スポンサーサイト

 --,-- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

腐女子化する世界―東池袋のオタク女子たち(杉浦由美子 )

 23,2011 23:40
前々から読もう読もうと思いつつも、なかなか読めないでいた本。



腐女子化する世界―東池袋のオタク女子たち (中公新書ラクレ)腐女子化する世界―東池袋のオタク女子たち (中公新書ラクレ)
杉浦 由美子

中央公論新社 2006-10
売り上げランキング : 263609

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

最近は「萌え」という動詞は女性の間でも普及してきている。異性のアイドルを見てドキドキする感覚。アニメのキャラクターを「かっこいい!」と思う感覚。女性の間で「萌え」が拡がり、オタクが増えている――この現象が「腐女子化」だ。なぜ、女性たちは自分への興味を失い、自分以外のものを追いかけ、「萌え」るようになったのか? 密かに、しかし確実に進行する女性のオタク化、その裏側をレポートし、「腐女子化」の理由を探っていく。


この本が発行されたのが2006年。たった5年前なんだけど、その間に金融危機など世界情勢がかなり変わったので、なんだか遠い昔のように思えてしまう。え、わたしだけですか?



わたしが腐にドップリハマってしまってこのブログを立ち上げたのが2006年。その頃から確かに、テレビや雑誌で「腐女子」という言葉がちょこちょこ取り上げられるようになったと思う。だから、この本が登場したのは、そういうムードからすれば必然だったのかもしれない。



思ったよりもサクサクと読み進められ、「なるほどねー」と思うところもあったのだけど(「第3章 社会のオタク化は加速する~『嗜好』の時代へ」とか)、「……そうかしら?」と思うところもあちこちある。



わたしが一番違和感を覚えたのは、「(腐女子は)感情移入できない物語を好む」「腐女子たちが求めるのは現実とは違う『異次元』としての物語」と、何度となく繰り返されている言葉。



「物語」には、自分が入らないことが肝心なのだ。自分が入ってくる限りは「現実の私」から離れることができない。腐女子たちが求めるのは現実とは違う「異次元」としての「物語」である。
(P102より抜粋)



という見方は、確かにそういう部分もあるなぁと思うのだけど(キャラが男同士であることとかね)、だからといって、「感情移入できない物語」を好むといえるのだろうか?――と思ったのだ。



それならつい最近、「それが愛だとするならば」(ひのもとうみ)を読んで、攻めの身勝手さを軽蔑しながらもその気持ちがわからないでもないとゾッとしたり、受けの苦しい気持ちを想像して涙してしまったわたしはどうなる!? というか、わたしは腐にハマった当初から、登場人物に感情移入できる物語を求めているというのに。



――多分これは、著者の“杉浦さん自身”の“やおい・BLに惹きつけられる理由”なのだ。これまでアンケートをとってみたり、腐女子ブログやサイトを巡回したりTwitterを眺めたりしてつくづく痛感することは、やおい・BLに惹きつけられ、ハマる理由は本当に人それぞれだということ。絶対にコレ! という、腐女/男子全員にあてはまる理由はないんじゃないかと思っている。



「Aという傾向が多く見られる」という言い方はできるだろう。でも、「Aである」とは言い切れない。もちろん、それはやおい・BLジャンルに限ったことではないと思うけど、こうした背景があって、自分とは違う見方をさも正解のように述べられると、反論したくなるんじゃなかろうか。だから世に出た腐女子考察本は、そのほとんどが批判されてしまうんだよ――なんてね。



そんな風に思うと、この本を読んで感じる違和感もやり過ごせるような気がしたのだった。



全編通して、たびたび取り上げられ引用されているのが、「負け犬の遠吠え」をはじめとする、酒井順子氏の著作。それも、「『負け犬…』ではこう書かれているけど、腐女子は…」のような著述が多くて、ニヤッとしてしまった。



いやいや、酒井さんは基本、リア充ですから! わたしから見るとオタク要素はお持ちだけど、腐要素はなさそうなので、そりゃ相容れないところは多々あるでしょうよ。



……って、「リア充」という言葉自体、検索してみると、この本が出た頃と同じか、ちょっと後になって盛んに使われるようになったみたい。この言葉がもっと以前から普通に使われていたら、杉浦さんの考察もちょっと変わったのだろうか。



というより、この本で触れられていることが、年月が経ったことによって現在にそぐわない感じがするところがあるのは、「負け犬の遠吠え」と同じことだ。



論考が終わりに近づくにつれて、なんだかだんだんと「腐女子考察」から離れて、マーケティング的な話になっていき、これはどこへ着陸するんだろう……と思っていたのだけど、「この厳しい格差社会で健全に現実逃避できるのが『腐女子』のスキル」と最後に結論づけられていた。そういうことか……ちと強引な気もするけど。



また、データと共に論じられていたらよかったのに、と思うところがところどころあったのが残念。



例えば「腐女子のセクシャリティは、非ヲタ女性に比べて同性愛者が目立つようだ」などと書かれているのだけど、それ、調査するわけにいはいかなかったのだろうか。個人的には腐にハマった当初からものすごく興味があるのだけど。



興味があるのに手に入らないのなら、自分でデータを取れ、ということなのかしらね!? ほら、「ないものは作るしかない」(≒ 読みたいCPの本がない時は自分で書くしかない)という腐スピリットに則って。


※当ブログに来てくださる方の年齢層を探るアンケート「あなたのことを教えて!」をまだまだ実施中です。300票まであと少し! ブログTOPページの左側からぜひ一票、よろしくお願いいたします!


関連記事

Tags: 杉浦由美子 腐女子 腐女子論

Comment - 0

Latest Posts

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。