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花嫁はマリッジブルー、花嫁は今夜もブルー(凪良ゆう)

 04,2009 22:40
リンク先のあちこちのブログで高評価だったこの作品。

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凪良 ゆう

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(あらすじより)大学生の麻生拓海には、双子と間違えられるほどそっくりの姉、美花がいた。顔とスタイルのよさだけが取り柄の美花は、旧華族で名門ホテルグループの御曹司、朝倉正嗣と玉の輿婚することに。麻生家は皆大喜びだが、拓海だけは朝倉が姉に愛情を抱いていないのを知って激しく憤る。だがその冷酷さが複雑な家庭環境のせいだとわかり、姉の婚約者にもかかわらず拓海は朝倉に惹かれてしまい…。

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(あらすじより)男同士ながら神の御前で愛を誓った麻生拓海と朝倉正嗣。愛し合う二人はラブラブな新婚生活を送っていた。名門ホテルの御曹司である朝倉は、対外的には拓海とそっくりの姉、美花を妻として紹介している。この偽装結婚をマスコミが嗅ぎ付け、さらにはコワーい姑の耳へも入ってしまったからもうタイヘン!?BL界の常識を打ち破るエディ×美花のショートショートも収録した、待望の一冊。

そりゃ個人的には、BL作品のタイトルに「花嫁」がついていたり、表紙絵が堂々ウエディングドレスだったりするのは、ちょっと避けたいディテールだ。でも、読んでみると、拓海のまじめさと真摯さにつけこむように、いや甘んじるように、いやいやさらに上回るように、朝倉、美花、エディ、そして朝倉と拓海の両親のほのかなトンチキぶりが、なんだか微笑ましく思えるのだ。高評価も納得。

――こう書くと、拓海以外のキャラたちがどうしようもないやりたい放題のワガママでイヤな奴らみたいに見えるかもしれないが、それぞれ“そうならざるをえない”事情を抱えているゆえに、憎めず、とても愛おしく思えてくる。まあたしかに、みんなゴーイングマイウェイだとは思うけど。

最初は「超合金合体ロボ」と拓海に称されていた朝倉が、拓海を通じて「庶民」の楽しみを知り、拓海のまっすぐさや温かさに触れて、気持ちを解していく。その過程が丁寧に追われているので、ラストで拓海が、代理とはいえ花嫁姿になるのも、読んでいて投げ出したくならない。拓海が、ナヨナヨと女々しくないのもグッド。そして「花嫁は今夜も…」で描かれる結婚後、朝倉と両親との間に横たわる誤解や軋轢が、拓海の大奮闘によって少しずつ和らげられていく様子も、人情モノのドラマやお芝居のようにテンポよく語られるので退屈しない。

それにしても、朝倉の両親よ、どうしてもっと早くに、朝倉が自分たちとの間の子だと言ってやらなかったのだ……いくらプライドがあるからって! 父親の「惣さん」も、のんきに拓海相手にふざけている場合じゃないだろうに……。せめてメイド頭の美千代から、何か言ってやれなかったのかと思わないでもないが……あ、わたしは美千代のキャラがとても好きだ。

個人的には、「花嫁は今夜も…」で書かれていたこのフレーズ

人によって譲れないラインはそれぞれ違う。その境界をちゃんと見極めないと、関係は続かない。

が、妙に胸に沁みた。わかっているつもりでも、いつの間にか忘れがちなんだよね――。こんな風にところどころ、非常に堅実で真実を突く視点が描かれているのが、この作品の侮れないところ。こういうところが、「男を花嫁にして結婚する」というテーマを掲げながら、ただのトンチキ作品に陥らなかった一因のような気がする。

拓海の姉・美花の超身勝手かつ凶暴っぷり、そして美花の8年来の恋人ながら、ハードロックの売れないバンドマン・エディの「野に咲く花のよう」な乙女さ加減と空気の読めなさは、まったく強烈だった。こんな人たち、面白いけど、近くにいたらイヤだなぁ……。まあなんだかんだいいながらも、朝倉と婚約したくせに、挙式当日にエディと逃げるなんて、美花ったら結局お金より愛を取ったのね――と読者にしみじみとさせておきながら、続巻ではしれっと、朝倉にあれこれ請求していて、そのたくましさには呆然としてしまう。

とにもかくにも、“代理”とはいえ神前で朝倉と拓海は永遠の愛を誓ったわけだし、華族の血筋の姑とは、まさか拓海が“嫁”だとは明かしていないものの打ち解けているし、拓海と朝倉は、これからなんとかやっていけそうだ。あ、エディと美花もね。巻末のBLの常識を打ち破るエディ×美花の新婚旅行は、爆笑しました。スイスにもいるのね、打たれ強いヘタレ夫と鬼嫁のカップル……。

ところで――
「花嫁は今夜も…」で、美花が、エディのバンドの曲を、朝倉のホテルグループ(ステラマリス)がスポンサーを務めるドラマの主題歌に使用するよう要求するくだりがある。交渉の末に要求は通り、めでたく曲はヒットするのだが、そのお祝いの席で、朝倉が、

「あれはうちの企画室がステラマリスのイメージアップのためにと、犬の鳴き声でもヒットさせるという、今一番注目されているプロデューサーにアレンジを依頼したものです。あの曲が売れるのは当然の結果です」

と微笑みながら言い放ち、エディを泣かせてしまう。このセリフを読んで、不意に思い出したのが、この人の新曲PVだった。

「Circus」 ブリトニー・スピアーズ

あんなにゴシップにまみれ、それに比例するようにブクブクと太っていたブリちゃんが、まあ、スリムになって堂々のパフォーマンスぶり。この見事な復活に導いた、ブリちゃんの周りのスタッフたちの苦労と努力を想像すると――キャッチーなのに安っぽくなくちょっと悲哀さえ感じさせるメロディとアレンジ、きちっと作りこんでうまく編集した映像、カッコよく見せるダンスの振り付け、輝いていたアイドル時代の姿に戻したトレーニングやメイクなどなど――「犬の鳴き声でもヒットさせる」の意味を、しみじみと想像しかみしめてしまうわたしなのだった。


メイキングでスタッフの苦労を感じ取って! 個人的に、ダンサー&振付師のアンドレ・ファンテス(でいいのか?)さんがゲイゲイしくてとっても気になります

もちろん、ブリちゃん自身もすごくがんばったと思うけどさ(「Circus」が復活第一曲というわけではないのですが、曲やPVのデキが印象的だったので……。ブリちゃんファンのみなさん、失礼な発言はお侘びします)
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Tags: 凪良ゆう 唯月一 連作レビュー 動画

Comment - 2

2009.02.10
Tue
05:59

アラスカ #-

URL

 >人によって譲れないラインはそれぞれ違う

俗に言う“地雷”や“価値観の違い”でしょうか。私もこれは日々の生活の中ですごく実感している言葉です。

 >BLの常識を打ち破るエディ×美花の新婚旅行
 >の鳴き声でもヒットさせる

「レッツラゴーデス」とか、底なし沼とか、どうにもツボにはまりました。そして、あちこちに出てくる凪良さんのユニークな比喩表現もお気に入りです。

編集 | 返信 | 
2009.02.10
Tue
23:57

lucinda #-

URL

“地雷”や“価値観の違い”……そうかもしれません。これ、難しいです。

ああ、「レッツラゴー」!(笑)。言ってましたよねー!!
この作品を読んで、凪良さんは小林典雅さんみたいな、作りこんだ笑いをみせてくれるタイプなのかなぁ……と思ったのですが、そうだと断定するにはまだ時期尚早だと、これからをじっと楽しみに待ちたいと思います。

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