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挿入の歴史的根拠?

 25,2006 01:56
いきなりだけど、やおいの世界のセックスには、必ず「挿入」があることが、なんとなく不思議な気がしていた。なんだか、「挿入あってこそセックス」というか、「挿入することで2人は一つになる」というか、そんな雰囲気というか願望というか妄想というかを作品からそこはかとなく感じていて、しかし

――でも別に男同士だからといって、絶対挿入があるわけでもないんじゃないかなぁ――

とも思っていた。どこかで聞いたか読んだかした、ゲイのセックスで必ずアナルセックスをするわけではないという知識が、そんな思いを持たせたのかもしれない。

そんな軽い疑問に、この本はとっても衝撃的。

江戸の男色―上方・江戸の「売色風俗」の盛衰江戸の男色―上方・江戸の「売色風俗」の盛衰
白倉 敬彦

洋泉社 2005-05
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いや、もう、びっくり。なにせ、日本の男色は「美少年愛」の歴史だっていうんだから!

歴史的に、僧侶の間や武士の間で男色が行われていたことや、江戸時代に陰間がいたことは、知る人ぞ知る事実だと思う。でもそれだけを聞くと、「ああ、ゲイがそんなに珍しくなかったってことか?」ぐらいにしか思わないんじゃないだろうか。少なくともわたしはそうだった。

だがしかし、筆者によると実態は

●愛されていたのは、主に10代の女装した美少年
●僧侶は女犯を禁じられていたために、女の代わりに女装の美少年を愛玩した
●男色の先進地は、京・大阪の上方。上方生まれ・仕込みの陰間や役者が江戸では大人気
●そして江戸で、「女装した美少年」を贔屓にしたのは、裕福な商家の女性
●身請けされる陰間は稀で、20代半ばに差し掛かると廃業

だったそうなのだ。

さらに驚いたのは、男色を扱った春画や読み物では、「挿入」の場面ばかり取り扱われていたということ。筆者によれば、男色行為では無視できないフェラチオ場面を扱ったものが、ほとんど見られないのだという。挿入よりも、フェラチオの方が描き辛かったんだろうか? まさか「女の代わり」だから挿入ばかりだったわけじゃないよな?

「10代の美少年をちやほや」とか、「美少年を愛する女性」とか……なんか最近自分の目で見たような記憶が……。おまけに挿入命―――。これって、もしかして、民族的な嗜好なんだろうか………?

何百年も前からひそかに脈々と受け継がれているDNAを感じた……などといったら言い過ぎですかね。

筆者によると、同じく男色が盛んだったというイメージのある古代ギリシャ・ローマの場合、年長者に愛された美少年が、青年・壮年を経て、今度は自分が美少年を愛すると立場になることが珍しくなかったらしい。でも日本では、揺るがしがたい身分差や年齢差ゆえに、愛されていた美少年が、長じてから美少年を愛する立場になることはなかったという。なんか切ない。いやいや、これも穿った見方をすれば、「受け攻め」のこだわりにつながるような気がするんだけど。

ところで、男色を歴史的・文化的な視点から取り扱った本といえば、これも昔から人気だと思う。

武士道とエロス武士道とエロス
氏家 幹人

講談社 1995-02
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「江戸の男色」でも触れられていたのだが、日本の歴史上、男色の意味付けがほかの時代と異なっていたのが、戦国時代~江戸時代初期だったらしい。「義兄弟の契り」「敵討ち」――。女の入る余地などない、男同士の固い絆。……あ、この「男同士の固い絆」も、ちょっとやおいのにおい……?

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Tags: 白倉敬彦 氏家幹人 衆道 男色 武士侍 歴史 ゲイ

Comment 2

2006.07.01
Sat
21:16

リリーブルー #FadVZXiU

URL

はじめまして。ランキングの「30半ば」に反応して来ました(謎)。武士道とか江戸とかにも反応してしまいました。

編集 | 返信 | 
2006.07.02
Sun
00:34

lucinda #-

URL

いらっしゃいませ!
コメントありがとうございます!
とてもとても嬉しいです。

もしかして、30半ばでいらっしゃるのでしょうか…?武士道とか江戸に、興味をお持ちなんでしょうか? <いきなり質問攻めですみません

小説、じっくり拝見させていただきます。
また遊びにきてください!

編集 | 返信 | 

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