか「マハルジッド」とか登場人物たちの名前がイスラムっぽいのが新鮮。中国より西の中央アジアの辺りかなぁ、と勝手に想像している。


もちろん、月牙とナークはヒーローらしく、強く美しく勇敢なのだけど、彼らに立ちはだかるいけすかない小悪党や、憎々しい大悪人も魅力的。というか、大悪人・ザガートの悪計を前にすると、月牙は無鉄砲にしか見えないのが微妙なところだ。


月牙が次々と襲いかかる困難に立ち向かったり、ナークが行方をくらませた月牙を追い求めたり、物語の展開はドラマチック。


――でもさ、まさかこれ、「上巻」だったなんて! これ1冊で物語が完結していないなんて! ――まったく予想外でした。どうりで、残りのページ数が少なくなっているというのに、いつまでたっても月牙のピンチが続いていると思ったよ……!


次に出るのが「中巻」なのか「下巻」なのかはわからないけれど――きっと、月牙とナークは幸せになると思うけど――ザガートはじめ、周りの登場人物たちがどう収まるのか、ちょっと見てみたい……かな。正直、嗜虐的な凌辱シーンは苦手だけど。


この作品を読む機会を下さった、『本が好き!』様、ありがとうございました!


関連記事

Tags: 舞邑凜 歴史/時代BL ふたなり

Comment - 0

Latest Posts

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。