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キッズ・オールライト

 01,2011 23:18
去年、この映画のことを知って、すごく観たいと思っていたのだけど、TwitterのわたしのTLでは、なんだかちょっと批判的なレビューをちらちら見かけた「キッズ・オールライト」。



実際に観終わった後の率直な感想としては、思ったより悪くない。でも何となくモヤモヤしちゃう――なのだった。


ka1.jpg
原題:THE KIDS ARE ALL RIGHT
2010年 アメリカ 監督:リサ・チョロデンコ


長いのと、ネタバレを含むのとで折りたたみます。
医師のニックと、造園家を目指している(らしい)主婦のジュールスのレズビアンカップルを両親に持つジョニとレイザーは、同じ父親を持つ姉弟。要するに母親たちは、同じ精子提供者の精子から彼らをそれぞれ一人ずつ生んだということ。



夏休み終了後には大学進学のために家を出ることになっている18歳のジョニに、15歳のレイザーは、生物学上の父親にコンタクトを取ってほしいと頼むところから、物語は始まる。18歳にならないと、精子提供者に連絡する権利は認められないらしい。



そうして目の前に現れた生物学上の父親は、オーガニック系のレストランを経営し、結婚せずに自由に生きているポールだった。



さて、映画を観終わって、わたしがどうにもモヤモヤした最大の要因は、ポールがあまりに気の毒だなぁ……と思ったから。多分これに尽きる。



物語上ポールは、安定してはいるけど退屈で窮屈な、家族それぞれのささいな不満がひっそりとくすぶっている家庭をかき回して刺激する部外者というか、異分子であることを求められているのはわかる。わかるんだけど――でもね――



ニックには警戒心メラメラなよそよそしい態度を取られ、ちょっと波長が合ったジュールスと何度も愛し合ったというのに結局ジュールスに捨てられ、ジュールスと寝たことで子どもたちには罵られて敬遠され――



最初から最後まで、ニック&ジュールス一家に振り回されて、ハイ終わり! お役ご免! みたいな感じがどうしても拭えず、心底同情してしまったのだ。そもそも「会いたい」と言って、突然押しかけてきたのは、子ども=ニック&ジュールス側だったのに!

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レイザー、アンタが会いたいと言ったんじゃん!


なぜ、こんなにもポールが気の毒に思えるのか……。



なまじ、ポールが“いい人”だったのは大きい。これが、チャラチャラしたりわが物顔で威張り散らしたり、デリカシーがなかったり、ジュールスや子どもたちに不誠実だったり、というキャラだったら、きっとここまで「ああ……気の毒……」と思わなかったに違いない。

ka2.jpg
無農薬野菜や果物を仕入れる、いい人・ポール


そして、仕事そっちのけでポールと何度も寝たジュールスが、「やっぱり私はニックを愛してるわ!」てな感じでニックを冷たく切り捨てる様子には、ちょっとあんまりじゃないの、ジュールス……と思わずにはいられない。ジュールスはバイなんだろうけど、それにしたってニックもポールも可哀想。



そういうわけで、倦怠期のニック&ジュールス、そして思春期で微妙なお年頃の子どもたちに、ポールこそが生活をかき乱された感があり、もっといえば、



――ポールって、自分の精子を提供した家族と顔を合わせても、しょせん彼そのものは必要とされない“精子提供者”にすぎないんだな――



と思えて、わたしの「気の毒だなぁ」感を押し上げ、複雑な気持ちになったのだ。ニックに鼻先でドアを閉められたポールの失意たるや、さぞかし……と、ヘルメットを地面に叩きつける姿を見てしんみりしたことよ。

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ちょっと潔癖症気味の娘・ジョニ。同級生も振り回してたな……


ニックの「家庭を壊されるかも」という不安や苛立ち、ジュールスの「ニックやほかの誰にも認めてもらえない」という焦りや淋しさも、想像できないわけじゃない。だから、誰が悪くて誰が良い、ということじゃないのはわかるんだけど――モヤモヤしちゃうのよねぇ……。



――ま、ポールのあの性格なら、きっとタフに生活を立て直していけそうだけど。

ka3.jpg
でも彼女たちは彼女たちの家庭を守り抜くんだよね。そこら辺は興味深いモチーフなのかも


映画の重要な要素だと思われる「レズビアンカップルの家族」は、やっぱり一般的にはたくさんあるわけじゃないので、ちょっと変わっていることや、何か特別な感じがあるのかと一瞬ドキッとする。でもニックとジュールスの家庭は、そこら辺のありふれたヘテロカップルの家庭と変わらず、逆にそのことが観ていて安心感や心地良さを感じた。



なんというんですか、「家族」の窮屈さや鬱陶しさ、葛藤やありがたみといった諸々の感覚は、ビアンだろうとヘテロだろうと、関係ないんだなぁ……と、心から思えて



映画の途中、フキ出したのが、ニックとジュールスがセックスの時にゲイポルノを流す、というシーン。それがレイザーにばれ、「なんでゲイポルノを観るの?」と質問したレイザーとジュールスのやりとりも珍妙だった。以下、正確な記憶ではないけどこんな感じ。



「なんでゲイポルノを観るの?」

性的な衝動は複雑なものなの。女性はセックスでは受け身でしょう? 男性が攻めている姿を見て興奮したいこともあるのよ」

「レズビアンのポルノを観ればいいじゃん」

レズビアンのポルノはストレートが演じているから興奮しないのよ



ストレートが演じているのかどうかは知らないけど、レズビアンポルノが女性のためというよりは、男性のために作られている感はあるな。特に日本。ゲイポルノは、たとえ女性が観てようが、ゲイの男性をターゲットにしているもの。これって、「女がポルノを観るなんてはしたない!」的価値観が影響しているんですかね。



#映画を観るまで、批判的なレビューは見ないようにしていたんだけど、レビューを書き終わってからチェックしてみると、ジュールス、バイじゃなくてレズビアンという設定なのね……。

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Tags: レズビアン

Comment - 4

2012.08.18
Sat
20:06

zebra #ngCqAwRo

URL

ふ~ん レズビアンねぇ~

人間社会はいろんな 生き方 個性をもった 人たちがいます。

 常識やモラルを守っていれば どんな生き方してもいいとおもうんですよ。

 そりゃあ 人との意見が合わず対立はありますよ。 同じ考えを持った生き方をしましても 不協和音はつきものだし・・・。

 ニックは・・・ボクは性格は 合わなそう・・・でも、人の面倒見はよさそう・・・

 まあ、ボクがポールの立場でしたら タメ口で こういいますね。

 「よっ、はじめまして オレ ポールってんだ! あんた ニックだろ!以後よろしくな。  あんたのことは 堅物石頭のクソババアって聞いてるよ」 これを英語で言えたら・・・ ボクはぜひ言ってみたいです。

編集 | 返信 | 
2012.08.20
Mon
03:13

lucinda #-

URL

コメントありがとうございます

>zebraさん
手厳しいですね(苦笑)。でもまあ、確かに、そう言いたくなるような頑なさが、ニックにはありました。そしてニックは面倒見はよさそうです。慧眼!
でもねぇ、引っ掻き回してるのはジュールってのが、私の中では大きいですねぇ…。ポールとくっつくならくっつく、ニックを裏切れないなら裏切らないで、ハッキリした態度を取ってくれればよかったのに…って思うけど、そうはいかないところが人間の複雑さ、というものかもしれません…。

編集 | 返信 | 
2013.05.11
Sat
14:33

zebra #ngCqAwRo

URL

深入りはルール違反

 GWにDVDで再び みました。

これも厳しいコメントに なります・・・もともと 子どもたちは自分たちの出生のルーツを知りたくてふたりが調べたことがきっかけだったんですよね。ならば 一度だけ あって それでおしまいにしないと いけなかったんですよ。これからも会おうとすれば 自分たちも相手も 個人情報などお互いのプライバシーに触れることになる

 子どもたちも 自分たちの出生のルーツを知る権利はあります、
 
 ・・[紊・��]が、深入りはルール違反だと思います。[/紊・��]

 見終わって なんとか バラバラにならずに済んだのは 登場人物みな "自分たちは 何がいけなかったのか?"反省したからだと思うんです。

 ジュールズはニックのパートナーというより上下関係で押えつけられた関係に疲れたのをニックに面と向かって言えず ポールとこうなった。 ポールも また軽率にジュールズに言い寄ったこともまた然り

 ニックはジュールズが大人しめだったこともあって ガーっと言うことが多々あり 煙たがれていたのにまったく気づかなかった。

 子供たちは・・・好奇心に身を任せてポールと会いたがり 興味本位で首突っ込み過ぎた! 人には知られたくない それぞれ自分の人生には寝堀葉堀聞かれたくない!という ことがあるのを学んだ! 今後は人との接し方で なんでも詮索する行いはしないでしょう。

 たぶん 全員 自分の行いには責任持つようにして生きていくと信じたいです。

 終始厳しいコメントになってしまいましたので最後に ぜんぜん関係ありませんが せめて見終わったあと リラックスできそうな洋楽を2曲 選んでみました

http://www.youtube.com/watch?v=_TzXhmBTBsc
http://www.youtube.com/watch?v=W3cGxlZjMWU

 
 

 

編集 | 返信 | 
2013.05.13
Mon
23:55

lucinda #-

URL

コメントありがとうございます

>zebraさん
コメントありがとうございました。コメントを拝見して、あーなるほどなぁと思いました。なんとなく、私の中でモヤモヤしていたものが、スッキリした感じです。
登場人物一人ひとりが、自分自身のことを振り返り反省したから家族がバラバラにならなかった、って確かにそう思えますね。ニックとジュールスの関係も、言われてみればそうか!って感じです。私もまた確かめてみたくなりました(笑)
洋楽もありがとうございます。とってもゆったりとした気持ちになりました!

編集 | 返信 | 

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