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先月の作家買い 5

 26,2008 22:54
2ヵ月ぶりの「先月の作家買い」。3月に買ったものは次の通り。

■いつき朔夜「ウミノツキ」
■秀 香穂里「3シェイク」
■砂原糖子「シンプル・イメージ」
■新田祐克「春を抱いていた 13」
■萩野シロ「挨まみれの甘いキス甘いからだ」

うーん、手堅い感じだなぁ……。新田祐克さんと萩野シロさんの作品は、後日別タイトルでレビューをアップする予定なので除外するとして、残り3作の中でもっとも印象深かったのは、いつき朔夜さんの「ウミノツキ」かな。

ウミノツキ (新書館ディアプラス文庫 183)ウミノツキ (新書館ディアプラス文庫 183)
いつき 朔夜

新書館 2008-03-10
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(あらすじより)本当のおまえが知りたい。その夜明けのような瞳が、何を見つめているのかを――。玄界灘で行われることになった復元船による航海実験。水軍の末裔として、プロジェクトに加わった大学生の海士は、そこで出会ったタイからの留学生アレンに惹かれる。カラダから始まった二人の関係に、海士は夢中になっていった。だが改めて好きだと伝えた時、アレンに拒絶されてしまい…?

いつき朔夜さんが「巧い」作家さんなのはいうまでもないことで――それはあちこちのBLブログやサイトで評価されていることからもわかる通り――、読む前からものすごく期待していたこの作品も、期待を裏切らないデキだった。

わたし、気がついたらいつきさんの作品はコンプしているのだけど、どの作品も、主要キャラだけでなく彼らをとりまくキャラ、そして状況がものすごく丁寧に書き込まれているなぁ……と改めて思った。それに「なぜそうなったのか」という動機付けも納得のいく形で収められているしね。エロさえあればオッケーでしょ的お気楽・お手軽作品とは、ハッキリ一線を画している。

科学では説明できない力、時に「迷信」とか「俗信」といわれてしまうそれを信じるアレン。だからこその海士へのアプローチは、ちょっと土俗的な巫女みたいだ。でもいつしか本当に海士へ惹かれしまい激しく葛藤してしまう。そんなことは知らない海士は、アレンに煽られ、振り回され、もう大変。アレンはゲイなんだろうかとか、誘っておきながらセックスは初めてみたいだとか、嫌われただろうかとか、あれこれ考えて想像し、戸惑う様子が、「若さ」というか「青くささ」というか、いかにも「大学生」なイメージでイイ。

海が舞台だからなのか、海士とアレンが大学生のせいなのか、全体的になんだか「青春」という言葉を連想させる。書き下ろしの「アオスワイ」なんて、読んだ後、ちょっと三島由紀夫の「潮騒」を思い出してしまったもんね。ストーリーが似ているわけではないんだけど、やっぱりあの雰囲気が、どこか共通しているのかなぁ……。

先日読んだ、小倉弁もシブい「午前五時のシンデレラ」もそうだけど、この作品も舞台が北九州のせいか、読みながらどことなく知っている風景がイメージできるような気がして、ちょっとノスタルジック。そんなイメージを抱かせられるのも、いつきさんの実力の証じゃないかなぁ……。


あとの2作は折りたたみます。
3シェイク (ラヴァーズ文庫 53)3シェイク (ラヴァーズ文庫 53)
秀 香穂里 奈良 千春

竹書房 2008-03-25
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秀香穂里さん念願の(?)3P。すごいと思ったのは、「3人」である必然性というか整合性というかが、読んでいて納得できたこと。「別に3人じゃなくてもいいんじゃない?」と、妙に冷めたりしなかったといいましょうか。

それはよい意味で、キャラたちの心理に深く突っ込みすぎていないということかもしれない……と思う。突っ込みすぎると、きっとキャラたちが三角関係に悶々と悩むアンニュイなおフランス映画みたいになるんじゃないかなぁ……恐らく。それが悪いとはいわないけど、個人的にそういうアンニュイさは、読んでいて(見ていて)「……アホくさ……」と思うことが往々にしてあるので、軽快に進んでいくこの作品は、非常にナイス! なのだった。うーん、ネアカな秀作品ならではだ。

しかし岡崎、魔性の男ですな。「運命の男」ですな。彼の気持ちは、どうも幸村の方に若干傾きがちにも見えるけど、佐野がいないと物足りなさを感じてしまうあたりが罪深い。あ、わたしも、老獪な佐野よりは、ワイルドな幸村の方が好きかな。

続編は、あれば読みたいけれど、なければなしでいいや……と感じた作品。それよりは、「挑発の15秒」の保坂、風間、瑛での3P、書いてくださいませんかね、秀センセイ……(スレスレな感じは、同人誌で出てるんだけどね)。


シンプル・イメージ (幻冬舎ルチル文庫 す 1-6)シンプル・イメージ (幻冬舎ルチル文庫 す 1-6)
砂原 糖子

幻冬舎コミックス 2008-03-17
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砂原糖子さんデビュー作+商業誌未発表作のこの作品。悪くはないけど……物足りない。失恋し、仕事を辞めて海辺の町で暮らし始めた浅名と、彼を慕う永倉の関係が、いいんだけど淡々としすぎ――と感じたからかも。淡々、好きなんだけど、いきすぎると「だからどうした?」になりかねない。

まあ、ある意味、典型的なBL作品だと思うのだ。見た目麗しい男同士が、さして葛藤もなくつきあっていくというあたりが。それでもこの作品が嫌いじゃないのは、浅名の仕事風景がしっかり織り込まれていて、そこが妙にリアルに感じられたからかもしれない。砂原さん、広告業界のご経験があるのかもねぇ……。

この作品にも海辺の描写がふんだんに盛り込んであって、ちょっと海を見に出かけたくなる。個人的感覚だけど、この作品の海は、湘南とか伊豆とか、太平洋側をイメージさせられた。「ウミノツキ」は明らかに日本海が舞台だけど――読んでいて、そんなイメージを抱かせられるって、ちょっとスゴイんじゃないかな。
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Tags: いつき朔夜 秀香穂里 砂原糖子 佐々木久美子 奈良千春 円陣闇丸 作家買い

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