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“仮面”をつけなくても

 11,2009 00:00
デフレだ、失業率上昇だ、と不景気な話題があちこちに充満しているけれど、本当に今回の不況は、吐きそうなほどシビアだとつくづく思う。

vivian先輩からの久々のメールも思わず崩折れそうな内容で――仕事で関わっていたプロジェクトがまるっと流れたという号泣ものの内容に、いてもたってもいられなくて電話で話をすることに。

どこも経費を切り詰め、人材を切り詰め、それでもどうにもまわらないこの閉塞感。“安定”という言葉が非現実的なこの不安定感。「どうするよ、わたしたち……」としんみりとため息をつきあったのだが。

「昨日、体調もよくないしヒマだったしで、早く帰ったのね。で、本屋に寄って、英田さんの新刊を買おうと思ったら、冬コミのカタログが積んであったんだけどさ」

と、vivian先輩がしんみり口調のまま話し出したとき、わたしは内心、

――プロジェクトが流れたショックで、買う気が起きなかったのかなぁ……――

などとぼんやり思っていたのに、次の瞬間、先輩の斜め上を行くかのような言葉にのけぞってしまった。

「企画は流れたし、前より遊ぶお金が減ったし、体調も悪いし、カタログは重いし、別に今買わなくてもいいんじゃん?と思ったんだけどさ。ふと、“vivian”ならこんなときでも買うよね? “vivian”としては買っておくべきなんじゃない、わたし? って思っちゃってさ

――“vivianとして”“vivianなら”って……! そんな、まるで、仮面をつけるあの子みたいな……!

「そんなことをとっさに考える自分がおかしくってさー。まあ、結局、昨日はやっぱり荷物も重かったから買わなかったんだけどね~。でも時々真剣に考えることあるんだよねぇ」

アハハ、と先輩は朗らかに言ったのだった。

先輩……そんなにまで、“vivian”を意識してくださってるなんて――なんてサービス精神旺盛な。でも、先輩は仮面をつけなくても、演じなくても、天然のまま“vivian”だと思いますけどね。

「でもこんなに生活が大変とかいっても、BLは買っちゃうんだよね」
「わたしもそうです。食費は切り詰めても、本は買う、という」
「だって生きていけないもんねぇ」

と、さきほどとは別のしみじみ感をかみしめながら、お互いにうなずきあったわたしたちなのだった。

ところで、いくら30半ばを過ぎてアラフォーで働いているといっても、一人暮らしをしていると、何かあるごとに実家からは「帰ってきたら?」と言われることが少なくない。

vivian先輩も同じらしく、「帰ってきたら?」攻勢にさらされながらも、「うーん」「そーねー」などと、のらりくらりとかわしていたら、

「お前はいったい、何が引っかかって帰ってこられないんだ!?」

と、とうとう父親に切り込まれたらしい。

「サッカーなら、こっちでも試合をしてるだろう?」
「わたしが応援しているチームの試合は、こっちでやらないもの」
「地元にもチームがあるし」
「まあ、それは応援するけど、でもねぇ……」

と返事を濁していると、父親がこうつぶやいたのだそうだ。

「……ま、男がいて心残りってわけじゃないんだな……」

「いや、でもさー。サッカーもー、ジャ●もー、ライブもー、BLもー、一応全部、“男”ではあるんだよね。だから、男が心残りってのはある意味間違ってないのよ。もちろん、それは心の中でしか言ってないけどね」

アハハ、とまたしても、そしてさっき以上に朗らかに先輩は笑ってのたまうのだった。

――やっぱり先輩は、何も意識しなくても、仮面をつけなくても、“vivian”先輩ですよ、ええ!
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Tags: 腐友

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