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女は“四十而不惑” ‐1‐ 「負け犬の遠吠え」(酒井順子)、「四十路越え!」(湯山玲子)

 22,2011 23:01
アラフォーアラフォーとこのブログで連呼しているうちに、ふと昔読んだ「負け犬の遠吠え」を、読み返したくなった。「どんなに美人で仕事ができても、30代以上・未婚・子ナシは女の負け犬」と定義して大論争を巻き起こした、あのエッセイだ。



最初に読んだのは30代前半で、その頃すでに紛れもなく「負け犬」だったのだけど、40になって読んでみた時、その内容の受け止め方に違いはあるのかしら、と思って。



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酒井 順子

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どんなに美人で仕事ができても、30代以上・未婚・子ナシは「女の負け犬」なのです!鋭い分析と、ユーモア溢れる文章で、同世代の本音を描き出した超ベストセラー。国内外で話題騒然、大論争にも発展した、講談社エッセイ賞、婦人公論文芸賞受賞作。



読み返しながら、なんだか心の深いところでうんうんとうなずいている自分がいた……!



以前読んだ時も、「あー、そうだなー」とうなずいていた覚えがあるんだけど、今回は何というか「――おっしゃる通りでございます」と、著者の慧眼に脱帽しひれ伏したような感じ。



なにしろ冒頭でいきなり、



 負け犬がよく口にする言葉として、
「やらないで後悔するくらいなら、やって後悔した方がいい」
 というものがあります。 <略>
 この言葉は、一瞬心理をついているように見えるのです。同じ後悔をするのであれば、何もしないでいるより、何らかの経験を伴っていた方がいいではないか、と。
 私達はしかしその時、「やらない」という選択をすることによって、後悔そのものをせずに済んでいる人もたくさんいるということを忘れています。目先の面白いことを捨てることによって、人生の根本に関わるような大きな後悔もせずに生きている人のことを、
「やらないで後悔なら、やって後悔!」
 と叫ぶ負け犬は、見てみぬフリをしているのです。(P19より引用。一部略)



という鋭い指摘に、ハッとさせられちゃったもんね。



確かに、わたしも含めて負け犬である友人たちは「やらないで後悔するより、やって後悔!」とよく口にする。そして言われてみれば、「後悔そのものをせずに済んでいる人」はいるんだよね。いやでも、そうはいってもやっぱり「やって後悔」を選んでしまう自分がいるんだけどね。<とことん負け犬



また、負け犬が趣味を持つと依存症のような様相を呈し、モテなさそうな痛々しさや恐ろしさを醸し出すイヤ汁を滴らせる――とは、まさに30半ばにして腐にハマっちゃった自分であり、ジャ●ーズやらサッカーやら芝居や旅行やらで東奔西走している友人たちの姿といえるだろう。



「他人からどう見られるか」を意識せざるをえず、やたらに自分にあうファッションに悩んだり、仕事を必死でやって後輩から恐れられたり、



自分が孤独であることに不安は感じつつも、人と一緒に住む煩わしさや結婚の面倒くささ(何しろ既婚の兄弟姉妹や友人たちの大変な様子を目の当たりにしている)を考えて気が重くなり、「ま、孤独は年取って考えたらいいや」と先送りしたり



――ピンとくるどころじゃない。ビシバシと思い当りますぞ!



かなり胸に刺さる指摘が列挙されていることは間違いないけど、読み返していて首を傾げる部分もないことはない。その辺りはもしかしたら、著者の酒井順子さんがバブル世代でオタクじゃないということが関係しているような気がする。酒井さんはオタク気質ではあると思うけど。



それにこのエッセイが出た頃と現在とでは、世情が大きく変わっている。エッセイの中で、「負け犬は都会の生き物」とされているけど、今や都会だろうが地方だろうがあまり関係ない。少子高齢はますます進み、雇用不安が高まり、未婚率は上昇し続けている。



しかも金融危機だ地震だ原発事故だ中東革命だと、客観的に見たら「明日はどうなる!?」な超動乱の世の中。思えばこのエッセイが出版されてから、たった7~8年しか経っていないのに。



こんな世の中だから、負け犬はますます同じ負け犬をはじめとした友情を大切にしようと思うのかもしれない――って、ここでまた本の内容に共感しちゃったけれど。



しかし、「結婚はいいわよー」とか「子どもは生んだ方がいいわよー」とかいった周囲の押しつけがましい善意の言葉には「抗うより受けろ」、つまり



「本当にこれでいいのかって感じですね~! アハハ!」



とか



「うらやましいなぁ……わたしも子ども、欲しいんですけどね……」



などと言って、負け犬に徹し、腹を見せて「キャイィーン」と弱々しく鳴いてみせておくべし、という見解は、以前読んだ時よりもますます得心し胸に染み入った。まさしく、至言。



そしてもう一つ、今回改めて印象的だったのは、「勝ち犬」への強烈な皮肉だ。以前読んだ時よりも、その皮肉の鋭さ、柔らかな物言いの影に滲み出る毒の強さに、内心ニヤニヤしてしまった。これ、30歳後半以降の実感だろうな。



まあ、将来何があるかわからないとはいえ、恐らくわたしはこのまま負け犬であろう……とうすらぼんやりと思っているのだが、「負け犬が存在していく上で重要な要素」として、酒井さんは話がやたら面白いなどの「お得感」と、自分の弱さを開陳できる「可愛気」を挙げている。



「お得感」と「可愛気」ねぇ……と考えていたら、偶然にも、似たようなキーワードが登場したエッセイを見つけたのだった。



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Tags: 酒井順子 湯山玲子 エッセイ 負け犬 ジェンダー フェミ?

Comment - 2

2011.07.30
Sat
12:47

lucinda #-

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拍手コメントRES

>07/27 11:37 eさま
コメントありがとうございます。このエッセイ、確かに自分の引け目というか劣等感というかを指摘される感じではありますが、「こういう考え方もありか」と思えるところもある感じです。でも、イヤな人にはイヤな本なんだろうなぁ…。
親戚連中からの結婚しろプレッシャー、なかなかなくなりませんよね…かといって、まったく何も触れられなくなるのも気まずい感じがしないでもない(苦笑)。やっぱり、腹を見せてキャイーンと鳴いておくしかないですかねw

編集 | 返信 | 
2011.08.16
Tue
11:47

lucinda #-

URL

拍手コメントRES

>08/06 00:03 Hさま
あたたかいコメントありがとうございます。レスが遅れてしまって申し訳ございません!
「3月のライオン」は知っていたけど、「僕等がいた」は知りませんでした。チェックしてみますね~。
また遊びにいらしてください。

編集 | 返信 | 

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