「酔っぱらったらものにしろ」「酔っぱらってもお前だけ」(樹生かなめ)

 02,2010 23:48
書店を流し見していて、気になったタイトルがあった。それは「酔っぱらってもお前だけ」(樹生かなめ)。


酔っぱらい……休日は常に酔っぱらっているような自分には、耳に痛く、同時に親近感を感じる単語だ。


それに、「伍代を抱きたいという、禁じられた欲望」というフレーズにビビッときた。もしかして、リバ!? 小説で、リバが描かれているのかしら!?


――あらすじをよくよく読むと、どうやらこれ、シリーズ第2弾らしいということが判明。うーん、リバが描かれているとしたら、第1弾から読んで経緯をちゃんと追わないとリバを楽しめないかも……と思ったわたしは、そそくさと第1弾から読んでみたのだった。

※ネタバレありです。

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好き、好き、好きだぞ、好きだぞ―と言って、酔っぱらった野々村が抱きついたのは、同期で同じ営業の伍代だった。酒乱の野々村は、伍代のマンションに泊まっては、キスを浴びせ、愛の告白をしていたが、怜悧な伍代の表情はいつもと変わらなかった。伍代は、キスまでは受け入れるが、それ以上は、酔っぱらいの戯言と拒んでしまうのだ。伍代に焦れた野々村は、ある日、寝込みの伍代に迫り、強引に押し切ろうとするが…。


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国府電機の営業のエース・伍代と両想いになった同期の野々村。酒癖の悪さは直っていないが、野々村を熱愛している伍代のマンションに入り浸り、幸せな日々を送っていた。ところが野々村には新たな欲望が生まれてしまう。それは、伍代を抱きたいという、禁じられた欲望だった!寛大な伍代とはいえ、それだけは許さない。鬱屈した野々村は、酒を飲んで暴走してしまう!?それが悪夢の始まりなのか?過ちを犯した野々村の迷走する恋の結末は…。


えーっと……結論からいうと、リバはありませんでした。やっぱり! 期待させただけだったのね!?


きわどく、「あ、もしかして!?」と思わせるシーンはあったんだけど、それも野々村の酒乱中の出来事とて、伍代は掘られることはなく……<オイ!


主人公の受け・野々村の酒乱っぷりはハンパではなく、デザートに使われているアルコールを口にしただけでスコーンと飛んで、記憶を失うわ、物を破壊するわ、暴力を振るうわと大暴れ。


暴れる勢いをかって、密かに想いを寄せる同期の伍代へは、酒が入るたびに「好きだ」と体当たりで迫るものの、伍代はそんな野々村に淡々と接して乱れない。


そうね……そんな伍代の平常心的たたずまい、微笑を浮かべながらのクールで動じない受け答えは、わたしのツボだった。そうだなぁ……「陰陽師」の晴明のようなイメージ。


おまけに伍代は、金持ちのボンボンながら家庭にちょっと問題があるというバックグラウンドを背負っている、まさにBL的キャラ。この作品で描かれる伍代は、確かに攻め攻めしかった。でもそんな伍代が受けに転じるシーン、とっても見たかったよ……!


そしてこの作品、「リバじゃなかった」というガッカリ感以上に微妙な気持ちにさせられたのが、主人公たちが所属する「国府電機株式会社」に勤める従業員たちの“誇り”というか“自負”というか“自信”。あ、言葉を変えただけで同じこと言ってますかね。


国府電機は、なんでも「国内だけでなく海外にも手広く事業を展開」していて、「就職したい会社として毎年上位にランキング」される「大手企業」で、「オフィスコンピュータやサーバーの分野では国内随一」とされているという立派な会社なのだけど、そこに勤める従業員たちの鼻持ちならない誇り高さも並々ならない。


自社の製品・サービスはナンバーワンだと自信を持っているのはともかくとして、自社製品のメンテナンスに訪れた取引先で、「ナンバーワン品質のウチの製品を壊したのは、そっちの使い方が悪いから」的言動や態度を取ったり、SEたちが連日徹夜社内に泊まっているのが当たり前だったり、未婚の上司(男性)の結婚問題がおおっぴらに取り沙汰されたり――


ハッキリ言って、こういう会社と仕事をすると面倒くさそうだなぁ……と、読みながらウンザリしてしまったのだ。実際、似たような雰囲気の会社と取り引きしたことがあって、いい加減疲れちゃってさ……って、わたし、相当疲れているのかしら? そうかしら?


取引先としては言わずもがな、こういう会社に入社して働くなんて、多分わたしは3日も保たないでしょうよ! ま、わたしみたいな人間は入社できないでしょうけども。


――ちょっとイマイチ的感想が続いてしまったけれど、それでも、BLの麗々しい受けとは思えないほど凄まじい、野々村の酔っ払いぶりや下劣な行動、野々村を落とさんと謀る上司・遠藤のえげつなさなど面白かった部分もあって、決して読んでソンした的“ワースト作品”ではない。


そうそう、わたしとしては野々村の妄想通り、鬼畜な上司の主任・遠藤と、仕事ができて部下の信頼も篤い色恋に枯れた部長・堤がデキ上がってるといいのに!……と思っている。


伍代×野々村と並行するように登場する、伍代の従兄弟・吉住と、伍代&野々村の先輩・矢沢の、美形同士ながらグダグダハッキリしない関係よりは、よっぽど興味がある。――はっ、それはわたしのオヤジ萌えゆえ!?


これ、第3弾とか出るのかなぁ……。出たとしても、やっぱり野々村が伍代に「やらせろ」と迫りまくるも、結局は未遂に終わる――という、トム&ジェリー的展開になるような気がする。


小説でガッツリとリバが読めるようになるのって、いつごろかしらねぇ……>遠い目。
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Tags: 樹生かなめ ジキル 連作レビュー

Comment 2

2010.08.03
Tue
16:55

カキツバタ♪ #-

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いきなりどうしたのかと思いました。

タイトルにインパクトがありすぎて
ミクシイから見るとタイトルが表示されるだけなんで
lucindaさんに何事かが起こったのか?
もしかして発情した?とか思いました。^^

編集 | 返信 | 
2010.08.03
Tue
23:18

lucinda #-

URL

カキツバタ♪さん~!お久しぶりです!
もしかして、カキツバタ♪さん、この作品に興味を…!?と思ってたら違ってたorz
つか、お騒がせしてすみません。
でもま、この作品の主人公ほどじゃなくても、酔っぱらってるのはたしかです…(微笑)

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