趣味にはお金が必要なの

 05,2009 16:11
イトコのキューちゃんは走り屋だ――あ、いや、超クルマ好きだ。仕事の傍ら、アマチュアのレースに出たりクルマをいじったり、いろいろいろいろやっているらしい。わたしはクルマを運転しないし、興味もそれほどあるわけではないので、残念ながら彼のやっていることはほとんどわからないのだけど。

でも、クルマってお金かかるでしょう? 何しろクルマそのものもいい値段だし、去年聞いただけでも、2台くらいクルマを買ってるっていうじゃないの?――と聞いてみると、

「まあ、安くはないけど、どれも中古だしなぁ……。でも実家暮らしだったら、給料の9割くらいはクルマに注ぎ込めるしね」

と微笑みながらしれっと答えた。きゅ、9割ときたか……!

「好きだったら、そのくらい使ってしまうもんなんだよね。時々、オレほどのめり込んでいない『趣味はクルマ』とかいうヤツが、『なんでそんなにクルマ買ったりできるんですか』って聞いてくることあるんだけどさ。でもオレ、給料の9割使ってるんだもん。そんくらい使えば、あのくらいはできると思うな」

――ああ、なんかちょっと想像できるような――つまり、キューちゃんの言うところの“クルマ”が、わたしの場合は“本”とか“DVD”なんだろうなぁ……と思う。わたしは一人暮らしなので収入の9割も本には注ぎ込めないけど、でも諸経費をさっぴくと、やっぱり7割くらいは、本に費やしているんじゃないかしら。

とどのつまり、「趣味」にのめり込めばのめり込むほど、いろいろと欲が出て、結果的にお金を注ぎ込んでしまうのは、趣味の内容はもちろん、性別、年齢、時代に関わらず同じこと――ということかもしれない。馬好きたちの競馬や乗馬や馬の育成への投資しかり、パチンコ好きのパチンコ投資しかり、PCオタクの周辺機器や改造費用しかり……(なんかわたしの周り、趣味が殺伐としている感じだな)

「そうね、好きなものにはそのくらいお金を使ってしまうものよね。オタクもそうだし……キューちゃんも、言ってみればクルマオタクみたいなものかもね」
「んー、ま、そうね……でも、オタクとはちょっと違う気がするけどね。だってオレ、部屋にこもってるよりは、走らせたりする方が好きだし……。あ、あ、いや、別にオタクがキライとか、そういうことじゃないよ!? オレ、オタクいいと思うし?」

――わたしの視線がちょっと責めていたのか、慌ててオタクを擁護するキューちゃん。ま、いいのよ。アナタが好きなものにお金をかけているその姿は、わたしの中ではオタクと変わりないのよ。

そういえばキューちゃん、趣味のクルマを通じてカノジョと知り合い、結婚したんだっけね。今は離婚しちゃったけど、現カノジョもクルマを通じてできたらしい。25歳にしてバツイチって、なんだか人生を生き急いでいるような気がしないでもないけど、まことに、趣味が生活の中心というか、趣味が人生を彩っている典型って感じがする。

――ん? そうすると、もしキューちゃんの例を無理矢理わたしに当てはめた場合、つきあう人や結婚相手は、本(小説・マンガどっちも)オタクや腐男子・腐女子が最も射程距離内に近いってことになるのか? ――なに、この現実感の薄さ? なんか本のオタクって、社会性がなさそうなイメージが強いのは気のせい? 世間の「オタク」への偏見に毒されてるの!?

いやそれよりも考えないといけないのは、キューちゃんは結婚している間もクルマに手を掛けていた点だ。今みたいに収入の9割を注ぎ込むようなことはしていなかったとしても、相当な金額が趣味に流れていたのは間違いない。そうすると、もし仮に、同じ本オタクと結婚したら、家計は――そして、住居の収納スペース確保や、床の補強にかかる費用は――!?

――どう考えても、めまいがするようなお金が必要そうだ。どうする、わたし!? 今の趣味に関心を失わない限りは働いて稼がなくちゃ……! キューちゃんみたいに、趣味の対象がクルマじゃないだけお金のかかり方は少ないはず……! と、新年早々、自分を励ますわたしなのだった。
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