やっぱりオタクもいた

 13,2008 23:46
昨日の取引先も含めた飲み会でのこと。

取引先の担当者Uさん(40代前半・男性)と席が隣り合わせ、ポツポツと仕事の話をしていたのだけれど、なんだか内容が塩辛く――というのも、Uさんはうちから仕事を依頼している、いわばアウトソーシング先。理想としては仲良く協力しあって仕事をしていきたいのだけど、現実はお互いの利益や思惑が絡み合って、なかなか思うようにはいかない。わたしはUさんとは初対面だったけど、前任者の引継ぎであれこれ耳打ちされていたので、ちょっとどこかUさんに対して構えていたし、どうやらUさんも、わたしの様子を窺っている様子。うー、肩が凝るわ……。

しかし、このままでは腹の探り合いで消耗して終わってしまう。それもなんだかなぁ……親睦を深める会じゃなかったんかい、これ……と感じたわたしは、中座したUさんが戻った時、おもむろに「Uさん、何かご趣味はあるんですか?」と聞いてみた。

そのとたん、Uさんの目が微かに光った、ような気がしたのはわたしだけだったのかしら――。

「ボクは、まあ、いろいろ好きなものはありますけどね。バイクとか音楽とか。あ、バンドやってるんで」
「バンド? あら、ジャンルは何なんですか? パートは?」
「ま、ロックですね。パートは、キーボードなんですけど」
「キーボード?……って、もしかしてプログレとか……?」
「ええ、ま、そうです。プログレっすね」

――プログレ好きで、バンド活動もやっている――におう。なんかすごくにおうわ。わたしの周りでプログレ好きって、なんかオタクっぽい人が多いのよね。音楽でもこだわりがあるんだけど、音楽以外にも激しく好きなものがある確率が高い気がする。あくまでもわたしの周りだけど、でも……次の一言に、わたしは笑い出しそうになった。

「あ、それとボク、マンガが好きなんですよ。それも少女マンガ。ちょっと珍しがられるんですけどね」

――きた……40代男性で少女マンガ好き。それも自分で珍しいと自覚してる……――

「たしかに珍しいですよね。どんなマンガがお好きなんですか?」
「最初読んでた頃は、萩尾望都が好きでしたねぇ。竹宮恵子も読んでいたし、吉田秋生も好きかな」
「ああ、わたしも吉田秋生、好きですよ! でも、どうして少女マンガを読まれるようになったんですか? いつから?」
「読むようになったのは、中学に入ってからかなぁ…」
「誰かにすすめられたとか?」
「いや、ちょうどその頃ね、『ポーの一族』のラジオドラマをやってたんですよ。それを聴いて、めちゃくちゃ面白いじゃないかと思ってねぇ。すぐ本屋に行きましたねぇ。あの頃、男が少女マンガを買うって、かなり勇気がいったんですけど、読みたくて、買ってましたよ」

――自主的に好きになったのかぁ……しかもラジオドラマで。そこもなんだかマニアック。

「少女マンガに惹かれたところって、どんなところだったんですか?」
「やっぱり、少年マンガと全然違って、ものすごく内面が描かれてるでしょ? それにストーリーが複雑で面白いし」
「でも……萩尾望都とか竹宮恵子って、当時は少年愛が話題になったというか……。そういうのは抵抗がなかったんですか?」
「いや、萩尾望都はともかく、竹宮恵子の『風と木の詩』は確かに……。でも、『地球へ…』を読むと、こういうのも描くのかと思って、感心しましたね」
「へぇ……。わたしの男性の友人は、山岸涼子の絵が苦手だって人が何人かいるんですけど、Uさんは……」
「いやもう、山岸涼子、好きですねぇ!」

――ホントに少女マンガが好きなんですね、Uさん……。先日はボス2人が馬狂いの、オタクというよりはギャンブラー(規模はショボいけど)だということがわかったばかりだけど、そうだ、Uさんはギャンブル、するのかしら?

「ギャンブル? しません。ていうか、そこに使う金がもったいない! そんなとこに使う金があるなら、ボクはもっとほかに使いたいものがあるんですよ。バイクの部品とか、楽器とか、マンガとかね。いくら金があっても足りないんですから!」

力いっぱい、キッパリと否定したUさん。オタクだ。オタクの典型だ。新しい職場にも、やっぱりオタクはいた。そのことに、心のどこかで安心しながら――その安心は、つまり同類がいることの安心ってことなんだろうかと、ブツブツと自分に突っ込んだのだった。

Uさんとは、ちょっとは打ち解けてサクサク仕事を進めていけるかしら――
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Comment 3

2008.03.16
Sun
00:17

もと #4pDgvQA2

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プププ( *´艸`) なんか、すごい気になる人ですねぇ~。
私の周りで萩尾望都、竹宮恵子が読める人は、山岸涼子ももれなく読めてましたねぇ。というか、好きですよ。
更に言うと、木原敏江もいける場合が多いですね。
あの辺、私のくくりでは同じ感じですね。
そして、それのどれかひとつが好きという男子の友達は、その辺、イモヅルで読んでて、日出処天子とか、摩利と新吾も持ってたなぁ。(ついでに赤毛のアンの全巻も)
彼は全然隠してなかったな。私がオタクだったから平気で言ってただけなのかな?

少女マンガの絵で苦手なのって、私は一条ゆかりの絵が苦手って聞いた事ありますね。
そう言ってた男子も有閑倶楽部を無理やり貸したらハマってたから、食わず嫌いなだけで、読んでしまえば面白ければ何でもいいんでしょうね。
ま、でも、有閑倶楽部とかは、前出の少女マンガとはまた一線を画しますよね。
あの辺のマンガが好きという男性は、本当に少女マンガ好きと認めてもいいな。
BANANA FISH辺りで「少女マンガ読んでる、好きだ」という人は、ちょっと違うぞと思ってますww<なんか上から目線だな~(^^;

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2008.03.16
Sun
02:25

miriam #SFo5/nok

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やはり、
オタク=収集癖あり
ギャンブラー=収集癖なし
と言う公式が成り立つようですね!(笑)
ちなみに収集癖の中にも
収集好き=集めるだけ集めて放置(vivian先輩はこれ・笑)
収集家=集めた物を麗しく飾り立てる(男性のフィギュアヲタに多い)
という感じだと思います!

編集 | 返信 | 
2008.03.17
Mon
02:37

lucinda #-

URL

>もとさん
ほほう……萩尾望都、竹宮恵子が読める人は、山岸涼子ももれなく読める、と。木原敏江もいけちゃうと。メモメモ(笑)。

もう少女マンガが読める男子なら、絵が苦手とかなんとかいう課題も、読んでしまえばクリアなのかもしれないですね。BANANA FISH辺りで「少女マンガ読んでる、好きだ」という人は……っていうところ、わたしも激しく同意です。

>miriam先輩
先輩の仮説は、成り立つようですよ!今のところハズレなしです。あ、わたしのボス兼師匠(グラムロック好きでパチンコ狂い)は、ちょっと異色ですけど……。
収集好きと収集家かぁ……深いなぁ……。てか、そこに気付く先輩もさすがだなぁ…。

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