スポンサーサイト

 --,-- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「闇の抱擁・光のキス」シリーズ(洸)

 16,2009 23:20
“ファンタジー”とは何かしら?

魔法使いやら天使やら悪魔やら仙人やら妖精やら妖怪やら、とにかく架空の存在がメインに登場する超自然的なプロットの作品を、“ファンタジー”だと思っているんだけど……間違ってないよね?

そして個人的には、そういう作品は苦手どころかあまり触手が動かないんだよなぁ……と、思っているのだけど。

洸さんのこのシリーズは、「魔法使いかー……」と内心唸りつつも、最後まで挫折することなく読み終えられたのだった。

――“BL”ファンタジーだからなのかしら? それとも、BLそのものがファンタジーだから、知らない間に耐性ができちゃったとか!?

でも“BLはファンタジー”というときの“ファンタジー”は、これまでのわたしの認識とはちょっと違うような……それが、“ファンタジー”の定義付けが揺れている理由の一つではあるんだけど――



……閑話休題。そんなことをここで深く追求したら進まないわ、ちっとも……!



まあ、なにはともあれ、挫折せずに、思いのほか調子よく読めたシリーズとはこれ。

闇の抱擁・光のキス (Cross novels)闇の抱擁・光のキス (Cross novels)
黒江 ノリコ

笠倉出版社 2002-11
売り上げランキング : 238716

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

類いまれな美貌の見習い魔法使い・ニコルは魔法よりもHが得意。魅惑のブルーアイズで見つめればどんなオトコも思いのまま。そんなある日、最強の「魔法書」の存在を知ったニコルは本物の『力』を手に入れるために、戦わない剣士ローランドと未熟な預言者アルヴィンを巻き込んで「魔法書」探しの旅に出る!! 中途半端な三人の旅の行方は…?冒険とHいっぱいの究極のボーイズ・ラブ・ファンタジー登場。


月華の誘い―闇の抱擁・光のキス〈2〉 (クロスノベルス)月華の誘い―闇の抱擁・光のキス〈2〉 (クロスノベルス)
織田 涼歌

笠倉出版社 2004-08-10
売り上げランキング : 247941

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

美貌の預言者・アルヴィンは、満月の晩、傷付いた戦士・クラウドと出会い、重傷の彼を保護する。闇夜のような瞳を持つ彼の孤独な魂にいつしか惹かれていたアルヴィンは、傷が癒え旅立ったクラウドを衝動のままに追いかけてしまう。一方で、情を交わすことでアルヴィンが預言者としての能力を失う可能性があることを知り、身を引いたクラウドだったが、アルヴィンの町に迫った災厄を前に、彼を守るために戻ることを決意するが…。


暗夜の獣―闇の抱擁・光のキス〈3〉 (クロスノベルス)暗夜の獣―闇の抱擁・光のキス〈3〉 (クロスノベルス)
緒田 涼歌

笠倉出版社 2005-07
売り上げランキング : 246793

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

魔法の使えない魔法使いのニコルは、求めていた「力」のかわりに手に入れた最愛の恋人ローランドを、持ち前の美貌で翻弄しながらも、かなり幸せな毎日を送っていた。そんなある日、ローランドの義弟で友人の預言者、アルヴィンが夢で見た剣の話から、その剣が伝説の魔剣だと見当をつけたニコルは、大反対の周囲を巻き込んで魔剣捜しの旅に出る。意外な旅の結末に、ローランドの愛を再確認するニコルだったが…。

現在3巻まで刊行。というか、まだ続きが出るのかは知らないのだけど。

これを読んでいる間、ずっと、

――うーん、これはロールプレイングゲームの世界って感じだなぁ――

と思っていた。だって、ほら、ストーリーはこんな感じなんだもの。

魔法使い見習いのニコルは「力」を得たいと思っている

力を得られる「魔法書」を手に入れるため旅に出る

途中、剣士と預言者に出会う

彼らも加わって旅を続ける

いろいろな人に出会い、試練も克服する

魔法書にたどりつく→GAME OVER !

……ね? 書いているうちに、何だか頭の中には、有名なゲームの曲が流れ始めちゃったよ。

だけど、魔法書までたどりつきながらも、“ゲームオーバー”にならなかったのが、ゲーム的ハッピーエンドとは違うと思うところ。

ついでにいえば、魔法書を獲得する寸前までいきながら、結局ニコルは魔法書を自分のものにしない。魔法書を獲得しない方の幸せに気づくのだ。

そしてそういったプロットは、シリーズを通して共通していて、2作目では、未熟な預言者・アルヴィンが、預言の力を失うかもしれない恐れを振り捨ててクラウドを選ぶし、3作目ではまたしてもニコルが、魔剣探しの旅に出ながらもそれを手にせずに終わる。

幸せになりたくて“未知の大きな力”を求めながらも、結局それを手にせず、そばにある確かな幸せを大切にする――って、どこか「青い鳥」のようでもある。青い鳥はそばにいました……っていう、あれ。

そういう意味では、童話やおとぎ話の教訓的な要素もあるといえるのかもしれない。

もう一つ、シリーズに共通しているのが、受け攻めのキャラ像。

魔性の受け・ニコルも、無垢で一途な預言者・アルヴィンも、美しく、どうやらはっきり書かれていないけど、華奢な外見のよう。

それに比べて、それぞれに対する攻めのローランドとクラウドは、優等生タイプとアウトロータイプという違いはあれど、どちらも勇猛な戦士。

こういう、“逞しくちょっと不器用な攻め×華奢で芯の強い受け”という組み合わせは、BLの定番、いや王道じゃないかなぁ……。エロシーンがキッチリ2回は入っているのも、BLのルール(勝手に命名)に忠実。

キャラ像も、プロットも、ストーリーも、すべてにおいて良い意味で“お約束”の作品であり、そこに安心感がある。まるでお茶漬けのようにサラサラと目や脳に入っていくような。

でも悪く言えば、食い足りなさが残り、もっと何か、ガッツリ食べたくなる感じといえるかもしれない。

ま、サラサラと読めるから、“ファンタジー苦手”なわたしも、引っ掛かりを感じて中断せずにすんだのよね、きっと。

ファンタジーの定義がやっぱりよくわからないままなのが、引っ掛かってはいるけどもね。
関連記事

Tags:  黒江ノリコ 織田涼歌 連作レビュー

Comment - 2

2009.12.18
Fri
12:19

アラスカ #-

URL

未読箱で眠っていた本でしたが、こちらの感想を読んですっかり読んだ気分になり、すっきりしました。(笑)ありがとうございます。

そうか、ゲーム的内容なんですね!。

編集 | 返信 | 
2009.12.24
Thu
00:09

lucinda #-

URL

うう、アラスカさん、レスが遅くなって本当にすみません!

おかげさまで楽しませていただきました、このシリーズ!
ゲーム的内容、ゲーム的展開です。
サクサクと引っ掛かりなく読めたのは、洸さんだからこそ、かもしれませんね。

編集 | 返信 | 

Latest Posts

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。