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もう馬に夢中 1

 20,2008 23:59
年明けから「駅伝萌え~ッ!」と、たびたび叫んでいるわたしだが、実はもう一つ、グッときているジャンルがある。

馬だ。

正しく言えば、馬関係。日本で馬関係といえば、思い浮かぶのが競馬。そして華やかなBLの世界が取り扱うのは、やっぱり華々しいJ●Aのレース。そう、BLには、競馬を取り扱っている作品がいくつかあるのだ。まったくBLとは、誠に多彩な職業を網羅しているものだのう……。

アラスカさんのブログで、馬・競馬モノといえば高尾理一さんだと知ってはいたのだが、「傲慢君主の専属契約」を読んで、

――たしかに、高尾さんの馬モノはいい!――

と実感。それからはもう、高尾さんの作品で馬・競馬が関係しているものを見つけるたびに買い、高尾さん以外の作家さんの馬モノも見つけ次第買い、はてはJ●Aのwebサイトをじっくり読む始末。もちろん競馬が絡まなくても、馬の牧場が舞台だとか、カウボーイが主役だとか、なんらかに「馬」が絡んでいれば、もう即買い。実に怒涛の勢いで、馬馬しい日々を送っているのだ。

そこで、舞台を日本の競馬界に限定して、馬モノ祭りを決定。かなりムダに長いです。※そして読み返して、あまりの長さにわたし自身がウンザリしてしまったため、記事を2つに分けました。

さて、高尾作品には競馬の世界そのものを扱っている作品がいくつかあるのだが、さすが馬好きな高尾さんだけあって、作品舞台として、競走馬の牧場やジョッキーを養成する競馬学校を設定したり、ジョッキーや牧場経営者、調教師、馬主などおよそ馬に関わりのあるキャラをこぞって登場させてもいる。高尾さんの競馬作品を読めば、競走馬の一生を取り巻く世界が想像できる、かも。

ではまず、競走馬を生み育てる牧場が登場するこの作品から。
ソウル・ドライブ (アクア文庫)ソウル・ドライブ (アクア文庫)
高尾 理一

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家業の牧場経営を発展させたいと、祖父の知人が所有するアメリカの牧場で勉強するため、恋人の真史を置いて単身渡米した亮。しかし帰国した亮を待ち受けていたのは、宝馬を手放した上、たった三頭の馬しか残されていないという実家の悲惨な現状だった。呆然とする亮の前に別れたはずの真史が現れ、牧場の窮状を救う代わり、亮の夢も自由もすべて売り渡せと迫り…。

登場する主な馬:ブルースティード、ブルーオーガスタ

馬主の息子×生産牧場の息子だけど、精神的には逆のような。

子どもの頃から一途に亮を思い続けている真史は、馬主の息子。ということは、超金持ちのボンボンなのだ。でもあまりに不器用で、しかも出来すぎの兄にコンプレックスを持っているため、自信を持てなくてちょっといじけている感じ。

実家の牧場経営を発展させたいという亮の夢をよく知っているくせに、亮の心変わりを恐れて亮の渡米に反対するし、帰国した亮を自分のもとに拘束する。そんな真史に反発しうんざりしながらも、やっぱり真史が好きで別れられない亮。「お互い好きなのにかみ合わない」状態がずっと続くのだが、ストーリーの終盤、ようやく亮が真史に歩み寄ってハッピーエンドとなる。でも亮が真史に歩み寄れたのには、亡くなった祖父が期待をかけていたブルースティードが大穴で買ち、借金も完済できて心に余裕が生まれのも関係あるんじゃないの?……と、意地悪く思ってみたり。

舞台の一つに生産牧場があるものの、牧場の日々はあまり書かれていないのが残念。そして、亮の実家を救うブルースティードなど、馬の描写がわりと少なめなのも、ちょっと物足りない。その後、亮は馬を増やして牧場経営を発展させているのかしらねぇ……。傍らには真史がいることは、間違いなさそうだ。

競馬学校の、ジョッキーの卵同士の関係を描いたのはこの作品。
ご褒美はレースのあとで (角川ルビー文庫)ご褒美はレースのあとで (角川ルビー文庫)
高尾 理一

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高屋敷準と手嶋祥一郎は、競馬学校の同期生で、寮のルームメイトでもある恋人同士。容姿・実力ともにトップクラスの、騎手として将来を嘱望されている祥一郎に比べ、自分は騎手に向いていないのではないかと、準は悩みがち。ある日、実技の授業中に準は落馬してしまうのだが……。

登場する主な馬:ゴールドエンブレム

祥一郎×準。競馬のジョッキーに体重制限があることは知っていたけど、競馬学校入学時で体重43kg以下ってどうなの!? 最低年齢が中学卒業後の16歳としても、それでも43kgはなぁ……ましてや入学制限ギリギリの20歳でも、やっぱり上限は43kg――と、妙に体重制限にしみじみしてしまったのだった。ええ、ええ、最近、ウエストがキツくなったパンツがあって、愕然としたばかりですとも。

容姿はともかく、実力は同期生の群を抜いている祥一郎だけど、全国でもトップクラスの厩舎を構える調教師を父親に持つという、血筋(?)や縁故の面でも恵まれている。そう、競馬の世界って、馬だけじゃなくそこに関わる人間も、血筋が大きくモノをいうのだ。巨額の金が動く勝負の世界の厳しさと残酷さ、というところなんでしょうか……。ともかく、実力は言うに及ばず、競馬世界に血筋や縁故もない準がジリジリと不安を抱えて焦るのは、読んでいてよくわかる。

でも自分だってジョッキーになりたい。祥一郎のことは好きだけど負けたくない――落馬しても、祥一郎を慕う同期生にイヤミを言われても、歯を食いしばって頑張ろうとする準がいじらしくて、心の中で何度応援したことか。意地悪ですぐに準とヤリたがるけど、準のことを影に日向に支え励ます祥一郎もいいヤツだ。

この作品、競馬学校内の様子がしっかり描かれているのもいい。体重制限に悩んだり、トレーニングルームでトレーニングをしたり、レースのビデオを見て勉強したり。茨城の美浦と滋賀の栗東にトレーニングセンターがあり、そこで生徒たちは1年間厩舎実習をするということも初めて知った。馬好きな知人たちが「栗東で……」「美浦の……」といっていたのは、コレのことだったのね。

ところで馬のゴールドエンブレムは、競馬で事業を傾けた準の祖父の馬。準はゴールドエンブレムが走る姿を見て幼心にも感動し、騎手を目指すきっかけになった運命の馬だ。落馬で自信を失った準が再会した時には種牡馬になっていて、しかも気難しい性格ゆえ準に触らせない。そんな現実的なところに笑ってしまったのだった。

デビューしたジョッキーが主人公の作品は、”2”へ続きます。
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Tags: 馬ものBL 高尾理一 みささぎ楓季 葛井美鳥

Comment 2

2008.02.22
Fri
10:49

アラスカ #JalddpaA

URL

すごい馬狂いですね。
でも、馬モノって職業BLのなかでは面白いものが多いと思います。たぶん、競馬が好きな人しか書かないだろうから、作者の思い入れがその分、出るのでは?。

 >やっぱり上限は43kg
切ないですよね、この体重制限。こんな数字は25年以上、目にしてないような気がします。

 >借金も完済できて心に余裕が生まれのも関係あるんじゃないの
馬モノに限らず、高尾さんのキャラの特長は、お金に対して現実的である点だと私は思っています。庶民の受けなら人並みに、金持ちの攻めも結構ゼニに執着してたりするんですよ。

編集 | 返信 | 
2008.02.25
Mon
06:52

lucinda #-

URL

おかげさまで馬狂いです(笑)。
たしかに、BLの中で、馬モノは面白いですよね。そして、アラスカさんのおっしゃるとおり、競馬(馬)が好きだという作家のこだわりが、うまく出ているんだと思います。

>高尾さんのキャラの特長は、お金に対して現実的である点
鋭い!…おっしゃるとおりだと思います。それに、わりとキャラの家族が多めに登場して、現実的なことをあれこれ言っていることがちょこちょこある気がします。

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