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子連れオオカミ(井上佐藤)

 06,2009 23:45
待ちわびていた井上佐藤さんの新刊。こちらも、あちこちのブログで高評価ですね。

子連れオオカミ (バンブー・コミックス 麗人セレクション)子連れオオカミ (バンブー・コミックス 麗人セレクション)
井上 佐藤

竹書房 2009-01-27
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(あらすじより)同じ日に偶然アパートの上と下に越してきたバツ一・子持ちのふたりの男。同じ境遇ゆえか、すぐに意気投合し、互いの家を行き来する間柄となったのだがある晩、酔った勢いで起こった事件(?)からふたりの仲は険悪に…!? 麗人Bravo!誌上で大好評だったバツ一パパ同士の恋愛模様を描いたシリーズが大幅描き下ろし番外編収録で待望のコミックス化!! 他、会社社長とキャバクラのマネージャーの不器用な恋愛を描いたシリーズ2作と読み切りを収録した見どころ満載の最新作品集。

なんだか前作より、絵柄のBL度がアップしているような……思い過ごし? しかし、井上佐藤さんの絵は相変わらず色っぽいなぁ! フェロモン全開のエロさ。特に、キャラたちが欲情した瞬間や、セックスの時の表情が、色気だだ漏れ。

それはさておき、表題作の「子連れオオカミ」。いやぁ、育児に一生懸命ないいお父さんたちだよなぁ……とつくづく思った。育児シーンに子どもたちの母親が出てこないのがマンガ的ではあるけど、それゆえ、田所と宮本が、孤軍奮闘しつつ、お互い助け合いながら子どもを育てている様子が伝わってくる。

田所とうまくいっていたのにも関わらず、宮本が子どものためにお見合いをして引っ越してしまうシーンは、本当に切なかった。母親の必要性とか両親がいることのプライオリティとか、「……いろいろな事情があるだろうに、出産や育児について、日本って保守的だよなぁ……」と日ごろ思っていることを、刺激されたような感じ。

しかし宮本、負けず嫌いというか、意地っ張りだ。そんな宮本を包み込む田所の包容力がまぶしい。だから巻末、二人が再会して、今度こそずっと側にいようと誓い合う二人を見て、幸せな気持ちになったのだった。

子どももとっても可愛らしい。駄々のこねっぷりが特にラブリー。でも、田所の元妻、「別れたダンナがホモになってたの!」って――笑い飛ばすのはともかくとして、再婚後の子どもを元ダンナに預けるって、ちょっとすごい神経だな。あっくんにしてみれば、「ボクを置いていったお母さん」なのにさ……。

長くなったので折りたたみます。
「ララルー」と「チムチムチェリー」の主人公、会社社長・檜山とキャバクラマネージャー・桂月は、井上さんによると「攻め×攻め」のカップリングだそうで――いわれてみれば、これまで何作か「攻め×攻め」と称される作品を読んだ中では、一番それらしいかも。リバだしね。どっちのキャラもワガママで負けず嫌いなのはともかく、相手の出方を見つつ余裕をかましてる感じが、「攻め×攻め」な雰囲気なんでしょうかね。

檜山の妹で腐女子の玉手は、わたしはキライじゃないけど――「子連れオオカミ」の田所の元妻といい、玉手といい、ちょっとデリカシーに欠ける、ある意味あっけらかんとした女性ばかり出てるな……ゲイが可愛がるタイプの女性なのかしらね……?

しかし、玉手のBLマンガを指しながら「いったい何が起こったらこんなことになるんだ?」と問う檜山に、玉手が、「恋をしたから。好きだからよ」と答えるのは、「……ですよね!?」と、心の中でうなずいたのだった。

そうそう、玉手のBL本を借りまくっている、桂月の店のホステスたちが、BLのおかげで「あたしもうチビデブハゲオヤジでも萌えられるの! お客さんが愛しいの!」と言っているコマに、大笑いした。これぞBLの効用!

そして「201」。これは前作の「102」のリンク作。ゲイばかり住むアパート「千曲荘」の住人、片瀬と八木が主人公。つきあいの長い二人に危機が訪れて……というその「危機」に、あのフェロモン全開の整体師・五樹が絡んでいる。もちろん、清々しい気性の男子・野村や管理人さんも登場して、嬉し懐かしポイントがいっぱい。

片瀬と八木、どっちもオネエなんだけど、八木が片瀬を取り戻そうと、五樹に言い放つセリフ

片瀬君はアタシの父で母で兄で弟なの。アタシの子供でアタシの恋人で半身なの

に、ジーンときた。そんな風に言い切れる存在は、なかなか見つけられないものねぇ……。まあ、そんな啖呵を切りながらも、五樹の色っぽさにうろたえ、しかも最後の捨て台詞が「もしひどい事したら、つねってやる!」というのが、もうツボ。大好きなセリフだ。

このシリーズ、やっぱりすごく好きだ。これからも描いてくれないかなぁ……と思う。管理人さんも謎に包まれたままだし……。

長々と語ったけど、「エンドルフィン・マシーン」に続いて、やっぱり大満足の一冊だった。今は「麗人」でしか描かれていいないみたいだけど、もっともっと、読んでみたいなぁ……! と切望する作家の一人だ。
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Tags: 井上佐藤 擬似家族 リバ

Comment - 11

2009.02.10
Tue
08:35

みっと #-

URL

あらら~「超天国」の記事から先に読んでしまいましたよ~。
こちらもTBさせてくださいね

>キャラたちが欲情した瞬間や、セックスの時の表情が、色気だだ漏れ。

そうそう!あと宮本に「犯してやるって顔したくせに」って言われた
田所の目付きがすぅっと変わるシーンとかね。

井上さんは、やっぱり男性なんですかねぇ?「エンドルフィン~」の後書き位しか知らないんですけど・・。

宮本がビール1ケース担いで尋ねてくるところなんか男性発想だなぁと。
女なら、食べ物か、ビールでもせいぜい6缶パックかなぁと思いました。

編集 | 返信 | 
2009.02.11
Wed
00:05

lucinda #-

URL

トラバ&コメント、続けてありがとうございます~!

なんか、キャラの表情がシーンによってガラッと変わる感じがするのが、すごい!と思いました。ほんと、「犯してやるって顔したくせに」と言われた目付きは、明らかに、違ってましたよね!!

井上さん、よくわからないのですが、どうも男性作家さんらしく……でもあくまでネットで調べてみた感触ではあるのですが……「男性だよな」と思わせる部分あり、でも「やっぱり女性…!?」と思いそうになる部分(男性的なデフォルメのない絵柄とか…個人的感覚だけど)あり、謎の作家さんです。でも、そうですよね、知人宅にはせいぜい、ビール6缶パックですよね・笑。

編集 | 返信 | 
2009.02.11
Wed
01:18

かりんこ #-

URL

こんばんは!

これ読み返すほどに面白かったですが、内容が内容だけに(作品の良し悪しとは別に)引っかかるものもありましたよね。
田所の元妻や玉手のちょっとデリカシーに欠ける態度について、lucindaさんはゲイが可愛がるタイプみたいに受け取ってらっしゃいましたが、私は逆に女性に対するクールな目線を感じてしまい、その目線ゆえに作者さんは男性かなあ?なんて思ったりもしたのですが、ホント受け取り方って人それぞれなんですね(笑)

あと別記事ですが「花嫁は今夜もブルー」をまだ読んでないのに、うっかりまともにレビュを読み込んでしまい、気がつけばネタバレしてしまいました(泣)
やはりlucindaさんのレビュは上手いですね。いつも感心してばかりです。

ではお邪魔いたしました。

編集 | 返信 | 
2009.02.11
Wed
01:39

乱菊 #pMXl.iIs

URL

お久しぶりでーす!
待ちに待った「子連れオオカミ」の記事なので飛びついちゃいました♪
私もかりんこさんと同じく、女性に対する冷たい視線を感じてしまったんですが・・・。
女性が嫌いなのかな?なんて。
だからこの作者はやはり男性なんだろうか、などと想像してました。
や、真偽のほどは全然分かんないんでけどね。
もとさんとも某レビューサイトでやりとりしていた時に「女子にやさしくない感じ」と仰られてまして。
うーん、ホント気になる作家さんですよね!

編集 | 返信 | 
2009.02.12
Thu
15:15

lucinda #-

URL

>かりんこさん
コメントありがとうございます。レスが遅くなってすみません!

>私は逆に女性に対するクールな目線を感じてしまい、その目線ゆえに作者さんは男性かなあ?
あ、そうかも。わたし自身、「ゲイが可愛がる女性なのか?」とか書きながらも、「そうかねぇ…?」と疑問を感じていたので(<なら書くなって)、それは納得です。
「花嫁は今夜もブルー」、すみませんすみません! 今度からちゃんと、「ネタバレあり」と明記しよう……。

>乱菊さん
お久しぶりでっす! コメントありがとうございます。レスが遅くなってすみません。
女性への冷たい視線、女嫌い、って、言われてみればそうですね…orz。
自分で書きながらも疑問に感じていたので、スッキリです。
女子にやさしくない感じ…はよくわからないけど、千曲荘シリーズの住人たちには愛を感じます。なんとなく……。

編集 | 返信 | 
2009.02.12
Thu
21:49

かりんこ #-

URL

度々スイマセン。かりんこです。

あの、ネタバレ自体は問題ないんですよ~。(自分も散々してますし)
ただ、いつもならネタバレしそうな箇所を避けてレビュを読ませていただくのに、lucindaさんの文章だとつい全部読んじゃって後でネタバレに気付いてしまったというか、それだけlucindaさんの文章のファンだと言いたかっただけなんです(笑)

言葉足らずで余計な気遣いさせてしまってスイマセンでした~(>_<)

編集 | 返信 | 
2009.02.12
Thu
22:49

乱菊 #pMXl.iIs

URL

そうですねぇ~、「女子にやさしくない感じ」っていうのは・・・私が感じたのは、宮本の再婚相手とか、檜山の彼女なんかの存在でしょうか。
完全に主役たちが盛り上がる為のステゴマに使われているような気がして、彼女たちの人権は!などと、ちょっと思ってみたり(笑)

まあ田所の元嫁と檜山の腐女子・妹も併せて、どーにも女性にあまりいいものを持っていないような気がしちゃう(゚ω゚;A)
うーん、私の思いこみ過ぎかもしれませんが。

編集 | 返信 | 
2009.02.12
Thu
23:05

lucinda #-

URL

>かりんこさん
おお、お心遣い、ありがとうございます…! かたじけないのと恐縮なのとでいっぱいです。ありがとうございます。
いやーでも、気付いたら「ネタバレ」って書くようにします。「気付いたら」ってのが、いい加減なんですけどねぇ・笑

>乱菊さん
たしかに、檜山の彼女は、「ええっ!? そんな扱い!?」って思いましたよ、わたしも。宮本の再婚相手なんて、ちらっとも登場しませんしね。なるほどね、指摘されると、わかります…!
仮に本当に女性がキライだとしても、でも「いわれてみれば、そうかな?」ぐらいのニュアンスにしているのが、プロなのかもしれませんねぇ。まあ、あんまり女性を嫌うと、BL作家としてはやってけないでしょうしね……。

編集 | 返信 | 
2009.02.13
Fri
13:32

lucinda #-

URL

上のコメント書いて、一夜明けてみると、
>あんまり女性を嫌うと、BL作家としてはやってけないでしょうしね
ってのも、なんかちょっと違う気もするような…。
女性のイヤなところが描かれて、なおかつその女性がそれほど重要に扱われていないのならば、女性のBL読者としてはある意味歓迎なのかも……とかね。ほら、「登場人物に女が出てきてほしくない」「女が絡んでほしくない」って、よく聞く言葉を思い出したのでした。
引っ張っちゃってスミマセン。

編集 | 返信 | 
2009.02.13
Fri
19:24

乱菊 #pMXl.iIs

URL

うむむ。
だからBLって女性のキャラとしての扱い方というか、立ち位置というのがとっても難しいジャンルだと思うんですよね。
ヘンに作品中で目立たせちゃうと、そっちに目が行って賛否両論になっちゃう(笑)
ヤマシタトモコとかは、ある種のあざとさはあるけども巧い方だと思いますけどねー。
だから女性キャラは、あまり印象的な絡ませ方をしない方が無難っちゃあ無難なのかなと。
BL作家で女性を出すのは結構諸刃の剣だと、個人的には思ったりしてるんですけどねー(-ω-;)ウーン

「登場人物に女が出てきてほしくない」「女が絡んでほしくない」もそれで作品の雰囲気がブチ壊しになる場合もあるからかなあ・・・。
まあそれくらい男同士の恋愛ストーリーに女を絡ませるのは難易度高いんだなあと・・・書きながら思っちゃいました(笑)

編集 | 返信 | 
2009.02.13
Fri
23:16

lucinda #-

URL

ああ、乱菊さん、ホントに何度もすみません…!

本当に、BLは女性キャラの扱い方や立ち位置が難しいと思います。
女性キャラを印象的に絡ませないのが無難、ってのもその通りだと思います。
もういっそ、すごい変人だと、それほど問題はないのかもしれませんが(「ソリッドラブ」シリーズの河川敷さんとか)、そうじゃなければ……うーむ。
わたし、ヤマシタトモコさんはあんまり読んでいなくてよくわからないのですが、小説では、榎田尤利さんは巧くストーリーに入れ込む人なんじゃないかと思うんだけど……いかがなもんでしょうね。これも人それぞれかな。
男同士の恋愛ストーリー、とはいえ、BLは、それが乙女の夢でなければいけないんですもんね。これを考えるだけで1ヵ月くらい過ぎそうなほど難しいです・笑。

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