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超天国 ドヘブン(語シスコ)

 07,2009 23:23
「メロメロ」を読んで、すごく気になっていた作品の単行本。

超天国 ドヘブン (メロメロコミックス) (mellow mellow COMICS)超天国 ドヘブン (メロメロコミックス) (mellow mellow COMICS)
語シスコ

宙出版 2009-01-29
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(あらすじより)アキバ系メタボの治(オサム)の恋人は超売れっ子のスーパーアイドル・颯也(ソウヤ)君。憧れの人の彼氏になれて超ハッピーのオサム。のはずが…。ソウヤ君、超我まま!! 忙しいと3ヶ月連絡なし、会うと即×××。これって付き合ってるっていえるの!? アイドル×メタボのガチンコラブを描いた表題作に、霊媒高校生×霊感美少年を描いた「バケラッチョ!!」を加えた、スーパーボーイズラブコミック!!

まず、デブのアキバ系オタク(勤務先は大型家電量販店)が主人公というのが、これまでのBLで見かけないキャラ。しかも相手が、BLの王道的な美少年で超売れっ子アイドルというのが、ぶっ飛んでいていい。

どうやら二人の馴れ初めは、オタクの治が、かつてテレビ局の大道具のバイトをしていた時。いきなり、アイドルの颯也は治を見初めてキスしたようだ。――そう、颯也はデブ専なのだ。

長くなったので折りたたみます。

ワガママで気まぐれで自己中心的な“モンスター”颯也に引っ張りまわされ、治は時に自分たちの関係に疑問を抱き、颯也の気持ちを疑ってしまう。読んでいて、その疑問は当然だ!と思えるほど、颯也のワガママぶりは凄まじい。それはほとんど、治への宗教的試練といっていいほど。

でもその試練を乗り越える時も、実は颯也の言葉や態度によるところが大きいのが、恋の不思議さというべきかなんというか。治からみれば「浮気」しているように思える颯也の態度も、颯也によれば、「治の言葉に傷ついて一人でいられなかったから」だとふてくされ、治の浮気(未遂)相手を追い返した後に、「でも治の一番はオレだろ」と泣きじゃくり――奔放のように見えて、颯也、実は大切なことを言葉にするのを恥らう、なんだか日本男児な男だな。

「恋人にいろいろしてあげるのは楽しいけど、たまには見返りが欲しい」「恋人と趣味や好みなどの話で盛り上がりたい」といった、恋愛で誰しもが感じるような気持ちが治のモノローグによって語られていて、読みながらどんどん治の気持ちや願いに共感してしまう。でも

「オレを愛してるんだったらば、お前はこんなオレを丸ごと受け止めてくれなきゃだめなんだよ!!」
「オレはいつもお前の愛につつまれていたいんだよ!!」
「お前はオレのものだろ<中略>でもオレはお前のものじゃなーい

といった颯也の恐ろしいセリフの数々を、たじろぎつつも受け入れ、

「こんな常識外れなラスボス級のモンスターを、こんなに愛しいと思うチャレンジャーは宇宙広しと言えど僕くらいのものだろう。どんな困難で厳しい試練の持つダンジョンを迎えようと、僕は君を愛する

と心に誓う治には、その神々しいまでの決意を賞賛はしても共感までは……ちょっと……。いやいや、現実に自分の好きな人がそんな風に決意してくれるのは一つの憧れではあると思うけどね。でも治、ドMだとしか思えない……!

「試練」とか「浮気」とか、なんだかシリアスでドロドロしているように見えるかもしれないけど、ストーリーの展開はコメディタッチ。軽いノリで描かれているところが、語シスコさんの真骨頂って気がする。

治は、語シスコさん初のキャラ萌えなんだそうだ。「もっと描いていきたい」とあとがきやペーパーで書かれていたけれど、わたしももっと読みたい。もっと読みたいですよ、宙出版さん!

そして同時収録作の「バケラッチョ」は、高校生の話。あらすじ紹介では、「霊媒高校生×霊感美少年」となっているけど、うーん、これは「霊感高校生×霊媒美少年」の間違いなのでは……?

主人公の須藤は、霊に取り付かれやすく、それを寺の息子で霊感のある同級生・能代が取り除いてやるのだけど――能代、本当にキミは高校生なのか!? と疑いたくなるほどおっさん臭い。しかも、彼の部屋には野郎のポスターがたくさん貼ってあって、「なんて見たまんまなんだ、能代!」と、思わず心の中で突っ込んだ。

須藤が拾ってきたコタツから、須藤に取り付いた美青年の霊・喜美男は、実は須藤の祖父の恋人だった……と、ストーリーはテンポよく展開する。どうやら喜美男は、男性であることに違和感を感じていたようなのだが、時代が時代なだけに、それを押し隠し、須藤の祖父との駆け落ちの約束も反故にして結婚した。そんな喜美男のことを思い出しながら、須藤の祖父が、「次はもう、辛い思いをせんでええ体に生まれてこられよ」と呟くシーンが、切なかった。

こちらもシリアスな要素を含んでいるものの、ストーリー全体がコメディタッチ。「超天国」シリーズと同じくらい、好きだなぁ……。

ところで、あとがきで知ったのだが、「メロメロ」の語シスコさんの担当編集者、「ミスタK」って男性なんですね!? BLで男性編集者って……珍しくない!? そうでもないのか? 「(キャラの特殊性ゆえに)どこの出版社でも敬遠された」という「超天国」の掲載をOKしてくれたというミスタKおよび宙出版の懐の深さに、感動してしまう。うーむ、岡田屋鉄蔵さんの作品掲載も、もしかしてこの懐の深さが作用したのかも――これからも「BLの常識」を、バンバン覆してほしいものです。
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Tags: 語シスコ

Comment - 2

2009.02.10
Tue
08:26

みっと #-

URL

こんにちは~

私もメロメロで読んですごく気になっていた作家さん。
もちろん大ハマリでした。先週未読本大人買いしてしまい、
毎日、語さんづけですよ~。
颯也君、すっごく判りにくいけどオサムにベタ惚れなところが
本当に良いですね~。
TBさせていただきます。

編集 | 返信 | 
2009.02.10
Tue
23:59

lucinda #-

URL

トラバ&コメントありがとうございます!

わたしは以前、シスコ作品を集中的に読んだものの、実は今回ほど、入れ込みたくなる感じではなかったのでした……。今読み返したら違うかもしれません。
そうそう、颯也くんは、結局オサムにベタ惚れですよね。
オサムのヲタならではのキモさ(笑)が描かれていたのもよかったです。

編集 | 返信 | 

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