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僕たちの気になる腐女子

 27,2009 23:48
ひところ、「腐女子とは何ぞや」的な、腐女子本の発刊が相次いでいた。この本も、その頃(2007年)に発売されたものの一つ。発売されてすぐに読み始めていたのに、引越しのどさくさでそのままになっていたのを、思い出したように今ごろ精読。「アクア」レーベルのオークラ出版発行だ。

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(内容紹介より)腐女子を徹底解剖!! 腐女子って何? 腐女子とはどういった人物をさすのか? 実はこんなところにいる? 隠れ「腐女子」の現実。腐女子に直撃インタビュー…。腐女子の魅力教えちゃいます!!

四章立てになっていて、

1章:腐女子の実像研究
2章:腐女子の生態研究
3章:腐女子にインタビュー
4章:腐女子との恋愛研究

という構成。4章のタイトルが「恋愛研究」になっているし、そもそもタイトルに「僕たちの気になる」が入っているので、全体的に、

非オタク(多分)の男性が腐女子の実像を探り、恋愛対象としての可能性を考察する

というスタンスが取られているのが、ほかの腐女子本との違い、なのかな? そのせいか、腐女子の恋愛観やセックス観にも、男性の視点で触れられている。そして、編集部が――というか、筆者がわりと謙虚に、「オタク」や「腐女子」への自分の偏見を認めている姿勢が垣間見られるのも、悪くないと思う。

でも……「実像研究」では、わりと慎重に筆が進められている感じなのに、章が進むにつれて、だんだん思い込みというか、ムリヤリ感ややっつけ感が激しくなっていくのが、痛い。てか、ある意味惜しい。

なんだか長くなったので折りたたみます。
編集部の突っ込みどころはとにかく、

■腐女子って、どうしてそんなに妄想するの?
■どうして、男同士のエロを妄想するのが楽しいの? 何が楽しいわけ?
■なんでそんなに腐女子であることを隠すの?

の3点。この3点を、インタビューでもしつーこく迫って、腐女子たちを追い詰め困惑させているのがおかしい。まあね、「腐女子とつきあう」のを前提とするなら、この3点は外せないかもしれない。だけど、「見た目や性格、行動的特徴として、腐女子とそうでない女性との明確な差はそれほどない」と、自分たちでも、インタビューでも、再三書いておきながら、それでも「腐女子を見分けるには……」と戻るところが、堂々巡りでちょっと疲れる。そんなに、何が何でも腐女子とつきあおうとしなくったって、いいんじゃない!? と、余計なことながら思ってしまうのよ。

それは言いすぎじゃないかとか(腐女子は現実に積極的に関わろうとしない、等)、それは一方的すぎじゃないかとか(女友達とは、情報交換や趣味の共有といったメリットがあるためつきあう、等)、それは説明不足なんじゃないかとか(“受け攻め”とはベッドでの役割のこと、等)、そう感じるのは、このテの本にはありがちだと思うけど、「どうして恋人や夫に腐女子であることを隠すのか」という点について、“恋人や夫”の気持ちとして、

男が、彼女が「腐女子」だとわかってショックを受けるのは、「ホモが好きって……じゃあ俺のことはどういう目線で見ているわけ?」と、相手が「自分」をどうみているのかがわからなくなり、関係性において不安が生まれてしまうから

と述べられているのは興味深かった。その上で、

結婚して関係が安定しているところへ、本やグッズを見つけるなどして女房が腐女子だと知ると、「腐女子」であったということよりも「自分に対して隠し事があった」という方向でショックを受けるのではないか

とおっしゃっていますが、そういうものなんでしょうか、既婚者のみなさん……? でもだからといって、「男は理論思考だから、感覚では共感できなくても『理屈』の上では『理解できる』可能性がある」というのは、ちょっと楽天的すぎるんじゃないかしら。あと、「現実で、自分が女であることを全面的に出しきれるような恋愛をすれば、腐女子なんて飽きる」という結論(?)も、同じくお気楽すぎだと思います。

インタビューは、あまり手を入れずにそのまんま収録しちゃった感じだが、「腐女子」としてインタビューに応じた社会人女性3人のインタビュー内容は、

――言いたいことはわかるけど、この発言は、ゲイが「だから腐女子やBLってキライ!」と憤慨しそうな、誤解を招く表現だなぁ……――

と思うところがいくつかあり、同性愛と腐女子カルチャーの間の溝を悲しく思う身としては、ちょっと何とかできなかったのか編集部、と思ってしまう。“オタク文化研究家・尾田九郎”さんの、「恋愛って頑張ってするものなの? と疑問に感じたのが腐女子」という話は、ちょっと面白かったかな。ただインタビュアーがそのフレーズに飛びついて、ラストに

疲れた男にとって、頑張りを強いらない腐女子こそ、現在の「モテ属性」

と、強引に引っ張っていくのは、ええーっ!? とドン引き。わたしなんてつい最近、「腐女子はモテない系女子と似てるかも」とつらつら考えたっつうのに。

しかもこの本が出た頃は、「となりの801ちゃん」「腐女子彼女。」が話題になり、書籍化されるなど人気だったため、「腐女子とつきあってブログに書き、書籍化されれば儲かる可能性もあるかも」などと浮かれていて呆れてしまう。飛躍しすぎだ! というか、アンタたちが妄想しすぎだ!

――まあ、無邪気といえば無邪気なんだけど……結局、しつこく追求していた突っ込みどころ3点はわかったようなわからないような結果になってるし……。でも、非オタク男性(オタク男性も同じかもしれないけど)の認識としては、ここぐらいまでなのかもしれない。それよりも、オークラ出版、こんな本を出すなんて、まさか自分のところからあんなにBL本を出しておきながら、「わっかんないよなぁ、なんでこういうのがいいのか」なんて思ってるんじゃないでしょうね……!?
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Tags: 腐女子本 非モテ 腐女子

Comment 5

2009.01.29
Thu
14:27

みっと #-

URL

こんにちは!

なんだか、どえらい(ごめん、名古屋弁)特集を組んでしまったんですね~

この手の特集は分厚いコートの上から背中を掻いているようなフラストレーションが溜まるのであまり読まないのですが・・。

>そういうものなんでしょうか、既婚者のみなさん……?
とのご質問に答えてみます。

っていうか私の夫は私の趣味を知っているのですが、知った時のリアクションは、例えていうなら「俺はその料理は食わないけど、食卓に並べるのは気にならないよ。でも無理に勧めないでね」程度の反応でした。

>「自分に対して隠し事があった」という方向でショック

どうなんだろ?でも隠し事云々っていう人は意外とお金絡みなのかな?
「こんなのに金を使っていやがった」みたいな・・。

倫理感の強い人、性的な事に罪悪感を覚える人だと拒否反応強いかもね。
女性の性欲を否定したいタイプの人とか・・。

あと男性社会の中でコンプレックスが強い人もだめかもね~。
受け側の立場に変にコンプレックス刺激されそう。

>疲れた男にとって、頑張りを強いらない腐女子こそ、現在の「モテ属性」

へっ!? これはビックリ!そんなはずないと思うよ~。
私達腐女子は拘りがすごく強いと思うので(万事においても)
疲れた男に一番つらいんじゃあ・・。

お邪魔しました~

編集 | 返信 | 
2009.01.29
Thu
17:37

黒ニコ #4GPViago

URL

こんにちは(お言葉に甘えて)

ヘテロの男性目線で、BL作品についてならまだしも、腐女子について特集する…この時点で“ダメだろうな”と考えてしまいます。偏見入りまくりですみません。

>女であることを全面的に出しきれるような恋愛をすれば、腐女子なんて飽きる
これ、メディアに「BLというものがあり一部の女子が熱中している」として取り上げられた頃(十年くらい前?)或る識者が似たことを言っていました。
「恋愛して結婚して子供が生まれりゃ自然と卒業するよ」
TVを見ていた私は(全然分かってない…)と呆れ、そのオヤジの無邪気さにびっくりしたものです。自分に都合のいいようにしか考えられないだなあ(少なくとも女性に関しては)。

さて、既婚者に対するご質問(?)の
>「自分に対して隠し事があった」という方向でショックを受けるのではないか
について、ですが。ウチの場合は無かったですね。
私は結婚当初より世の中には色んな人がいるんだよと、しつこくジェンダーやセクシャリティについて話してきたので、彼もBL本を見つけた時には“ああ、この為だったのか”と了解したようです。
最近でこそ購入する本のほとんどがBLですがその当時は長い抑制の期間だったのでポツポツとしか買わず、それよりも雑多な種類の本を購読していたので特にそれ以上は考えなかったみたいです。このあたりは彼がちょっと変わっているのかな、と思いますけど。
それよりも彼が心配したのはビアンものも読むのか?ってことでした。
読んでたらいつかオンナに走るんじゃないかと考えたみたいです。
その発想にびっくりだよ……。

編集 | 返信 | 
2009.01.30
Fri
03:51

lucinda #-

URL

おお、「既婚者の皆さん」に応えてくださって、ありがとうございます!うれしいです。これぞ、コール&レスポンス!

>みっとさん
みっとさんのだんなさんの反応は、わたしの理想かも。万が一この先結婚とか、一緒に暮らすとかいう事態になったとき、もう隠し立てはできない、と思っているので……。理解というより、そういう趣味かと黙認してくれればありがたいなぁと夢想してしまいます。できることなら、それを黙認できるタイプの人がいい……とまた夢想してみる(笑)

>隠し事云々っていう人は意外とお金絡みなのかな?
そうかも!

>私達腐女子は拘りがすごく強いと思うので(万事においても)疲れた男に一番つらいんじゃあ・・。
た・し・か・に! ついてこられるのかい、ハニー?って感じかもしれません。

>黒ニコさん
黒ニコさんのダンナさんのおウワサはかねがね…(笑)。いやしかし、たとえ黒ニコさんが何度も説明されていたにせよ、実際にBL本を見て拒絶反応を示されなかったのは、やはりわたしには理想的……。ビアンもののエピソードは微笑ましいですが、似たような話、友人から聞いたことがあったのを思い出しました。

>この時点で“ダメだろうな”と考えてしまいます。
ですよね。せめて、最後までもう少し丁寧に考察していたら、また違ってたと思うのに……とちょっと思います。きっと編集部やライターも、もうワケがわかんなくなってどうでもよくなったんじゃないかと(笑)

「女であることを全面的に…」云々は、これこそノンケ男子っぽい見解って気がします。なんか「男と女の間には~」という歌詞を思い出してしまいました。

お二人とも、興味深いコメント、ありがとうございました!

編集 | 返信 | 
2009.01.30
Fri
11:47

月読 #-

URL

またも的外れだと思うんだけど、
未婚者のワタシも脳みそがうずうずしたのでちょいと書いてみました。
お時間あったらまたお遊びにいらしてーん♪

編集 | 返信 | 
2009.01.30
Fri
15:14

lucinda #-

URL

月読さん、コメントありがとうございます!
的外れなんてとんでもない。さきほど、ブログにお邪魔してまいりました!

編集 | 返信 | 

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