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今月の表紙買い11/ビューティー&ゴースト、ウサギと狼の紳士協定、青鯉

lucinda

実は先月分の「今月の表紙買い」。でも、けっこういい収穫だったと思う。

ビューティー&ゴースト (シャレードパール文庫 ウ 1-1) (シャレードパール文庫 ウ 1-1)ビューティー&ゴースト (シャレードパール文庫 ウ 1-1) (シャレードパール文庫 ウ 1-1)
海野 幸 いさか 十五郎

二見書房 2007-11-16
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銀縁眼鏡に鋭利な美貌をもつ入社五年目の清司の趣味は怪談。大嫌いな、人当たりがよくて完璧に仕事もこなす新人・坂木康太の唯一の弱点が「おばけ」だと知った清司は、無理やり怪談を話しまくり、前後不覚になるほど怯える彼の様子に、胸の高鳴りを覚える。だが、怖さのあまりパニックに陥った坂木にキスで口を塞がれて…。

タイトルのもじりはともかくとして、「ゴースト」の雰囲気を、ちょっとゴシックっぽく表している表紙に惹かれて購入。色使いのセンスがいい。

あらすじの「趣味は怪談」「弱点はおばけ」の文言に、うーん、これはアタリかハズレか、確率は半々な気がする……と思っていたのだけど……アタリ、だった。

やたらとプライドが高く、こんな人そばにいたらうっとおしいだろうなぁ…と思わせる受けの清司と、新人とは思えない仕事ぶりながらも、おばけを前にするとヘタレてしまう攻めの坂木、どちらもクッキリと性格が際立たせてあってブレがない感じ。それゆえ、時に清司は憎らしく、時にカワイイし、坂木は時に情けなく、時にいじらしい。また、清司視点のナレーション部分がけっこう理屈っぽくて、いかにも怪談が好きな清司に似つかわしい感じ。ちょっと京●堂シリーズを連想してしまった。

坂木が、怪談を話す清司をとめようと揉み合い、挙げ句にキスでしゃべるのをやめさせるシーンと、エッチの時に、ベッドサイドにあったローションを足で器用に手元に投げるシーンが印象的。でもいくら元サッカー選手だからって、そんな芸当は……捻りがあって面白いけども。

この作品は、もしかして海野幸さんの初めての書籍なのかしら。これからの作品もちょっと期待。

ウサギと狼の紳士協定 (オークラコミックス アクアコミックシリーズ) (オークラコミックス アクアコミックシリーズ)ウサギと狼の紳士協定 (オークラコミックス アクアコミックシリーズ) (オークラコミックス アクアコミックシリーズ)
青海 信濃

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兎川涼司(とがわりょうじ)は玩具メーカーの販売促進課の新入社員。同期入社の甲斐狼玲司(かいろうれいじ)とは、顔を合わせればケンカになる犬猿の仲。なのに、その甲斐狼と一緒に、着ぐるみでの街頭キャンペーンに出向くことになってしまった。仕事中いちいちイヤミを言ってくる甲斐狼にムカつきながらも、更衣室で見せつけられた甲斐狼の色香とそそる体に、欲望を抑えきれなくなってしまった兎川は……!?

街頭キャンペーンで着ぐるみは、それぞれ名前の通り、兎川が兎、甲斐狼が狼。ちなみに兎×狼。狼×兎でもいいけど、あえて逆なところに興味を惹かれたのだった。青海信濃さんは「男伊達シリーズ」のイラストで知ったのだけど、線の太いけっこう濃くて派手な絵柄に漂うほのかな色気がスキ。

兎×狼シリーズは短編の連作なのだが、一貫して、お調子者でガサツな兎川がクールな甲斐狼を振り回していて、微笑ましい。もう少しページ数があるといいのに…と思わなくもないけど。

このシリーズができたきっかけは、あとがきによると「着ぐるみでHしたら萌えるかも」という発想だったらしいけど、たしかに甲斐狼、着ぐるみを着た体の線が妙に色っぽいのだった。そりゃあ、兎川がドキドキしても仕方あるまいて…。あと、おまけマンガがカワイイ。赤ずきんに化けた兎川が、狼の甲斐狼を襲っちゃうのだ。

兎×狼シリーズのほかに収録されている作品は3作あるのだが、その中で「誘惑フレグランス」が好きだな。噛むだけでフェロモンが出まくる「モテガム」を開発している研究員の結良と企画部の美樹本が、ガムを試食してその気になって…というお話。結良の不器用で生マジメな雰囲気がいいのです。

全体的に、「明るく(お気楽)ハッピー」な雰囲気の一冊だけど、よく見ると、収録作品の受け攻めがそれぞれ、タイプが違う。例えば、「兎×狼シリーズ」は、お調子者攻め×クール受け、「誘惑…」は、生マジメ攻め×包容力のある受け、という感じで。――ステキだ。

青鯉 (SHY NOVELS (199))青鯉 (SHY NOVELS (199))
たけうち りうと 高階 佑

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ある日突然、自分の体臭が変わったことに気づいた、平凡な会社員・七瀬亮。川辺に住む老人から助言されて行ったプールで運命的な出逢いを果たす。それは、愛とか恋とか、そんな言葉では語りきれない出逢いだった――。宇宙を巡る奇蹟のロマンス。

これはもう、高階佑さんのイラストにコロリとやられたのだ。冬に発売されたというのに、春のような匂やかさ。タイトルの雰囲気にあっているよなぁ…。

とても不思議な雰囲気の作品で――BLではないとはいわないけど、どっちかというと、SFチックなファンタジーという印象。まず第一に、サラリーマン・七瀬亮が40歳近く、妻子(しかも娘は中学生)もある。妻とセックスしようとしたり、ケンカしたりする場面もあって、そのまま進めば、よくあるホームドラマみたいな雰囲気。BLとしてはかなり異色じゃなかろうか。

亮と、そしてプールで運命的な出会いをした21歳の匠は、ある周期で体臭が変わり、それこそ魚のように水を欲し、鱗が生える種族らしい。「ある周期」には、どうやら彗星が関わっているらしい。その周期はすなわち発情期で、そこで運命の相手に出会えれば幸せらしい。「らしい」ばっかりだけど、うーん、正直よくわからないのだ。かといって、読んでいて投げ出したくなるわけではなく、ちゃんとストーリーに引き込まれてしまう。

最後にヒステリックにケンカを売って出て行った亮の妻も、実は亮と同じナゾの種族で、しかもオス同士だったというオチに、ご都合主義っぽいと思いつつも笑ってしまった。

いやぁ…BLとしてはかなり異色だよなぁ…と思っていたら、初出は小説June(1998)だった。あー、これはJuneだよねぇ…と納得。

たけうち作品、読むのはこれで3作目なのだが、飄々とした老人がいつも登場していて、ストーリーをひきしめる。そして、その飄々さが、作品全体の雰囲気にもなっているようで、これ、わたしはけっこう気に入っている。

同時収録の「デリート」も、やさしいけれど決して相手を愛さない吸血鬼と、彼の気持ちを必死でつなぎとめようとする青年の焦りが描かれているのだけど、ちょっと哀しく切ない雰囲気なのに、ドロドロしていない。なんだかサラっとしているのだ。青年は、実は吸血鬼が求めていた天使でした――というオチゆえ、余計にサラサラしたイメージなのかもしれない。この作品も、BLっぽくない雰囲気満点だ。

ちょっと、70年代のヨーロッパのSF映画を見ているような感じかも。

今年は、たけうち作品を読んでいこうかと検討中。かなりたくさん発行されているので、コンプは難しいでしょうけどね。
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Comments 2

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fumi
たけうちりうとさん

はじめまして。
いつも楽しく拝見しております。
今年はたけうちさんの作品を・・・
ということですが

私は昨年こちらで紹介されていた
「こゆるぎシリーズ」に興味を惹かれ
それがきっかけで
どっぷり、たけうちさんの作品に
はまりこんでます。

その当のlucindaさんが
これから読まれる、ということに
少し意外な気持ちのわたくしです。

たけうちさんの作品は本屋さんで
見つけるのが難しくて
もっぱらネット買いになっていますが
がんぱってコンプリートしたいと
思っています。

それはさておき、lucindaさんの読了後の
感想を楽しみにしております。
それでは失礼を。



lucinda

コメントありがとうございます!
こゆるぎ探偵シリーズ、お読みになったんですね。いいですよねぇ、あの作品。
たけうち作品は興味がありつつも、集中して読む、ところまでいってなかったんです。なぜだかわからないんですが。
でも、これまで読んだ作品(こゆるぎ探偵シリーズ含め3作)がどれもアタリだったため、ちょっと本腰を入れようかと……遅いって…。
fumiさんオススメのたけうち作品も、よろしければ教えてくださいませ。
また遊びにいらしてくださいね。

  • 2008/01/16 (Wed) 22:26
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