「石原裕次郎の23回忌法要を国立競技場でやるらしいよ。しかも菩提寺のご本尊を移動させるんだって! ちょっと、行っってみようよ?」
と、vivian先輩が興奮気味にそう持ちかけたのは5月だったかしら。そして4日の夜、先輩ズからバンバン携帯にメールが届き、何事かと思ってみたら――
「裕ちゃんの特別番組、見てる!?」
「祐ちゃん、さすがスター!! カリスマ!!」
「あの頃の男たちはアツすぎる! 裕ちゃんカッコイイ!」
――どうやら、石原裕次郎23回忌法要を前にした特別番組を見て大興奮している様子。わたしゃ妹スウの家の片付けを手伝い、甥っ子をあやしてたっつーの!
ともかく、以前から「西部警察」の再放送を見て木暮&大門に萌えまくっていた先輩ズの興奮が、特別番組で最高潮に達した
(と思われる)ベストタイミングで、行ってきました、国立競技場。
長いので折りたたみます。
ここ最近、わたしはずっとマイコー祭りで、今日も例外なく、i-Podでマイコーの曲をガンガン聞きながら「国立競技場」駅に降り立ったのだけど――目の前の光景にギョッとした。

す、すごい人なんですけど!? しかも、普段より格段に年齢層がアップしているような気がするんですけど!?
改札口を通る直前、入場者誘導のスタッフが、「
ただいま献花は5時間待ちでーす!」と拡声器で叫んでいるのを聞いて、のけぞりそうになる。午後1時の時点で5時間待ちって、どういうこと!?
先輩ズと、「献花せずに入場するだけならすぐ入れるかもよ?」などと期待しながら会場を目指したのだが、だんだんと「……やっぱり入場もムリかも……」と思い始める。だって、地上に出てからずっとこんな感じだったんだもの。

途中でこの日の特別号外をもらい、「これをもらっただけでも、来た甲斐があったよー!!」と慰めあいながらさらに前進。とにかく、行列の最後尾に向かって歩いて歩いて約10分。その最後尾は、球場を通り越し、ラグビー場付近に差し掛かろうかという、駅でいえば「国立競技場」駅の真逆にある「外苑前」「青山一丁目」が近い……という辺りに、ようやく見つけられたのだった。
――10列くらいになって、みんなが大人しく並んでいる様子は、ちょっとコミケの行列風景を連想させなくもないけれど……コミケどころか、トップアイドルのコンサートだって軽く凌ぐほどの大行列だ。

結局、献花はせずに入場だけでも同じ行列に並ばないといけないとわかったわたしたちは、
「裕ちゃん……さすがだよね……」
「今ここに並んでも5時くらいまで入場できないってことでしょ?」
「そんなには待てないよ……!」
と、渋々ながらもわりとあっさり入場を諦めたのだった。

外側から見えたのは、のぼりだけ。待ち時間があんなに長くなければ裕次郎寺にお参りしたかったわ……。
行列に並んでいるのは、明らかに年配の方が多かったけれど、彼らは一体、何時から並んでいたんだろう。大体、セレモニー(午前9時~10時)に参加した人たちは、何時に到着したのかしら。先輩ズによると、「開場を20分早めたらしいよ!」ということだったけれど――。
正直に白状すると、わたしは先輩ズに比べたら、「裕ちゃんカッコイイ!」「裕ちゃんシビれる~!」などという萌えが、裕ちゃんに対してはあまり発動しない。彼を取り巻く周りの、彼をリスペクトする発言は腐女子的にも興味深いけれど、恐らくそのリスペクトの中心が裕ちゃんじゃなくても、きっとそれは興味深く感じるだろうと思う。
だけど、死して22年経った今でも、あそこまで慕われる存在感、スター性、カリスマ性というのは相当なものだと思うし、どう見てもリタイア生活をしていると思われる年配の人たちを、何千人、何万人とわざわざ遠方から足を運ばせるその引力を、一体どれぐらいの芸能人が持っているだろう? ――そう思うと、萌えはなくてもリスペクトの気持ちがじわじわと胸に迫ってくるのだった。
昭和の大スターの威光、ここに見たり! 屋号が偶然「石原屋」という、近くの天丼屋に入り、天丼をいただいてきた。

サクサクのエビ天が美味。
「もうさー、大江戸線に乗り換える時点で、特別記念品を持っている人と何人かすれ違ってさー!! あーあ、10枚くらい応募ハガキ出したのに、なんで当たらなかったんだろう」
と、この日、5万人に配られたメモリアルブック&焼酎の特別記念品の抽選に外れた先輩ズは、心底残念そう。聞くところによると、当選の引き換え券は、オークションで1万5000円ぐらいになっていたらしい。1万5000円って!
「昨日見た特集によるとね、あのメモリアルブックにはね、高倉健が寄稿文を書いてるらしいのよー!! あの健さんだよ!?」
――あ、それは見たいかも! 裕ちゃんみたいな大スターはもういないと思いつつ、それでもあえて裕ちゃんに負けないスター性とカリスマ性と
総攻めっぽさを持っている人といったら、健さんだと思うもの。
もらってきた特別号外。

裕ちゃんの昔懐かしい写真や、家族と石原軍団の面々をはじめ、勝新太郎や宍戸譲、吉永さゆりなど早々たる俳優との交流ぶりやコメントが紹介されていた。クドいけど、大スターのオーラが紙面のすみずみにまで行き渡っている気がするわ……!
帰宅してからも、
「よく考えると
今のBLの攻めヤクザってさ、なんか木暮課長(西部警察)
みたいだと思うんだよね」
「なんだか関係者の話を聞いてると、
どんなエピソードもBLを超越しそうだよね」
「もうあんなスターはいないよね」
と、携帯で語り合うわたしたち。ああ、裕ちゃん、今さらこんなに語らせるなんて――。
そんなわけで、
わたしの頭の中は現在、7:3の割合で、マイコー祭りと裕ちゃん祭りが同時開催されているのだった。
祭りは当分終わりそうにない
(特にMJ)――大スター恐るべし。
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