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いとし、いとしという心 2 (かわい有美子)

 24,2009 23:55
10~11月は、お気に入りの作品の続編やシリーズものが多く出て、本当に幸せだった。

なかなかレビューを書けずにいたのだけど、年の瀬を迎え、そのままにしておくのも、ちょっと口惜しい……。というわけで、今日から少しずつ、お気に入り作品の「続編」のレビューをアップしていきます。

※レビューには、ネタバレも含みますのでご注意ください。

まず最初は、この作品。

いとし、いとしという心〈2〉 (ビーボーイノベルズ)いとし、いとしという心〈2〉 (ビーボーイノベルズ)
南田 チュン

リブレ出版 2009-11
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屈指の名門旅館の跡継ぎである兄の陰で、ひとり鬱屈した思いを抱えていた千秋。彼にとって、素直で愛らしい隣家の幼馴染み・侑央は唯一の救いだった。侑央が兄に恋い焦がれてさえいなければ―。侑央を抱きしめ、兄に似た声で侑央の耳に甘くささやく。「目ぇ、閉じとき。そしたら兄貴としてるみたいやろ?」大人気の「いとし、いとしという心」待望の続編!すべての因縁が始まった高校生編と大量書き下ろしを収録。

もう、首を長くして待っていました、「いとし、いとしという心」。ヤンデレ京都弁カップル、きっとひっつくには違いないだろうけど、どんな風に!?……って、もう好奇心丸出し。

千秋が侑央に手を出した高校生編がとても丁寧に綴られていたおかげで、侑央が千秋との関係に躊躇する理由が、よーくわかった気がする。

千秋は兄に侑央を取られまいと焦り(兄は侑央に対して、全然そんな気持ちは持っていなかったが)、侑央は誰よりも信頼していた千秋にからかわれていると絶望し、まったく心がかみ合っていなかったのねぇ……としみじみ。

その焦りや絶望も、若さゆえ……という気がしないでもないし、そう思わせるかわいさんの筆力、構成力がすごい。

そして前巻からの続き、旅館を継いだ千秋と侑央の関係が、少しずつじわじわと近づいていく様子も、読んでいてじれじれしてしまって良いのだけど、ところどころで都々逸をうまく効かせて語られていくのには、心から感じ入った。

ただでさえ、老舗名旅館や紙司、町家など、いかにも古都らしい背景と、キャラたちの京都弁で、独特の世界ができあがっているのに、さらにそこに都々逸! そこに、祇園の芸妓や、京都の若旦那衆も登場して、風情というか、情緒というかを盛り上げる盛り上げる!

――やっぱりかわいさん、わかってらっしゃいますね!――

と、ふたたび膝を打つわたしなのだった。ある意味、“エキゾチック・ジャパァン”な要素の大盤振る舞い。

そうねぇ……あとがきにも書かれていたように、千秋が侑央をもう少しネチネチ苛めても、あるいは侑央がもう少し千秋を焦らしても、楽しかったかもしれない。

だけど、侑央がようやく千秋を受け入れたとわかったその時でさえ、「ボク、昔からユキちゃんとの約束、破ったことないやろ?」などと、婉曲なズルい言い方しかできない千秋の、憎らしいけれど哀れにも思える様子にグッときたので、満足

同じくあとがきで、侑央がもっとメロメロに溺れるところも書きたかった――と書かれていたけれど、先生、それはぜひ、同人誌ででも、小冊子ででも!
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Tags: かわい有美子 南田チュン 方言BL

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