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萌えはどこかでつながってる―その4.BLに登場するビアン

 06,2008 13:18
「集密書庫の情事」を読んだ時、

――BLに登場するビアンって、なんとなくどこか傾向が似ている気がする――

と思ったものだった。そういうわけで「萌えはどこかでつながってる」の最後は、「BLに登場するレズビアン」で締めます。

BLは、男同士愛し合う人たち=ゲイ(と言い切ってやる)が主役ではあるけど、彼らを取り巻く登場人物として女性はわりと少なめな傾向で、そのせいかビアンも、そうそう見かけることはない。

手持ちの本で、ビアンが登場するのはどのくらいあるのか漁ってみたところ、5作品あった。

「集密書庫の情事」(棗キカ)、「LinS」(烏城あきら)、「ハンサムは嫌い」(榎田尤利)、「コンプレックス」(まんだ林檎)、「できのいいキス 悪いキス」(鹿乃しうこ)

そういえば、以前借りたマンガにもビアンが登場したなぁ……。たしか「負け犬のなんでも屋」(菅野彰 原作、麻生海 漫画)だった。まあ、これを入れて6作品として、この中で一番ビアンの女性が活躍している作品は、「集密書庫の情事」だろう。

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この図書館、深津と宮本を含めて4人が勤務しているのだが、なんと全員が同性愛者。ビアンである「高島」は、この4人のうちの一人だ。ダサい職員用の制服を着ても漂う「イイ女」の雰囲気。長い睫と大きな目。化粧を控えていても迫力美人――そんな風貌の高島。

性格も超しっかり者でドS。でも宮本との関係に煮詰まって酒びたりの深津を呼び出し、叱り飛ばしながらも話を聞きだしてやる面倒見のよさも持ち合わせている。うーん、カッコいい。深津はもちろん、恐らく同僚の誰もが、彼女に頭が上がらないに違いない。

でもまあ、こういう女性キャラ、別にビアンじゃなくてもよく見かける。美人でしっかり者で男からも頼りにされる姉御的存在。ところが、「ハンサムは嫌い」に登場する縞子も、高島に負けず劣らず強烈なのだ。

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縞子は美容室オーナー・真壁の姉。きれいで、頭がよくて、背も高くて、弟の面倒もよく見て、友達も多くて「欠点がない」。しかもそのきれいさというのも、美容師の若葉から見て「欠点がない」。男勝りでもなく女くさくもなく、性別を超えた美貌。俗っぽくなく化粧が控えめでも迫力のある美人、という形容だ。またしても出たな、「化粧控えめの迫力美人」。

しかし実は縞子、正確には男もイケるバイで、これまで弟のカノジョや男友達を何人も食ってきたらしい。しかも全員、縞子にメロメロだったらしい。真壁の立つ瀬、まるでナシ。真壁曰く「姉貴はある意味肉食獣」ってことで、これ、もしかすると榎田さんの「ラブ&トラスト」に登場する坂東天の女性版のようなキャラなのかも。

真壁は縞子を避けまくっているけど、縞子は真壁と仲良くしたいと寂しそうだ。でも、弟の気持ちを察して無理強いしないところがデキているというかなんというか。若葉たちの手助けで見違えるように変わった、真壁の友人・園田の妹の可憐をいつの間にか食って恋人にしているところは、ソツがないというかなんというか。

あ、よくよく考えてみると、男性が苦手で縞子が初恋の人だという可憐は、ビアンだといってもいいのかもしれない。少女マンガ風にいえばチンクシャだった可憐だけど、ゲイの若葉やドラァグ・クィーンのエメラルド・珠子、そして美容院のスタッフに励まされ力を借りて名前の通り、可憐に変身する。ちょっと羨ましいなぁ……。

この作品、可憐の変身ストーリーも含まれているので、そういう意味では、ストーリー全体にビアンが関わるといっていいのかも。だが「集密…」の高島といい勝負の迫力美人・縞子は、高島に比べたら登場回数はかなり少ない割りに、存在感ときたらかなりのものだ。

もう一人、高島や縞子に負けていないのが「LinS」の里村だ。

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里村――学生時代から宗方はゲイじゃないかと睨んでいた侮れない人物。しかも宗方を密かに想う幼なじみ・石蕗の気持ちを後押ししようと、2人が出会うセッティングまで華麗に成し遂げた抜け目のない人物。だが、自分の恋は失い、失意で突然、潔く渡米してしまう。うう……。

里村もかなりの美人で、おまけに頭がいい。しっかり者なのはすでに説明した通り。そして石蕗との関係に戸惑う宗方にハッパをかける、頼りがいのあるカッコいい女性だ。

ハンパじゃなく美人で、頭がよくしっかり者、という設定のレズビアンの女性。実はほかの2作品にも共通している、ような感じ。マンガだから外見の説明はないけれど、絵柄はカワイイし、どちらも気丈な雰囲気。

できのいいキス悪いキス」に登場するビアンは、エロマンガ家でインポで悩む主人公・鉄央の友人でゲイの満郎の元・妻アッコ。ちなみに2人は偽装結婚し、嘘をつくのに疲れ果てて離婚。とはいえ別れた今でも仲は悪くなさそう。満郎が鉄央のことをずっと好きなのはお約束ってものでしょう。だがその想いはどうにも実らない。アッコもどうやら彼女と別れた様子。切ない……。偶然駅で出会い、「また今度、どっかで飲もうよ」と満郎に声をかけるアッコの様子が、同志を励ますようにも見えたなぁ……。

そして「コンプレックス」に登場するビアンは、達也と結婚後、ガンで死別する女性・孝子。ゲイだと認識していたはずの達也なのだが、お互いに好きな相手との関係に煮詰まり、魔が差してヤってしまったらデキちゃったという展開に。

結局、達也は長いつきあいの恋人・淳一と別れるのだが、結婚してもいつまでも淳一のことを想い続ける達也に比べ、孝子は達也と子どもとの新しい家庭に夢中の様子。そりゃ孝子は結婚前、好きだった彼女とはまったくうまくいってなかったけど、そうまで切り替えられるものなのか……でも子どもも生んだことだし、現実とはそういうものなのか……。ある意味、手持ちの作品に登場するビアンのたちの中で、一番現実的なヒトだとは思う。

そういえば借りて読んだ「負け犬…」に登場するビアンも、主人公の「元妻」だったなぁ。たしか、女性と駆け落ちして離婚したんだったっけね? でも、かなりパワフルなキャラクターだったことは覚えている。

こうしてみると――たった5作品(ムリヤリ6作品)とはいえ、BLに登場するビアンの女性は、

美人。キャラによってはハンパじゃなく美人
かなりのしっかり者。キャラによっては頭のよさも明記
サバサバとした非粘着質な性格(「コンプレックス」の孝子は若干微妙だが)

という部分で全員共通している。ほかに要素がないわけではないが、キャラを差別化するほどのものじゃない。

うーん……そりゃBLだから、主役はじめ、男性キャラも見栄えのいい男前が揃ってはいるけれども……なんだろうなぁ、これって「ビアン」に対する理想なんだろうか? もしくは、ステロタイプなビアン像なの? それとも彼女らが登場しているのはあくまでもBLなので、主役をくってしまうようなキャラだとマズい……と、絡めやすく設定した結果なのかしら? にしても、みんなほぼ、似たタイプってのは、どうなんでしょう?

そういえば、ビアンが登場する手持ち5作品にはもう一つ、共通点があった。ビアンが登場するところ、はっきりと「ゲイ」と設定されているキャラが必ず登場しているのだ。それはBLにありがちな「元々女好きで、ほかの男はダメだけど、おまえだけはイケるんだ」という、小理屈をこねて読者を煙に巻くような無自覚なゲイじゃない。わりと早いうちに「オレは男が好きなんだな……」と自覚しているゲイだ。自覚のあるゲイのいるところに、自覚のあるビアンあり――そんな感じかしら。

BLというジャンルにおいては、ビアンは脇キャラの一人だし、必要不可欠なキャラでもない。でも、もう少しバリエーションが増えて、もう少し多く登場してくれると、面白そうなんだけどなぁ……と思うのだった。――扱いにくいのかしらね、やっぱり?
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Tags: 萌えはどこかでつながってる 棗キカ 樋口ゆうり 榎田尤利 杜山まこ 烏城あきら ふさ十次 まんだ林檎 鹿乃しうこ レズビアン

Comment - 8

2008.05.06
Tue
15:36

相沢 #8k87xx1.

URL

最近は よしながさんに ビアンもの描いてくれないかなと妄想するようになりました。

●美人。キャラによってはハンパじゃなく美人
●かなりのしっかり者。キャラによっては頭のよさも明記
●サバサバとした非粘着質な性格

というのはよしながさんが昔作品に登場させてた女性キャラそのまんまだよなあ・・と思うんですが・・・・

編集 | 返信 | 
2008.05.06
Tue
18:27

lucinda #-

URL

これをアップして時間が経った今、ふと思ったんですが、とりあげたBLに登場するビアンの特徴って、女が憧れる女、というか、女が好ましいと思う女の典型じゃなかろうかと。
そういう女性であれば、BLの世界にいても許せる……って感じかしら…と思っちゃいました。

>よしながさんが昔作品に登場させてた女性キャラそのまんまだよなあ・・
あ、咄嗟にわたしの頭に浮かんだのは、「やる民」に出ていた寺田さんです。彼女はこの条件にピタッと当てはまりますよね!?

編集 | 返信 | 
2008.05.06
Tue
19:33

相沢 #-

URL

ああ、すごいよくわかります。

「女が憧れる女」 なるほど。そうですよ。

美人、頭脳明晰、なもんだからほどよく嫌味、いろいろあるけど案外たくましい。

そうだそうだ寺田美穂ですねえ

月とサンダル の なるちゃん でもいいな・・

同人ですけどよしながさんの描くヒルダ(銀河英雄伝説)もクールでいいんだなー

こっちのジャンルも開拓してほしいな

編集 | 返信 | 
2008.05.06
Tue
22:08

lucinda #-

URL

ああ、なるちゃん! なるほどなぁ…。

女が憧れる女は、ビアンで男に興味がないとなおよし、てな思惑ですかね。意地悪な見方ですけどね。

よしながさん、銀河英雄伝説もやってらしたんですね。知らなかった……スラダンしか……。
覚えておきます! ありがとうございます!

編集 | 返信 | 
2008.05.07
Wed
01:30

miriam #SFo5/nok

URL

BLに出てくるビアン(女性キャラ)がカッコイイのは、「理解者としての自分」が投影されてるんじゃないかなあ、と思います。だってBLに出てくる女性キャラってノーマルでも大体かっこいいですもの。それをビアンにすることで、ゲイである主人公達により近い存在にするということかなあ、と。
ちなみに私はBLに出てくるビアンというと、鳥人ヒロミの「成層圏の灯火」を思い出します(笑)こちらのビアンのアッコさんは自分もバイの彼女との恋愛に振り回されていて、ただ単に都合の良いビアンキャラじゃないのが良い感じです。

編集 | 返信 | 
2008.05.07
Wed
12:27

月読 #-

URL

いやあ~今回もおもしろい記事ですねえ~♪
うふふ♪
「ビアン」の件ですが、え~と、作者のこうありたい願望もアリなんじゃないですかね~?
ゲイの方でもいろんなタイプがあるようにビアンだってそうなはず。
美しくさっぱりしてて頭がよく、ゲイの理解者であり、なおかつゲイの世界には手を出さない。
そんなビアンばかりじゃないでしょうに。
そんなのワタシだってなりたいわ(爆)
腐女子であれば、誰でも一度は考える「ゲイ友」が欲しいという感情。
けれど、現実ではゲイの人は「腐女子」のトモダチはいらんわなあ~と。「トモダチ」は必要だと思うだろうけれど。
そうなると小説の中に出てくるテンプレビアンになっちゃうんじゃないのかしらん?
と意地悪く考えている昼下がりの月読でございます。(^^;)

編集 | 返信 | 
2008.05.07
Wed
22:20

lucinda #-

URL

>miriam先輩
「理解者としての自分」が投影されてる……なるほどね! うーん、納得。「成層圏の灯火」、ますます読まなくては……!

>月読さん
作者のこうありたい願望もアリ……たしかに。単に読者に嫌われないだけでなく、自分が憧れる存在、てことですよね。ありだと思うなぁ。……やっぱり同性だから、いろいろ、しかもどれも説得力ある解釈だなぁ…と思います。

>けれど、現実ではゲイの人は「腐女子」のトモダチはいらんわなあ~と。「トモダチ」は必要だと思うだろうけれど。
そうなると小説の中に出てくるテンプレビアンになっちゃうんじゃないのかしらん?

あはは。ゲイって、いろいろなイメージがありますもんね。ステキなイメージもあります。センスいいとかね。それに比べて、ビアンってあんまりないよなぁ……って、わたしが知らないだけかもしれないですけど。
実際は、同じ同性愛者とはいえ、ゲイとビアンは必ずしも身近とは限らないみたいですけどね。いろいろ複雑です……。

編集 | 返信 | 
2011.03.17
Thu
00:46

lucinda #-

URL

拍手コメントRES

>03/02 10:34 Kさま

拍手コメント、たくさんありがとうございます!

なんかこの特集の頃は元気だったんだなぁ、わたし…と遠い目をして思ってしまいました(苦笑)。でも、同じ作品でも、今読み返すと、また違ったことを思うかもしれませんね。
Kさんのお役に立てられるならうれしいです。
またいらしてください~!

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