女社会で働くのも大変だ
その逆、女社会、あるいは女性が圧倒的に多い職場で、男性が働くのも大変なんだろうなぁ……と、思っていた。
戸惑うこととか面食らうこととか、憤ることとか凹むこととか、いろいろあってもおかしくなかろう。男社会で働く女性が、戸惑ったり面食らったり憤ったり凹んだりするように。
その想像は、あながちズレてはなかったんだなと思うことが、先日あった。
うわさ話的ネタなので、折りたたみます。
取引先は、現場スタッフの7割が女性という女社会。組織の上の方にいるお偉いさんは男性のようだが、実際に仕事を動かしているのはほぼ女性。
しかも、揃いも揃ってみなさん強気。物言いもキッパリ・バッサリ、容赦がない。たまにメールの文面を読んで、震えそうになるくらい。<大げさ
――良くいえば毅然としているけれど、悪くいえば潤いがない。でも仕事だし、同じ社内にいるわけじゃないですからね……それはそれでアリかなと思う。たまにムカつくけれど、ムダに潤いがあって仕事が進まないよりは、マシといえるのかも。
対して、数少ない男性スタッフについては、どこか頼りないんだよなぁ……と常々感じていた。押しが弱いというか、控えめすぎるというか。弱腰逃げ腰及び腰というか。物言いもソフトで、時にこちらを窺うような感じ。なんだかお行儀良くておとなしい室内犬みたい。
やっぱり周りが女性ばかりだと、あたりが柔らかくなっちゃうのかなぁ……。しかも周りの女性があんな感じだから、処世術のように控えめな態度を身につけていくのかしら……?
それとも、もともとそういう男性が採用・配属されているのかなぁ……などと、勝手に想像していたのだが。
「まったく、取引先の●●さん(男性)ってさ、ほんとにどうしたいのかがわからないのよねぇ。挙げ句、上司の■■さん(女性)に怒られちゃって、気の毒だけど仕方ないっていうかさぁ。やっぱりあそこは、男はダメね!」
という、現ボスのボヤキに、思わず反応してしまった。
「なんかこのごろ、男性が増えているようにも思えるんですが、気のせいなんでしょうか」
「まあ、私たちにはあまり関わりのないところには入れてるみたいね。でもね、あそこは男の人は難しいと思うわよ。女ばっかりだもの」
「たしかに、プライドの高そうな男の人は、やっていけなさそうですけど」
「そう。それに女に幻滅させられるというかさ。見たくないものを見せられるというかさ。結婚前の男の子には、キツいと思うわー」
「……でも現実を知ることができて、ある意味夢を持たずにすんでいいんじゃないですか?」
「いやいや、現実なんてあそこで知らなくてもいいと思うわよ。もうみんな、凹まされて心療内科に通ってるんだから! で、結局退職なのよ」
――退職者は多いと思っていたが、心療内科に通っている人がそんなに多いとは知らなかった!
もちろん、女社会で働くということだけが、ストレスになっているわけではないと思う。仕事の結果を求められたり、数字を課されたり、といったこともあるだろう。
それでも、あの女社会で働く男性たちは、気苦労が多いんだなぁ……と、妙にしんみりと思ったのだった。
――ま、彼らがどんなことで気苦労を感じたり、憤ったり凹んだりしているのかは、あんまりわからないのだけど。<冷たい
ところでBL作品で、主人公が女社会の職場で働いている作品って、あったっけ……?と、いろいろ思い出してみたのだけど。
![]() | 棒投げ橋で待ってて (シャレード文庫) 柚名 ハルヒ 二見書房 2004-11-27 売り上げランキング : 278757 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
小児科病棟勤務の堅物看護師・雨市のもとへ、ある日突然、超お坊ちゃまの押しかけ女房がやってきた!幼い頃に一度だけ会ったことのある美貌の財閥御曹司・桜里は、生きがいを探すため、人並みの常識を教えてほしいと雨市に頼み込む。生活能力皆無のお坊ちゃまに庶民の暮らしぶりを教えながら日々を過ごすうち、桜里のことを可愛く思うようになる雨市。しかし、彼らのたどたどしい恋の行く手には、オヤジギャグ好きなハンサム小児科医・佐川や、桜里をとんでもなく溺愛する両親&二人の兄が立ちはだかる。堅物×お坊ちゃまの純情のゆくえは…!?大量書き下ろしの番外編は、おちゃらけドクター佐川と冷徹美形な桜里の兄・不律のスラップスティック・ラブ。 |
攻めの雨市は、女性が圧倒的に多い職種・看護師として働いている。同僚看護師はもちろん、女性。
同僚看護師とのやりとりが、楽しかった覚えアリ。たしか、雨市くんも同僚たちを見て、女性に過大な夢を抱いていなかったような。
![]() | 脱がない男〈上〉Don’t Worry Mamaシリーズ (ビーボーイノベルズ) 志水 ゆき リブレ出版 2007-03 売り上げランキング : 126123 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
お洒落とはほど遠い学生生活を送ってきた甲斐谷は、大手化粧品会社に入って三年目。ふわりと甘い香りをさせる美貌の男・藤原が上司だ。仕事はできるし、付い合いたがる女の子は数知れぬ藤原だけど、甲斐谷には気障でイヤミな男としか思えない。おまけに新発売の男性化粧品をめぐって藤原と対立。そんな折、藤原がエッチの時にも決して服を脱がないという話を聞いて…!? |
化粧品会社って、女社会じゃなかろうか。会社によって違うかしら?
藤原はともかく、甲斐谷は周りの女性たちに呆れられたり叱られたりしながら働いていた記憶があるなぁ……。
これはちょっと、女社会、とは違うかもしれないけど。
![]() | ハンサムは嫌い。 (ゲンキノベルズ) 杜山 まこ ムービック 2002-05 売り上げランキング : 323605 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
色男には興味のない美容師の若葉は、どちらかというとショボイ男の世話を焼きたくなるタイプ。そんな若葉は、ハンサムだけどいいかげんなオーナーの真壁と事あるごとに対立していた。しかし新たな一面を知るうちに真壁のことが気になりだすが、想いは複雑に…「僕がなにしてもここをおっ勃たせたりするなよ!」勢いそんなことを口走る2人の意地の張り合いは、まるで恋にも似て!?不器用な大人の恋の行方と結末は―。 |
美容師業界は、女性が多いのかしら? ここで見てみると、6割くらいは女性みたいですね。
まあ、この作品は、美容師業界がどうこうというより、真壁が母と姉に頭が上がらない感じが、「女社会にいる男性」というイメージに結びついたのかも。
BL作品を思い出しながら、
――女社会で働く男性は、「どうしてオレは男なのに、女にこんな風に言われなくちゃいけないんだ!?」と思うような、ムダなプライドが高いとやっていけないね――
とあらためて思った。「棒投げ橋……」の雨市も、「脱がない……」の藤原や甲斐谷も、そんなプライドなんか関係なさそうだった気がするもの。
仮にそういうプライドを持っていたとしても、うまく包み隠せなくちゃ、すぐにポッキリと折れそうだ。
男社会の中の女性とか、女社会の男性とか、ある意味ハーレム状態と言えなくもないけれど(微苦笑)、気苦労が絶えず、気疲れして折れそうになるのは、そこが仕事の現場だからなのかしらね?
それとも、ハーレムの主も、わりと気疲れしているものなのかしら?
うーん、BLアラブの王子が、受けを可愛がりながらも、一方で気疲れしているかも、と想像すると……ちょっと笑えるね。

- 関連記事