あまりにも早い…

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作家の氷室冴子さんが亡くなられたというニュースを見て、絶句しそうになった。享年51歳だなんて、あまりにも若いだろうに――。

わたしはかつて、氷室冴子さんの作品に夢中になってラノベの面白さを知り、読書の面白さの深みにさらにはまり込んだような気がする。「なんて素敵にジャパネスク」や「ざ・ちぇんじ」の平安モノも好きだったし、「なぎさボーイ」「多恵子ガール」「北里マドンナ」のシリーズや「冬のディーン 夏のナタリー」シリーズなどの現代モノも好きだった。シリアス気味な「白い少女たち」も、爆笑エッセイの「冴子の東京物語」も本当に好き。

どの作品も言葉が練られ、文章のテンポがものすごくよかった。人物描写の的確さと奥深さに、いつも心を揺さぶられていた。それに、どことなくコミカルというか軽妙洒脱。はっきりいって、そんじょそこらの小説なんか足元にも及ばないほど、エンターテインメントに徹していたし、「読まれる」ことを意識されていたと思う。

氷室さんの作品に登場する主要キャラの関係は、今にして思えばすごく「やおいっぽい」のだけど、でもきっと、BLは、どんなに儲かるとわかっていても、氷室さんは書く気はしなかっただろうなぁ……と思う。ただ、初期作品はちょっぴり百合っぽさが漂っていてるのが印象的だ。

「いっぱしの女」は、これが書かれた氷室さんの年齢に近く、また氷室さんと同じように独り身だからこそ、読みながら「わかるわかる!」とあちこちでしみじみうなずいたものだった。

いっぱしの女いっぱしの女
氷室 冴子

筑摩書房 1992-05
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どうしてちくま文庫版のデータがないんだ、Amazon……。それはともかく、今でも時々、「ああ、そうだなぁ……」「そうそう、そういう気持ちだったんだよね」と、この本を読み返す。日頃感じるささやかな怒りや疑問が、マジメながらもコミカルに書き記されていて、氷室冴子節が唸っている感じ。

最近どうなさっているんだろう……と思っていたけども――でも、新作、読めると信じていたんだけどなぁ……!

氷室冴子さんのご冥福を、心からお祈りします。
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