条例否決も、思いはぐるぐると

 18,2010 00:40
6月15日、「非実在青少年」条例改正案が否決された


よかったよかった!――と思ったのも束の間、ニュースによると、否決されてもまた再提出する、という姿勢のよう。本当にもう、懲りないっていうかへこたれないっていうか、暴言承知で言うなら、し・つ・こ・い !


まあ、それだけ簡単な問題ではないということかもしれませんね。


この条例については、わたしの意見は今も「反対」で揺るぎないけれど、ツイッターをはじめとしたネットでの非実在関連の情報をちょこちょこと目にして、いろいろ考えさせられることも多かった。


しかし考えれば考えるほど、とっ散らかっていき――これについての、今現在わたしが思うことをちょっと書き出してみようと思いついたのが、下のマインドマップだ。


ここからグダグダなので、折りたたみます。
BL  in  非実在青少年規制
※マップの上で2度クリックすると、マップの文字が読めます。利用したマインドマップ、外国開発のもののせいか、フォントや句読点の位置が妙なことになっていますが、あしからず……。


繰り返しになるけど、わたしはこの規制には今も反対だ。それは、規制対象とするかどうかの判断をお上に委ねることや、その判断の根拠があまりに怪しすぎることに疑問と不安と不信を感じているから


とはいえ、現状のままが良いかと聞かれれば、そうとも言い切れない部分もあるなぁ……と思うのだ。


例えば、書店に並ぶBLを含めたマンガやラノベなどで、表紙絵の肌色率が異様に高いものを、小中高生(“高校生”は別にいいような気もするけど、一応未成年なので)が簡単に手に取れる状況ってどうなのかしら? と思うことはある。


肌色率が高いと中身はエロだろう、とわたしは直感的に判断してしまうので、エロとわかっていて子どもにそれを手に取らせるのは、ものによってはためらいを感じる。もちろん、内容が性描写ばかりの作品も然り。


「子どもに読ませたくない作品」と「子ども向け作品」は、意味が違う。「子ども向け作品」ではないのに、子どもが手に取れる状況がいけないなら、BLも成人向けコーナーに隔離されれば“問題解決”なのかしら?


ただそうなると、扱う書店は減るし、ネットでも取り扱いがなくなるかもしれないしなぁ……という戸惑いがある。単に、今よりも手に入れにくくなるという自己中心的な戸惑いだけど。


するとやはり、「見せたくない人」「見たくない人」が見ないですむ、ゾーニングやレイティングの徹底ということになるのかしら。


エロ表現って、「ハタチになったら手にとってもいいよ」というものでもない。特定のジャンルにハマるかどうかって、読む人の“業”にフィットするか否かもあるしなぁ……。


――結論出ず。


また今回の規制問題には、BLも含まれると知って気が気ではなかったけど、もしもBLが規制対象外だったら、わたしはここまで反応しただろうか、と常々思っていた


例えば、わたしはロリ・ショタは苦手だし興味がない。だからもしも“規制対象はロリ・ショタだけでーす!”というものだったら、「別にいいんじゃね?」と受け流していたかもしれない。どんなに「2次元を取り締まるのっておかしくない!?」と主張されても。


――ここですでに、自分自身に限ってだけど、非常に主観的な判断が働いていること思い知らされて愕然としてしまう。そして結局、取締りの対象とするか否かには、ジャッジを下す人の好き嫌いの感情や善悪の価値観が強く反映されることになるのでは……と想像して、ゲンナリしてしまうのだ。


Aさんが判断したらOKだったのに、Bさんが判断したらNGだったということも、ありうるだろうなぁ……。


ただ、マインドマップを作成しながら思ったのは、仮に将来、この規制が通って施行されたとしても、いたちごっこになるんじゃないかなぁということ。


規制をどうにかかいくぐる表現が生み出されるかもしれないし、たとえマンガやアニメがおとなしくなっても、今回の規制賛成派の神経を逆撫でする別のものが存在感を増すようになるかもしれない


「何かを創り出したい、表現したい」という表現者の欲求と、「それを知りたい、見たい、読みたい」という読者の欲求を甘く見るんじゃないよ!……とでもいいましょうか。


これだけたくさんの情報があふれている現在、「子どもに見せたくない情報」を、子どもから完全にシャットアウトするのは難しいと思う。本当に「知りたい」と子どもが思ったなら、どんどん情報を追い求めるだろう。


子どもから情報をシャットアウトできると信じているとしたら、あまりにノー天気じゃないかとシラけてしまうし、シャットアウトすれば子どもがまっすぐ育つと信じているとしたら、どれだけ夢見がちなんだと呆れてしまう。


今回、規制の対象となっているのは性表現だけど、大人から見て子どもが「好ましくない」「正しくない」性描写の入った作品を読んでいた時、なぜそれが「好ましくない」のか「正しくない」のか、その理由を、そばにいる親や教師などの大人が説明するべきだと、わたしは思う。


「マンガやアニメのせいで、変態性欲を覚えてしまう」から、「条例でマンガやアニメを取り締まってもらえばいいんだ」なんて、責任転嫁も甚だしい。ましてや、特定の作家や作品を規制すればいいじゃん? というこの意見、無邪気に傲慢で、子どもよりタチが悪い


「有害図書指定は作品や作家を指定することも視野に考えていくべき」(2009年7月29日 第1回青少年健全育成審議会第2部会 議事概要/大阪府) by 同人誌生活文化総合研究所


お上が良し悪しを判断する「検閲」については、戦時下の治安維持法が引き合いに出されるけど、わたしが連想するのも、戦時中の写真にデカデカと「不許可」と押印された、当時の検閲済みの非公開写真だ。


「不許可」写真ばかり集められたムック本を子どもの頃に見たことがあるのだが――なるほどこれは“不許可”だろうと思う酷い情景もあれば、なぜこれが“不許可”なのか、子ども心にもわからないものもあった。


だけど、判断基準が不明であろうと疑問であろうと、当時のお上にとっては、それらはすべて“不許可=公開してはならない写真”だったのだ。


今回の“非実在青少年規制”も、万が一施行されたとして、もしかしたら最初のうちは10人中9人が、「規制されて当然だよね」と思う作品だけが対象かもしれない。


でもそのうちに、10人中9人が、「なぜこれが規制されるのか……」と思う事態に発展し、挙げ句には、規制を叫んだ人の首を絞めることにならないとも限らない。お上に判断を委ねて自分で判断しないということは、そういう可能性も受け入れるということだ、と思う。


ま、規制賛成派の方々は、こんな風には考えていらっしゃらないのでしょうけど。


――気付いたらここでもとっ散らかっていた。反省。


最後に。今回の問題のことで、わたしを含めた大人がBLを読むことについて少しずつでも語れば、BLへの視線の冷たさが和らぐんだろうか……?と思うところが少しあったのだが、どう思われますでしょうか。


BLを読む理由を真面目に語るなんて滑稽だという気持ちと、別にBLの面白さを世間一般に広めて認めて欲しいわけじゃない、という気持ちがある一方で、でもここで黙っていていいのか?という疑問もあるのだ。


BLが今より世間一般に認められたとしても、後ろ指をさされなくなるわけではないだろうけど――よろしければご意見ください。
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Tags: 非実在青少年

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