THIS IS IT

 31,2009 14:56
今年7月のロンドン公演を前に急逝したマイケル・ジャクソンの、「This is it」を見てきた。

 
ti_mj.jpg


あちこちでニュースになっているので、ご存知の方は多いと思うけど、映画はロンドンでのライブのリハーサル映像を編集したもの。しかも「2週間限定公開」ということで、それに煽られるようにして見てきたところはある。でも――


いやぁ……よかったなぁ……


と、見終わってしみじみ思ったことだった。


映画は、オーディションを待つダンサーたちへのインタビューから始まり、ライブに向けてスタッフ・出演者全員が手をつなき、マイケルが彼らに労いの言葉を贈って終わる。


もともとわたしはメイキング・ビデオを見るのが好きだし、ドキュメンタリーが好きなので、この映画はきっと面白く見られるだろうなぁとは期待していた。しかしなんだか見ているうちに、リハーサルの様子が、まるでこの映画のために撮影されたかのような錯覚を覚えてしまった


ミュージシャンたちと曲の調整をしながら、思わず体が動くという風に踊ったり

リハーサルのはずなのに、まるで本番のように思えてしまう歌いっぷりや

長いブランクを感じさせないほど、かつての振り付けを鮮やかに演じて歌ってみせ、熱心にリハーサルに取り組むマイケルの姿を見ていると、マイケルはすでにこの世にいない、ということが嘘のような気がしたほど。

これはもう、監督のケニー・オルテガの素晴らしい編集の賜物としか言いようがない。

とはいえ、冷静に考えてみると、このリハーサルの成果は、本当は7月のロンドンで披露されるはずだったのだ。ダンサー、ミュージシャン、CGクリエイターなどなど、あらゆるスタッフの本番に向けた努力とか夢とかいったものが、突然に行き場を失ってしまった――と想像すると、かなり切ない。


同時に映画で披露される大仕掛けやCG映像などを見ていて、一体本番では、どんなライブになったんだろう……と思うと、これまた残念な気持ちになった。

ti_mj2.jpg
後ろの兵士たちがCG。この時の曲は「They Don't Care About Us」


――と、ここまでは映画の総体的な感想。ここからは印象的だったシーンなど細々としたことを、思いつくままにあげていきます。かなり、暑苦しく語っているので折りたたみます。毎度恐れ入ります……。
■オーディションに参加した男性ダンサーたちが、もうすでに涙ぐんでいた件

「オーディションのことを聞いてオーストラリアからかけつけたんだ」「マイケルは僕の憧れだった」みたいなことを、ダンサーたちは一様に語っていたんだけど、何だか感極まって涙ぐんでいる人が多かったのが印象的。


人前で涙を見せる大人の男性ってあんまりほかでは見ないよなぁ……。しかもまだオーディション前だし。感受性が豊かなのね……と思いつつも、やおい脳が動き出しそうになってニヤニヤ。

それにしてもダンサーに限らず、ミュージシャンたちも、口々にマイケルに憧れていたとか、同じステージに立てるなんて夢みたいだとか言っていて、さすがマイケル!と思うと同時に、こういう不特定多数の人々の期待を寄せられていたマイケルのプレッシャーの大きさを想像して、身震いした。


■マイケルのダンスはエレガントだと改めて実感

バックダンサーには男性が多いのだけど(これは以前から興味深いと思っていた)彼らの体つきはいかにも「肉食ってます」的に筋肉がついていて、体に厚みがある。そしてダンサーたちだけで踊っているシーンでは、バック転をしたり逆立ちをしたりと、アクロバティックでダイナミックなダンスを披露していて、そこで、ああ……と思った。


彼らのダンスは、いかにもわかりやすく男性的でパワーを誇示している感じ。しかしマイケルのダンスは、歌も歌ってるということもあるだろうけれど、シャープさやスピードはあっても、パワーを押し付けてはこない。同じ振り付けで踊っていても、バックダンサーに比べて過剰でもなければ不足でもなく、それが非常にエレガント。


体自体、マイケルは本当に痩せてて細いなぁ……と今回つくづく思ったしね。手足が長く、それが余計にまた、細く優雅に見えるのかも。


ti_mj3.jpg
ポーズも常にキマってます


■マイケルの歌に、舞台下でダンサーたちがノリノリ

おまえらリハ中やろ!と突っ込みたくなるほど、ダンサーたちはマイケルのナマ歌に大喜び。目をキラキラさせて見入っていた。まあねぇ、あのマイケルの歌を、リハとはいえ生で聴けるんだもん……じっとしてられないよね。


歌が終わると指笛は鳴らすわ叫ぶわ大騒ぎ。もうすごく楽しそうだった。役得って、あのことだな。


■マイケルは本当に口バクじゃないなぁと感心

確か、マイケルが亡くなった後、「Black or White」のミュージックビデオに出演していた日本人ダンサーがテレビで話していたと思うんだけど、マイケルはビデオ制作中、決して口パクしない人だったらしい。


今回の映画の中でも、彼は必ず歌っていて、なるほどなぁと納得。ライブ1ヵ月前だから、当然なのかもしれないけどさ。


■音楽と、「いかに見せるか」へのこだわりの強さに敬服

歌手なんだから当たり前、とはいえ、イントロのパーカッションの表現とか、ギターソロの目立たせ方とか、テンポの微妙な違いとかいったことを、鼻歌や口ドラムで巧みに伝えるのに唸った。


そして、キューを出すタイミングやステージ上での立ち位置など、観客にいかに素晴らしい“ショウ”を見せるか、常に考えている姿に心底感銘を受けた。


マイケルは、もちろん音楽はいいんだけれど、とにかくビジュアルを徹底的に意識した人だと思うし、ビデオやライブで歌っている姿を見なくては、彼の魅力はフルに伝わらないと思う。


大体、Jackson5のデビュー当時から、魅力的な振り付けをテレビで披露していたし、Jackson5も含めた彼のミュージックビデオは、YouTubeやニコ動で見始めると止まらないんだ、これが。



エド・サリバン・ショー出演のビデオ。衣装もよい



この曲と振り付けもすごく好き。「DANCING MACHINE」


ダンス、衣装、セット、演出――といったことが、音楽をより一層効果的に盛り上げる重要なポイントだということに、早くから気づいていたんだろうなぁ……(正直衣装は、個人的に微妙なことがちょこちょこあったが)



登場してから1分半、微動だにしません。観客の煽り方がすごすぎ


以前、スポーツジムに通っていて、ちょっとだけダンスなども体験したんだけど、そのときに使われる音楽にマイケルの曲が多かったことといったら! それだけ、彼の曲は踊りやすく、振り付けをイメージしやすいということなんだろうけど、逆に言えば、振り付けしやすい、ダンス栄えするような音楽作りを意識していた、ともいえるかもしれない、などと考えた。


――もっといろいろ、印象的なシーンはあったんだけど、ボーッと余韻に浸っているうちに、記憶がごちゃ混ぜになってしまった。


どうせ映画はDVDになるだろうよ、という思いはあったけど、映画館で、大勢の人たちと一つのスクリーンを見たおかげで、何だかライブに行ったような気分を少しだけ味わえたような。


もう一度、映画館で見るのもいいなぁ……と思っている。公開期間も延長されたことだしね(ま、絶対すると思ってましたよ、ええ)
関連記事

Tags: MJ 動画 音楽

Comment 4

2009.11.08
Sun
20:47

相沢 #-

URL

観ました~
スリラーだったかな?のリハーサルのときライトの下で踊りながら歌うのは暑いだろうにもっさりしたジャンパーはおっててー

寒いスタジオだったのかもしれませんがいつも厚着気味なMJが気になりました。体調イマイチだったのかなあー

編集 | 返信 | 
2009.11.10
Tue
14:46

lucinda #-

URL

相沢さん、お元気ですかー!?

MJって、いつも厚着だよなーと、言われてみて思いました。映画でも、必ずジャケットを羽織っていたし…。ステージでも、長袖ですよね。彼の病気(尋常性白斑)のせいかなぁと思ったりしていたのですが…。

でもジャケットを羽織っていても暑そうに見えないのが、なんか不思議です。マイケルマジックなのか…?

編集 | 返信 | 
2009.11.11
Wed
01:06

相沢 #-

URL

マイケルはエレガント

マイケルは必要最低限の動きでもどうすれば自分をきれいに魅せることができるか自分をよーくわかっているなあと思いました
長年のキャリアからくるものでもあり彼の才能でもあると思います。
動作がエレガントで品があったなあ。惜しい才能。

編集 | 返信 | 
2009.11.12
Thu
13:00

lucinda #-

URL

>マイケルは必要最低限の動きでもどうすれば自分をきれいに魅せることができるか自分をよーくわかっているなあと思いました
本当にその通りですよね。アステアやジー・ケリーが好きだったってのが、何となくわかるような優雅さだと思います。
ほんとに惜しい才能だった…

編集 | 返信 | 

Latest Posts