幸村殿、艶にて候(秋月こお)

 28,2008 18:23
うーん、もうここ最近、「幸村殿」にヤられまくっていた。何しろ、現在出ている4巻まで一気に読んじゃったもんね。

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九號

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(あらすじより)九州征伐の地ならしとして、かの地を偵察せよ―。天下統一を目前に、関白秀吉から命を受けた真田幸村。美貌と軍師の才を合わせ持つ幸村だが、この任務は命がけだ。幸村に想いを寄せる越後の覇者・上杉景勝は、旅立ちの晩、熱く激しいキスを奪って見送るが…!?乱世で再びまみえるか、今生の別れとなるか―十勇士率いる智将・幸村が、戦国の世を駆け抜ける、群雄割拠の時代絵巻。

もちろん、幸村もステキではあるけど、その周りのキャラたち――いわゆる「真田十勇士」や上杉景勝など――が、幸村に負けず劣らず魅力的。何よりも、幸村を中心としたやりとりが、なんだかキラキラしているのだ。ワクワクさせられちゃうのだ。

時は天正14(1586)年。いわゆる“安土桃山時代”が舞台。作者の秋月こおさん曰く、

「……なにせ、実在の人物として確かなのは幸村父子だけですし……(略)……幸村自身のことも、史書には断片的にしか現れなくて、それも若い頃のことはよくわからないので、好きに書くっきゃないわね、という感じなので」

とのことで、まあ、その通り、幸村をはじめ、猿飛び佐助や霧隠れ才三といった主だったキャラたちは、BL必須(?)のスペック「美貌」を備えて、イキイキと動き回っている。そもそも、「真田十勇士」自体、講談ネタ=フィクションだしね(一部実在の人物もいるようだけど)。

でも、確かにこの作品はBLなんだけど――「九州征伐の地ならし」を遂行するべく、キャラたちが一丸となっているせいか、どこかスポーツものや格闘ものの少年マンガのような雰囲気が強く漂っていると思うのだ。そう、友情とか、場合によっては人情とか、ライバル意識とかコンプレックスとか――恋愛以外の感情がふんだんに盛り込まれているというか。しかも、キャラが多いおかげで脇キャラ同士でも盛り上がっているのが、ますます少年マンガっぽい感じ。

九號さんのイラストが、これまた作品の雰囲気にピッタリ。幸村や佐助、才三、小介といった若者たちもいいけど、景勝や甚八らオヤジが、めちゃくちゃ色気たっぷりに描かれているのがステキ。

豊臣秀吉の九州征伐については、それこそ教科書的な「島津義久は、豊臣秀吉に降伏しました」ぐらいの知識しかないし、ましてや当時の九州がどういう状況だったのかもよく知らない。そもそも島津氏が、源頼朝の時代から薩摩を治めていたなんて、このシリーズを読むまで知らなかったぐらいだ(超長期政権だったんだな、島津氏)。だから、史実との違いや矛盾なんか、わかるわけがない。だけど、相当読み応えがあるのだけは確か。1巻の最初の辺りでちょっともたついたのは、情報量と文字量の多さにまごついていたのかもしれないな、わたし……。

そして、このシリーズ全体に漂うワクワク感や緊張感、ほんのり奇想天外風味なキラキラ感は、なんだか時代小説なら、山田風太郎や隆慶一郎、柴田錬三郎の作品っぽいかもしれない。

ただいまの最新刊は4巻。
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(あらすじより)児小姓の六郎と小介が、島津の巫女集団に攫われた!九州上陸を無事果たし、大友宗麟と会見した幸村は、二人の救出を直ちに下知!手練れの忍者・猿飛び佐助は、霧隠れ才三と探索に向かう。けれど、幸村への恋心に負けて命令違反をし、信頼を失った焦りと不安に駆られる佐助は、初めて大失敗を犯してしまう。そんな佐助の想いを否定できない幸村は、主としての未熟さに悩み苦しむが…。

ああ、表紙絵の色使いがいいなぁ……。どうやら真田隊は、九州征伐の地ならしも終え、秀吉の命令を遂行したようだが、幸村への恋心を自覚した忠義一徹の佐助はどう変貌するのか、その佐助と幸村に、幸村とようやく結ばれた景勝と、のらりくらりと本心を見せない才三がどう絡んでいくのか――楽しみだ。

というか、早く続きを出してください、先生ッ!
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Tags: 秋月こお 九號 歴史/時代BL

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