それが作家の味というもの

 21,2006 23:25
真昼の月3真昼の月3
いおか いつき 海老原 由里

雄飛 2006-06-30
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シリーズ3作の中で、一番良いと思った第3巻。不自然さとか釈然としない感じを、前作より感じなかったからかも。そうはいっても、相変わらず元刑事の神崎は、深刻さや葛藤など無縁に、さわやかにタフなのだけど。それにしても神崎は、このまま、素直にヤクザの辰巳への気持ちを認めていくのかしら。


ところで、この作品を読んでから、作品の設定が、英田サキの「夜が蘇る」とよく似ていることに気がついた。


どちらも、ヤクザ×元刑事
どちらも、舞台は大阪。
どちらも、元刑事は東京で活躍していたが、失意の辞職をして大阪へ。
どちらも、元刑事は探偵業。
どちらも、元刑事は美人でヤクザは男っぽい風貌。
どちらも、ヤクザが年下で、押しが強く、元刑事にベタ惚れ。
どちらも、ヤクザは組のナンバー2的ポストにいて、ミナミが本拠地。
どちらも、主人公2人の会話はテンポよく、作品の雰囲気もダークでヘビーではない。


ね、似ているでしょう?


でも、これだけ設定は似ていても、作風は全然違う。いおか作品の方が、より軽妙でドライな感じ。それはそのまま、元刑事のキャラクター像に一致しているような気がする。


いおか作品の元刑事・神崎が刑事を辞めた理由は、同僚に裏切られ、撃たれたからだけど、英田作品の元刑事・秋津の場合は、情人だったヤクザが亡くなったから。神崎はもともとストレートだけど、秋津は、どう見てもゲイでしかもネコだ。


作品中でつかわれる大阪弁の雰囲気も、ちょっと違う感じがする。


まあ、この作風の違いや、作品に漂う雰囲気の違いこそが、作家の個性であり、味というものなのかな、と思ったのだった。


わたしの個人的な好みでは、この設定での作品、どちらかというと、英田作品の方が好みだけど…。


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Tags: いおかいつき 海老原由里 警検麻ヤ 2作品比較 複数レビュー

Comment 2

2008.11.26
Wed
21:17

沙粧 #-

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はじめまして

実は、私も同じように思ってました。

>作品の設定が、英田サキの「夜が蘇る」とよく似ている

実は、並列して読んでしまって
内容がアタマの中でミックスされました。
今でも、細かい所がおかしな事になってます。

TBさせてくださいね。

編集 | 返信 | 
2008.11.27
Thu
00:43

lucinda #-

URL

沙粧さん、はじめまして。
コメントありがとうございます!

枠は似てますよね、両作品。うなずいてくださる方がいらっしゃってうれしいです。

TBももちろんどうぞ! これからもよろしくお願いいたします。

編集 | 返信 | 

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