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「つながりたい」(いつき朔夜)、「真夜中クロニクル」(凪良ゆう)

 15,2011 17:02
東京は、桜はもう終わりでしょうかね。


実は先月初めから、アレルギー性らしい気管支炎に罹ってしまい、咳や鼻水と闘っているのだが――それにしても辛いね、咳&鼻水!! 咳のしすぎで肋骨辺りが痛くなるわ、鼻が詰まって頭痛がするわ、もう大騒ぎ。


何をするにも根気が続かず集中できず、ブログの記事も書いては保存、削除しては書き直しの繰り返し。ちっとも形にできず、健康のありがたみを改めて噛み締めた。もうかれこれ30回くらいは噛み締めているはずなんだけどなぁ……。


書きかけの記事はおいおいアップすることにして、暗黒の鼻水期でもがいている中、集中力が途切れるたびに気分転換に読み進めた作品が、どちらも一筋の光りのごとき快作だった。


長くなったので、折りたたみます。
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基一は学外で活動していたダンスチームが解散してからというもの、不完全燃焼な日々を送っていた。そんな時、服飾コースを選択するクラス委員長の宗政から、作品発表会の幕間に踊ってくれと頼まれる。なぜか自分にだけ厳しく当たる宗政のことが気になっていた基一は、迷いつつ引き受ける。二人は時にぶつかりあいながらも、互いを認めるようになり…?北九州を舞台にはじける青春☆ハイスクールLOVE。


帯に「そんなに俺が好かんとか」のコピーが踊っているのを見た瞬間、期待度は3割り増し。やっぱり方言はいいよね! 方言で語られていると、ちょっとキャラクターに温かい血が通っているような気がする。


クラス委員長で優等生の宗政が、実は元ヤンで二つ名を持つほど有名だったという設定や、最初は反発し合っていた基一と宗政が、協力して学校のイベントを盛り上げるというストーリーは、学園青春ドラマそのもの。ベタといってもいいくらい。


だけど、キャラたちが方言でしゃべっているので、ベタ設定に時々感じるマンネリ感や退屈さをあまり感じない。読みながら、「博多っ子純情」というタイトルを突然思い出した。全然別の作品だけど。舞台は北九州だけど。


当初、宗政が小倉弁でしゃべっておらず、この子はこのまま共通語でいくのかと思っていたら、自分のホームグラウンドに基一を連れて来たとたん、言葉遣いが変わって一安心。


なんだろうなぁ……基一の小倉弁に共通語で対応する宗政は、いかにもスカした冷たい感じがして、共通語はキライだと大騒ぎする人の気持ちが、ちょっとわかった気がする。もちろん宗政がことらさら共通語をスカした風に使っているんだけど。


付き合い始めてからの基一の浮き足立った様子がとてもカワイイ。宗政とのデートを想像して新しいパンツを準備したり、テーマパークですねたり、初々しいのだ。宗政もそんな基一が可愛くて仕方ない様子。


基一に嫌がらせをしていた猪俣が、静かにフェードアウトしていったのがちょっと物足りないけど、読後爽やか。いつき朔夜さんには、もっと小倉弁の作品を書いてほしい! 久我有加さんの大阪弁BLに対抗するぐらいに。


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太陽の下に出られない病気を持つニーナは、気難しくて偏屈だ。そんなニーナが、夜の公園で7つも年下の陽光と出会う。どんなに邪険にしても無邪気に寄ってくる陽光を煩わしく感じるが、ニーナは次第に心を詳していく。そんな二人がすべてから逃れるため、星降る夜に飛び出した―。温かな恋心でニーナを包み込む陽光と、寄せられる想いに戸惑って踏み出すことができないニーナ。時を経て変化に呑まれながらも、成長していく二人が辿り着いた先とは。


表紙絵を見たとき、これは凪良さんのコメディ路線系なのか、それともブラック路線系なのか、しばし考えた。だって、主役らしい二人の表情は笑ってないけど、見ようによってはギャグっぽい気がしたし。


正解は、どちらもハズレ。コメディでもないしブラックでもない。いや、ちょっとブラック風味は練りこまれているけど(ニーナのいじめや、陽光のスランプ)、主人公たちが挫折や思いのままにならない現実をなんとか乗り越えようとする、希望に向かって進む物語。


光線過敏症で、ニーナが学校の同級生や教師に避けられる導入部から心を鷲掴みにされてしまった。この導入部のおかげで、ニーナの孤独感や絶望感に共感できる。偏屈なのは仕方ないのよ!と弁護してあげたくなったりして。


そんなニーナに好意を寄せる陽光は、一途というか一徹というか、とにかくニーナに一直線。小学生の時に見初めて、ずっとニーナひとすじだものね。冷たくされても雑に扱われても、めげない・凹まない・挫けない。それだけ前向きなら、キミは自分自身へのイジメに対処できるんじゃないかと密かに思ったほど。


でもそんな陽光も、俳優の仕事がなかなかうまくいかず、焦ったり落ち込んだりする。――実はわたし、彼のこの焦りや落ち込みに、かなりハラハラしていた。彼はどんな風にそのスランプを乗り越えるのか、ちゃんと乗り越えられるのか、目が離せなくなってしまったのだ。


攻めの苦悩が、受けの苦悩と同じくらい描かれるBL作品は、あまりないんじゃないか、という気がする。どちらかが苦悩していると、もう片方はひたすら励まし、慰めて支える役回り。仮にもう片方に苦悩があったとしても、華麗に解決してしまうか、「実はあの時、こういうことがあって……」など後日譚風にサラリと触れられるか、じゃなかろうか。


けれどこの作品では、受けのニーナの難病による苦悩と同じくらい、攻めの陽光の仕事の苦悩がたっぷり細かく描かれる。あまりに陽光が悩んで挫けそうになるので、全体的に見るとヘタレ攻めっぽく見えなくもないが、人間的な感じがして悪くないじゃないか!と思うのだ。


まあ、陽光の悩みや焦りには、ニーナより7歳も年下という引け目もあるようだけど、それはそれで、現実的でいいじゃないですか。ニーナをひたすら追っかけたり、急に会わないといってみたり、その振り回しっぷりは、いかにも年下の青臭い男って感じだよ。


ニーナの苦悩に寄り添う陽光と、陽光の苦悩に寄り添うニーナは、年の差はあれども対等な感じがする。お互いに、相手がいたから前に進んでいける――という展開に、希望のような、明るいものを感じたのかもしれない。


あとがきで凪良さんは、しばらく仕事を休む、と書かれていたけど、しっかり休んで擦り切れた部分を取り戻して、またこんな素敵な物語を読ませてほしい――と心から思わずにはいられないのだった。

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Tags: いつき朔夜 石原理 凪良ゆう 小山田あみ 複数レビュー 方言BL

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