“親友”の深淵
「K田よ……K原をどんだけ愛してるんだ…………事実はBLより深い」
――あ、そういえば、K田さんが出演する番組があるっていってたな。でも、姪っ子が寝ていたので、テレビをつけていなかったのだ。残念……と返信すると、しばらくしてこんなメールが。
「K田はさー、永遠に片思いなんだねー(笑)。K原の手紙を大事に持ってるんだよ。K田曰く、
僕はK原に会えてよかった。
彼に会えて本当に感謝している
でも彼に、僕と同じ気持ちでいてもらわなくてもいい。
彼が僕のことを嫌いでも、どう思っていても、僕は彼のことが好きだし、感謝している。
もう、どこの片思いBLかと!」
――うーん、なんだか、一途というか、いじらしいというか……! いや、本当にそのまんま、片思いの心情告白って感じだ。それも、報われないとわかっている上での悟りモード入りの。
思わずメールを読みながらフキ出してしまったため、「どうしたの?」と尋ねてきたスウに、簡単に内容を説明すると「ヤバいよ、それ!」と笑い出した。ところが
「いや、でもなんか、そういう気持ち、わかるような気がするよ」
と、スウの夫が真顔でつぶやくじゃありませんか! 彼が大のK田さんファンなのは知っていたけど――ファンゆえの共感なの? それとも、同じような思いに覚えがあるの!? 「この人もヤバいかも……!」と、スウも笑いながらも半分ギョッとしている。
miriam先輩には、スウ夫の発言を早速送信。すると――
「意外と男性の方がわかるのかもねぇ。愛に近い友情ってさ(笑)。でもK原は悪い男だからね~! ちょい悪の番長(でもまっすぐな気性)×世間知らず優等生(ツンデレ)って感じかしら!?(笑)」
――うわ、なんだか今、天啓のようにその組み合わせが脳にビビッとキました! ああ、わたし、みんなに慕われ愛されるK原さんは受けだと思っていたけど、この瞬間、K田さんに対しては攻めだな、と思っちゃったよ!
それにしても、番長×優等生の組み合わせで真っ先に思い出したのが、「動物のお医者さん」の漆原教授と菅原教授。たしか、菅原教授が漆原教授に困らされても迷惑をかけられても、野生児・漆原教授のことを拒めないのは、菅原教授がインテリだからだ――みたいなシーンがあったのよね。番長や優等生という表現ではなかったけど――“いい子ちゃん”や“マジメくん”が悪やワイルドな奔放さにちょっと憧れる、っていう図式は、考えてみれば昔からの定番かも。
しかし、あれほどK田さんファンなくせに、どうして番組を録画しなかったんだ、スウ夫――? 録画してくれたら、二人のラブさを改めて堪能したのにさ……。
