若者、深夜の事変

 23,2008 22:22
うちの近くに、ある大学の寮らしきものがある。建物の規模は大きくないし、一体どういう関係の寮なのかはわからないのだけど(そもそも“寮”なのか、借り上げアパートなのかも不明)、住人が揃いも揃って、体格のいい男子であることだけはわかっている。

なんでわかっているかというと、住人らしき学生が建物を出入りするところを見かけるのはもちろんなんだけど、野太い声でしょっちゅう大騒ぎしているからなのだ。うーん、ま、元気があり余っているお年頃でしょうから、少々のことにも興奮してしまうのはわからないでもないんだけどね。

その寮では、昨夜も住人たちが大声を上げて騒いでいたのだが、どうもいつもと違う雰囲気みたい。よくよく耳を澄ますと、「先輩ッ、先輩ッ!」とダミ声で何度も叫んでいる。こーれーはー、酒を飲ませすぎたか何かで意識を失ったのかも……ヤバいんじゃないの?……と思っていたら、案の定、救急車がやってきて――

しばらくして、その倒れた先輩らしき人をストレッチャーに乗せて行ってしまいました……。

だ、大丈夫なの!? と救急車の発進を見守っていたら、どこからともなく、今度は泣き叫ぶ声が。

「どーしてなんだよぉーッ!」と寮から駆け出してきた男子Aは、そばにある電信柱に頭をつけ泣き崩れ――その男子を、遊びに来ていたらしい女子Aが「大丈夫だよぉ…!」と涙ぐみながら抱きしめてやり――男子Bは道路を挟んで向かい側のマンションの植込みに座って「どーしてこうなっちゃうんだよッ……!」とすすり泣き――「先輩、何やってるんスかッ! しっかりしてくださいよッ!」と涙交じりの男子Cが男子Aを立ち上がらせようとし――「先輩~ッ!」と号泣する声がいくつも寮内から漏れ――その号泣を、やはり遊びに来ていたらしいほかの女子たちB~D(多分)が「大丈夫だよぉ!」「もうやめてよ~!」と半泣きな声で諌め――

なんだかすごい様相を呈し始めたのだった。深夜なのに。しかもその阿鼻叫喚な状況は、延々2時間近く続いたのだ。ようやく静かになったのは、1時過ぎだったっつーの。

何なんだ、このクサい青春ドラマの一コマみたいな有様は!? 傍から見てると、どうにも自分たちに酔っているだけのように見えるんだけど?――と内心、彼らの青くささに呆然としつつ、一方で、

――ドラマやマンガみたいな悲しみ方をするヒトって、いるんだなぁ――

と妙な感心を抱くわたしなのだった。そうねぇ、電信柱にもたれて泣き叫ぶ男子Aを慰めたのが、女子ではなく男子だったら、非常に腐女子ゴコロをくすぐられていたかもしれない。けれど、男子Bの、誰も慰めてくれるわけでもない、一人しんみり鼻をすすっている様子の方が、妄想の余地があったような気がするなぁ……気がするけど……でもね。

妄想するより以前に、呆れたり感心したりしつつも基本的には、いつまでも泣き叫んでいる彼らを頭の中でビンタしながら、「搬送された先輩の家族や自分たちの監督者にキチンと報告しなさい! そしてさっさとそこら辺を片付けて、二度とそんなことを起こさないように、静かにおとなしく(重要)しっかり反省なさいよ!?」と、叱り飛ばしていたのだった。

ま、ね。考えてみればわたし、ムリをすれば彼らぐらいの年齢の子どもがいる可能性も否定できないんだもんね。ムリをすれば、だけどさ。 ともかく、搬送された先輩クンのご無事は心からお祈りしています。酒のムチャ飲みはいかんぜよ――。
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Comment 2

2008.10.24
Fri
16:45

一見 #-

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初めまして。

いつも楽しく読ませて頂いております^^
そして、ずっとコメントせず読みオンリーでいくつもりでしたが、夕刊に載っていたニュースが、あまりに書いておられる内容と似ていましたので、思わずコメントしてしまいました^^;

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081024/crm0810241307017-n1.htm

それでは、失礼します。
これからも楽しみにしています。

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2008.10.24
Fri
20:17

lucinda #-

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コメントありがとうございます。

そっくり……てか、よくよく読むと、うちの近くのことのようです。なんかちょっと、違うような気がするところもあるのですが……ともかく、亡くなったなんて……。やっぱりムチャな酒の飲み方はよくありません……。

情報ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

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