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「刑事はダンスが踊れない」「黒猫はキスが好き」「深く静かに潜れ」「パーフェクトな相棒」(洸)

 26,2009 23:34
すべてが重なってメチャ忙しかった6月のある時、なぜだか急に洸さんの作品が読みたくなったことがあった。

それまで読んでわたしが気に入っていたのは「冷たい抱擁」なんだけど、そのせいなのかどうか、洸作品というと、しっかりしたストーリーと手堅い文章力、そしてエロシーンもねっとりめと、“大人向け”なイメージ。心がカサついているときに求めたくなる作品の条件を満たしているのだ。

カサカサな気持ちがピークのときに、アマゾン先生などのレビューを参考にして買ったのがこの4冊。

□刑事はダンスが踊れない
□黒猫はキスが好き
□深く静かに潜れ
□パーフェクトな相棒

これ、すべてキャラ文庫なんだけど、どれもアメリカが舞台で刑事や麻薬捜査官が主役――と、なんとなくシリーズ物っぽい。ちなみに、上記の順序は出版された順だけど、わたしが読んだのはその逆の順番。しかし、どの順番から読んでも問題ナシ。

全作読んで、それぞれレビューをまとめてみた。長くなるので折りたたみます。
パーフェクトな相棒 (キャラ文庫)パーフェクトな相棒 (キャラ文庫)
亜樹良のりかず

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ボストン市警の刑事・ケンの相棒は、パートナーを組んだばかりのマイク。犯人の心理分析が得意なケンとは正反対で、マイクは直感で行動する辣腕。お互いに気が合わず反発しあうなか、殺人事件の捜査中に、ケンが拉致され暴行されてしまった!理性では陵辱を忘れようとするけれど、時折トラウマに悩まされるケン。見かねたマイクは、「抱かれた記憶を上書きしてやる」と抱いてきて―。

◆舞台:ボストン
◆マイク(刑事)×ケン(刑事)。ケンは祖母が日本人のクォーター


むーん、手堅い! と思ったこの作品。ある殺人事件から、ケンが容疑者とマークしていたストリート・ギャングたちに暴行されるが、しかしストリート・ギャングたちとは別に犯人がいるようで……と、わりと最後までハラハラする展開だった。

クール・ビューティーなケンが、暴行されたことに苦しみ、自分を暴行した男の言葉に我を失って暴力を振るうシーンが印象的。そうだよ、レイプで受けた傷はそう簡単に修復されないんだからね!と、誰にともなく主張するわたし。多分、安易なレイプシーンのあるすべての作品に対してだと思われます。

ラスト、ストリート・ギャングの情婦・アネットと、マイク&ケンの上司・ドノヴァンの登場のくだりが、セリフも含めてちょっとわからなくて個人的に残念。でもシリーズの中では、最も海外サスペンスムードが高めじゃないかな。

深く静かに潜れ (キャラ文庫)深く静かに潜れ (キャラ文庫)
長門 サイチ

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潜入捜査は、バレたら「死」あるのみ―。そんな危険な任務を遂行する麻薬捜査官・アレン。その背中を陰から援護するのは、初めてチームを組むトーヤ・剣崎。射撃と武道の達人で、アレンが無事に生還するための唯一の命綱だ。ところが、東洋系の怜悧な美貌と威圧的な黒い瞳は、反発心を掻き立てる。パートナーに不安と不審を抱いたまま、アレンはシカゴ最大の麻薬組織に潜入するが…。

◆舞台:シカゴ
◆トーヤ(元刑事の麻薬捜査官)×アレン(麻薬捜査官)。トーヤは親が日本人と日系人なので見た目はアジア系


潜入捜査って、聞いただけでドキドキしてしまう。この作品も緊張感高めで進んでいくのだけど、トーヤとアレンのターゲット、デュークが妙に目立っていてすね……。

デュークは、死んだ弟に似ているとアレンを気に入ってしまい、自分と一緒に来いと積極的にアプローチするわ、もちろんデュークの見た目は二枚目だわで、ウッカリすると、この人が攻め様なんじゃないかと思うほどの派手っぷり。

本当の(?)攻め・トーヤもカッコいいんだけど、渋すぎなんだよなぁ……。なんだか寡黙で武道ができて――って、ブルース・リーみたい。潜入捜査時にアジアンマフィアの「東條」として変装した時は「パワー全開」でものすごい存在感だったようだけど、そんなに存在感をアピールしちゃって、その後の捜査官人生に影響はないのかと、ちょっとだけ心の中でツッコませていただきました。

まあ、トーヤとデュークとの対比がアレンを巡る三角関係を際立たせ、ストーリーに彩りを添えていると思われるので、ドキドキ感は2倍、なのかも。

黒猫はキスが好き (キャラ文庫)黒猫はキスが好き (キャラ文庫)
汞 りょう

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高級美術品だけを狙う怪盗“ダークキャット”がNYに出現―!?噂が流れ始めた頃、NY市警殺人課の刑事ローガンは、美貌の青年レイに出会った。漆黒の瞳としなやかな肢体に魅せられ、思わずレイを抱いてしまう!それ以来、猫のように気まぐれに現われては、甘えるように情事に誘う…。レイの素性に不審を抱くローガンだが!?摩天楼の夜を駆ける、ロマンチック・サスペンス。

◆舞台:ニューヨーク
◆ローガン(刑事)×レイ(怪盗と思いきや…)。レイは母親が日本人のハーフ


刑事×怪盗って、「キャッ●・アイ」!? と思わせる組み合わせ。でも実はレイの正体は……? 反社会的な生業ではないとここでは申し上げておきましょう。

レイが謎めいている設定のせいか、絵柄が女の子のようにラブリーなせいか、はたまた舞台がニューヨークのせいなのか、なんだか全体的にオシャレな感じ。

あ、今思ったんだけど「ティファニーで朝食を」のイメージも、意識されているような気がする。その分、4作品の中でもっとも非現実的だし、ミステリー色やサスペンス色は弱まっているかな。

ちょっと昔の、30分くらいのアメリカドラマのような雰囲気の作品だと思う。「奥様は魔女」とか「ニューヨーク・パパ」とか。ハッピーな結末を約束されている短い時間の中で、起承転結がパタパタと小気味よく展開していく感じ。

でもさ、容疑者のジョンソンの家を家捜ししたのは、レイってことで、いいんだよね……?

刑事はダンスが踊れない (キャラ文庫)刑事はダンスが踊れない (キャラ文庫)
香雨

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L.A.市警殺人課の敏腕刑事ジャック・ランドルは、学生の不審死を捜査中、大学助教授の秋野亮司(あきのりょうじ)に出会う。目をひく東洋の美貌に穏やかな微笑。疑われていると知りつつ動じないのはなぜか。捜査を口実に亮司の研究室に通ううち、疑惑を抱きながらも、ジャックは亮司の物静かな魅力に惹かれていく。そしてある晩、ついに亮司に口づけてしまうが!? サスペンスLOVE。

◆舞台:ロスアンジェルス
◆ジャック(刑事)×亮司(大学助教授)。亮司は日本人


実はわたし、読みながら、ピュアで時に無鉄砲な亮司に、ちょっとイラッとしてしまいました……。ピュアとか無邪気とかいった言葉に、どうも斜に構えてしまう汚れきったわたし。良い人すぎなのよ、亮司。

それに対してジャックは、なんとも不器用で、しかもちょっと屈折した男。これはこれで近くにいたら困るなぁ、こういう人……などと、冷めたことを考えてしまったのだった。

しかし不器用で屈折な攻め×ピュアな受けって、すごくよく見られる組み合わせだと思う。改めて考えると、もし小悪魔な受けだと、不器用屈折くんは遊ばれてポイされそうだし、ツンデレ受けだと、不器用屈折くんがキレそうだ。

オレ様な受けも受けがイライラして去っていきそうだし、そうすると、ピュアないい子ちゃんが不器用屈折くんを一番安心させ、幸せにしてくれるのかも。深い。

事件は二つとも、ゲイである亮司の周辺で起きる。事件解決の道のりは、この作品が一番無理なく受け入れられたかな。続編の、亮司の元教え子(ゲイ)の恋人の思いに、ちょっとウルッときた。

この恋人も、やっぱり不器用で屈折していて、恋人がかつて働いていた、会員制エスコート・サービスの顧客たちに嫉妬して暴走してしまうのだ。だから不器用屈折くんには、小悪魔は危険なんだってば。


さて、4作品を、わたしの好みの順番に並べると

パーフェクトな相棒>深く静かに潜れ>>>>>刑事はダンスが踊れない>黒猫はキスが好き

ですかね。キャラに愛着が持てなかった「刑事…」と、キャラにリアル感を感じられなかった「黒猫…」の位置を見ると、ストーリーは悪くなくてもキャラに愛着を持てないと印象が良くない、ということをつくづく思い知らされる。そして、こうして4作品を一気に読んでみると、気づくこともいろいろある。

4作品とも、主人公の片方に日本人の血が入っているんだけど、そういえば海外を舞台にしたBLで、どっちも外国人って、あんまり多くないなぁ……と思う。June色が強い頃はありそうだけど、どうなんでしょう? 主人公のどっちかが「日本人」じゃないと、読者からのウケが悪いのかなぁ……。

一方、外国人の主人公たちは、そろってみんな白人というのも興味深いところだ。黒人とかヒスパニック系とかでも悪くないと思うんだけど、これも読者のウケが影響しているんだろうか?

しかしこの4作品、それぞれ舞台となる都市がバラバラながら、どれもまるで見てきたように、ストリートや町の描写がリアルに思えるのが素晴らしい。洸さんなら、海外が舞台で、受けと攻めに日本人がまったく関係していない作品を、面白く書いてくださるような気がするんだけどなぁ……。書いてくださらないかなぁ……。

それから、今回キャラ文庫の洸作品は初めて読んだんだけど、どうもそれまでに読んでいた洸作品に比べて、ライトでサクサクとした雰囲気に戸惑った。ネットリ感が薄まっているような感じというか。

わたしがこの4作品を読む前に読んでいた洸作品は、すべてガッシュ文庫のものだったのだけど、レーベルが違えば作品の雰囲気も違う、ということの証なのかしら? それとも洸さんの作風の変化なの?

――というわけで、引き続き洸作品をマークしていくことになりそうだ。
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Tags:  亜樹良のりかず 長門サイチ 汞りょう 香雨 警検麻ヤ 連作レビュー

Comment - 2

2009.10.01
Thu
16:36

アラスカ #-

URL

読んだ事があるのは「刑事はダンス~」と「パーフェクトな相棒」ですが、私も「パーフェクト~」の方が好みでした。攻めキャラの性格も良かったですし。
迷っていた他の作品は、この記事を参考にして読むかどうか判断します。

編集 | 返信 | 
2009.10.02
Fri
02:33

lucinda #-

URL

コメントありがとうございます。「パーフェクト~」は、わたしの場合、イラストが好きなのも影響しているかもしれません…と、アップしたばかりのエントリを書いていて思ったのですが。

ほかの作品も、まあ、悪くないです。いやほんと、もう好みだと思います…!

編集 | 返信 | 

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