穴の真相は…

 08,2008 23:22
「レッドクリフ」を見て、Kさんと飲んでいた時のこと。

Kさんは、デザイン制作会社で働く校正者なのだが、取り扱い商品には、ゲーム攻略本やアニメのムック本など、ヲタ系のものも結構あるという。

「男性向けのゲームの本とかは、もうエロだけって感じで、ちょっと見るのがしんどいなぁって思うこと、あるわよ」と、話していたKさんが、ふと、「女性向けのBLって、あるじゃない? そのムック本を昔、ウチでもやってたんだけど、3号くらい出して打ち切りになっちゃったのよねぇ。あれは、見出しとかがすごく“がんばって考えました”感があって、見るのが好きだったんだけどねぇ……」と、残念そうにつぶやいた。

――Kさんがゲームやアニメ関連の出版物に関わっていたのは知っていたけど、BLにも関わっていたのか!

以前から、Kさんは腐女子属性があるんじゃないかと密かに思っていたのだが、「見出しを読むのが好きだった」ってことは、もしかして、やっぱり……? などと思いながら、「Kさんとこでは、BLって、ムック本以外にも取り扱いはあるんですか?」と聞いてみたら。

「やっぱりゲーム攻略本はあるわよ。あとはアニメ関連かなぁ」
「じゃあ、書籍とかマンガはないんですか?」
「そうね、それはやってないわ」
「そうか……。じゃあ、BLを読むとかいうこともないんですね」
「そうねぇ。仕事で関わるところではナイわね」

――うーむ……腐女子属性の有無は今回もハッキリしなかった……。いえ、別にいいんですけれども。

でもKさんは50代ながらも、ものすごく物事を柔軟に捉えられるし、リベラルな考え方をする人。なんだか、仕事で関わっているというBLについてKさんの話を聞きたくなってきたわたしは、「わたし、結構BL読むんですよ」と打ち明けてみた。
「えっ、そうなの? なになに、ゲームとかアニメが好きなの?」

「いえ、わたしは文庫とか単行本とかマンガを読むのだけですね」

「そーなんだ!……うーん、なんかね、今思い当たったんだけど。うちに出版社の人が来る時さ、まあ、そこの出版物が想像できるような格好で来ることが多いのね。硬めのモノはスーツとか、ゲームやアニメ関係はオタクっぽいとかさ。でもBL関連はね、パッと見た目、オタクとはわかんない格好ってのかな。それこそどこかのよく見かけるOLみたいな格好で来るのが面白いなぁって思ってたのよね」

――ああ、男性オタクと女性オタクの見た目の違いを、Kさんも感じていたんですね……。

「結構、女性は男性に比べて、オタクだとバレないように気を配る部分ってありますよ、たしかに」

「わかる気がするわ。あと、仕事で関わっててちょっと感じたのは、BLを読む女の子って、実際の男女の関係はフケツ!と思っているような潔癖さがあるような気がするというか……。あくまでも個人的な印象だけど」

「うーん……自分のことを考えると、そういうところ、あるかもしれないですね……。ハーレクインとかレディコミのような男女モノだと、ついつい冷静に突っ込んで楽しめない、って意見はありますけどね」

なるほどねぇ、とKさんはうなずく。でも常々思っているのは――仮に腐女子が潔癖症な傾向があるとしても、BLで描かれているエロのシチュエーションは決してBLオリジナルばかりではない……というか、オリジナルなものは、多分かなり少ないんじゃないか、ということ。つまり――

「BLにもいろいろジャンルやシチュエーションはありますけど、でもそれって結局、明らかに男性向けエロの影響を受けてるなぁって思うんですよ。レイプとかの陵辱モノもそうだし、学校や病院が舞台のおバカっぽいのだったりとか……」

「それはそうだと思うわよ? ただね、確かに男性向けエロの影響があるとしても、女性向けの作品になった時点ではやっぱり違うものになってるのよね。なんていうか……男性向けのは、もうホント、エロシーンしかないっていうかさ。仕事していて、見たくないなぁとか、ここまでやったら犯罪なんじゃないかとか、たびたび思うもの。ま、同じ校正の男の子は、BL関係は見たくないみたいだけどね

――そりゃそうだろうなぁ。がんばれ校正男子。それはさておき、「男性向けエロの影響を受けても、違うものになっている」という見解が、腐女子でもオタクでもないKさんから聞けたのが印象的。主観的=腐女子ではない人、の見解だからかもしれない。

しかし、Kさんの次の言葉に、一瞬言葉を失うわたしなのだった。

「ただわたしがすごくビックリしたのはさ、BLには“やおい穴”って設定があるってことなんだけど」

――“やおい穴”……! これを聞くのは2回目だわ……そう、1回目は師匠から真顔で尋ねられて、のけぞったんだっけ。師匠といい、Kさんといい、引っかかるのがソコってのが、ちょっと……!?

「あのぅ……。わたし、これまでいろいろ読んではきましたけど、その“やおい穴”が登場する作品って、これまで見たことない、んですけど……」

「そうなの? なんかBLって呆気なくアナ●セックスするじゃない? それはソコがやおい穴って設定だからなんだ、と思って納得してたんだけど」

――ええっ!? わたし、やおい穴とは、想像上の穴だと思っていたんだけど、もしかして……もしかして、BLにおけるアナ●のことを“やおい穴”と称するの……!?

「い、いや……。Kさん、それって、想像上の器官というか、体の構造のことを指すんじゃないかと思うので……。少なくとも、そういう想像上のモノが出てくる作品は、見たことがありません……」

「えー!? わたしはてっきり、BLはどれも“やおい穴”だと思ってたわ」

――“やおい穴”は想像上の器官のはず……だけど、こういうところを見ると、その自信が揺らいでくるじゃないの!

Kさんは、わたしの必死の説明も、なんだか半信半疑なようで……てことは、Kさんは仕事で“やおい穴”って記述に遭遇したってこと……なんだよね!? 「まさかそんなハズはないだろ!」という思い込みで、そこんとこ、確認し忘れたけど……どうなんでしょう、実際は?

ああ……“やおい穴”の真相が気になる……!
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Tags: 非腐女の疑問

Comment 2

2008.12.10
Wed
22:46

ぴよこ #-

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ええっ、“やおい穴”って想像上の器官なんですか?
私、BLにおけるアナ●のことを“やおい穴”と称するのだと思ってました。BLに出てくるゲイは、現実のゲイではないよねみたいな感じで、あれは場所は同じでも何か違う器官として扱われているなと思ってたところ、“やおい穴”という言葉を知って納得!という経緯でした。
素に戻るほど浮世離れしたアナ●に出会ったときは「いや待て、これはやおい穴だから無問題だ」と自分をなだめてたのですが(そうまでして読まなくてもいい)、---いやん、私まちがってたんでしょうか。誰か定義をはっきりさせてくれないと、今後自分をどうなだめればいいのか…!

男性向けエロとBLのシチュエーションって似てますよね。あれは、男性向けエロの影響から逃れられないということなのか、人間のエロ思考のバリエーションが根本的に限られてるということなのか、ちょっと気になります。
違いは、男性向けエロは女性しか出ないけど、BLはカップルで出るというとこでしょうか。BLは攻めにも受けにも自分を投影できるから、読みの幅は広いですよね。
シチュエーションは同じでも、読み手の視点といい、エロに入るまでの紆余曲折を楽しみたいとこといい、BLの方がよりファンタジックなドラマ性を追求してるように思います。「失楽園」と「不機嫌な果実」を読み比べて、同じ不倫ネタでも男目線と女目線ではこうも違うかー!と盛り上がったのを思い出しました。…なんだか、いつもエロについて考えてる人生みたいですね、私…。

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2008.12.11
Thu
13:58

lucinda #-

URL

ぴよこさん、レスが遅くなりました。すみません。

もーう、“やおい穴”のナゾは深まるばかりです……。ネットで検索しても、「想像上の器官」と「BLにおけるアナ●」と、どっちも当然のような顔をしてあるんですよー! ……まあ、どっちもが正解、なのかもしれませんけど……そうか、ぴよこさんは「BLにおけるアナ●」説を信じてらっしゃったんですね……。それにしても「素に戻るほど浮世離れしたアナ●」って(笑)。でもなんかそれ、わかります。

>男性向けエロの影響から逃れられないということなのか、人間のエロ思考のバリエーションが根本的に限られてるということなのか
多分、これもどちらも当てはまるんでしょうね。鹿乃しうこさんが、エロの描写は限られている、みたいなことをおっしゃっていましたし、まあ確かに、やってることは基本的に同じですからねぇ……。でも、女性向けから男性向けに影響を与えたエロ表現があるのかも、気になりますね。

BL(女性向け)はカップルで出すってのは、かなり大きいと思います。それゆえに二人の関係性もしっかり描かれていると思いますし……。「失楽園」とか、W辺作品で「あれは男のハーレクインでしょ」と、vivian先輩と盛り上がったことがありました。

……わたしもいつもエロについて考えているみたいで、しかもブログに上げようと画策しているのが、なんというか……いえ、好きでやってるからいいんですけど……。

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