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先月の作家買い2

 13,2007 19:54
いやぁ……買ったね……と、妙にしみじみとしてしまった先月の作家買い。改めて数えたら10冊が作家買い。しかも買い逃しているものもあるので、それを買っていたらどうなっていたのやら。好きな作家さんの本が集中して発売されるような気がするのは、わたしの気のせいですかね?

山田ユギ
■「開いてるドアから失礼しますよ」
■「最後のドアを閉めろ! 2」
■「ありえない二人」
榎田尤利
■「ダブル・トラップ Love&Trust EX.」
■「ラブ&トラスト」
■「アパルトマンの王子」
ヤマダサクラコ■「思い過ごしも恋の内」
よしながふみ■「きのう何食べた?」
タカツキノボル■「恋愛至難」
烏城あきら■「檻―おり―」

この中で印象的だったのは、榎田さんの「ダブル・トラップ Love&Trust EX.」。ありえないほどスマートな沓澤と核が、お互いの腹を読みながら間合いを詰めていくクールさときたら――。
ダブル・トラップ Love&Trust EX. (SHY NOVELS 197)ダブル・トラップ Love&Trust EX. (SHY NOVELS 197)
榎田 尤利 石原 理

大洋図書 2007-11-09
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こんなとこに、人魚がいやがる――若くして誠龍会幹部になった沓澤亮治は、ある日、ホテルのプールで、色香と禁欲を併せ持つ美しい男、坂東核に出会う。誠龍会内部の問題を抱えていた沓澤は、問題解決のため、核を手に入れるため、核と天の兄弟の経営する『坂東速配』を利用することに。しかし、核を知るに連れ沓澤は本気で惹かれるようになる。

「ラブ&トラスト」、実はシリーズの2作目と3作目は持っていたのだけど、1作目がずっと品切れになっていた。どこかで手に入らないかなぁ…と思っていたところへ、新作発売と1作目増刷。もちろん、1作目も迷わず買ったのは言うまでもない。
ラブ&トラスト (SHYノベルズ)ラブ&トラスト (SHYノベルズ)
榎田 尤利

大洋図書 2002-05
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「愛と信頼はワンセット」。書類から盗品まがいのものまで何でも運ぶ美形の運び屋兄弟、天と核が経営する「坂東速配」にある日、厄介な依頼が! 預かったのはなんと生きている子供だった!? 素直で優しい天の幼なじみ・正文に、核に固執する大物ヤクザ・沓澤を巻き込み、スキンシップ過剰、愛情過剰の坂東兄弟、天と核が夜の街で大暴れ!

核は頭脳明晰でいつも冷静、そしてセックスは奔放。ちなみにゲイ。沓澤とはただ寝るだけでなく、情報を提供しあったりしてフィフティフィフティの関係。天は抜群の運動神経を持ち、腕っぷしもかなりのもの。ドーナツ好きで、兄にだけ心を開いている。核と天のスキンシップは、一瞬「近親相姦…?」と思うほど過激で――抱き合うどころか、キスはするし一緒に風呂に入るし、一緒に寝たりもするほど(ただ寝るだけだけど)。ところがある日、天は、自分がよくいじめていた幼なじみの正文に再会し、そのやさしさに惹かれていくようになる。そう、天も好きになったのは男の正文で――ま、BL的お約束だとはいえ、ゲイの兄弟だったのね……と、妙な感慨を抱いてしまうのだった。

シリーズの中で兄弟それぞれの恋愛が描かれているものの、核と沓澤のなれそめは描かれていなかったのだが、今回の新作では、それが明らかにされたのがポイント。

出会いの時から、相手の気持ちや考えを読みあう、ちょっと緊張感漂う関係だったのか…と感心する一方、それでこそ核と沓澤らしいと納得してしまう。でも、シリーズ3作目の「100ラブレターズ」の後日談「完璧なる休暇」では、核がとうとう、沓澤を「恋人」として受け入れる。クールでスキのない核が、自分の弱さと恐怖心を曝け出す様子は、やっぱりシリーズの、というか、沓澤×核のクライマックスだと思うなぁ……。これが取ってつけたような展開ではないところが、さすがなのだった。

あ、沓澤、外見はもちろん、金はあるし、センスはいいし、とことん尽くすし、もうBL攻め様の典型的ヤクザだ。そして沓澤の側近・杣さんの「自分に休日は向いてません」という不器用なセリフに思わず笑ったのだった。いいなぁ、杣さん――。

「ダブル・トラップ Love&Trust EX.」と同じくらい印象的だったのが、山田ユギさんのドア・シリーズ。
開いているドアから失礼しますよ (ビーボーイコミックス)開いているドアから失礼しますよ (ビーボーイコミックス)
山田 ユギ

リブレ出版 2007-11-01
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本田正一は、税務署に勤めるお堅い青年。ある日仕事の最中に、失踪していた真ん中の弟・俊二と再会する。正一と俊二は10年前、たった一度だけ抱き合った。そしてその直後に俊二は、正一のために家を出たのだが…。

最後のドアを閉めろ! 2 (2) (ビーボーイコミックス)最後のドアを閉めろ! 2 (2) (ビーボーイコミックス)
山田 ユギ

リブレ出版 2007-11-01
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意外に嫉妬深い本田のせいか、優柔不断な永井のせいか、2人の毎日にはケンカが絶えない。そこへ斉藤が、永井に自分の気持ちを打ち明けてきて……。

ユギさんの代表作ともいわれるこのシリーズ、今回読みきって、ユギさんのストーリーテラーとしての巧みさに、改めて感じ入ってしまった。とにかく展開のテンポがいい。ちょっとコミカルに茶化したりしても、底が浅くない。相手の気持ちに対する不安や疑問、ときめきが、しっかり盛り込まれている。

「開いてる…」は、兄弟モノ!?と思わせながら、実はイトコ同士だったのだが――クソ真面目な長男・正一のぐるぐるしている感じがとてもカワイイ。これは妙に余裕がありそうな次男・俊二でなければ受け止められないでしょう。そして「最後の…」の永井、斉藤が可愛いといって本田(本田家三男。正一の2番目の弟)をヤキモキさせるも、いざ斉藤に迫られたら、きっぱりと本田への思いを打ち明ける。やっぱり本田が好きなのね……と、読んでいてホロリとしてしまった。

本田が、野球の試合の合間に、陸橋にいた永井と斉藤を見つけて駆けつけるシーンが、恋をしている男、って感じで、個人的に好き。本田と永井、どっちも大人気ないところがカワイイのだ。

コマにちょくちょく書かれている手書きのセリフや突っ込みも楽しい。このシリーズ、堂々の完結だけど、完結したことが、すんなり納得できる。そりゃ続編とか番外編とか出れば読みたいけど、別に出なくても、これで完成したんだな……と思える仕上がりだと思う。

そのほかの作品については折りたたみます。
ありえない二人 (バンブー・コミックス 麗人セレクション)ありえない二人 (バンブー・コミックス 麗人セレクション)
山田 ユギ

竹書房 2007-11-07
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短編集。リブレのドアシリーズと同時発売ということで、出版社の垣根を越えて、連動企画やハガキプレゼントが実施されていた。ハガキは1枚しかゲットしてないけど…ま、それはともかく、わたしのお気に入りは、やっぱり「ああ爆弾」。毛ガニコーチ、もとい毛深いスポーツクラブインストラクターの高橋の妄想っぷりに大笑いしました。いいなぁ…高橋……。はっ、なんか「SENSEITO」の高橋も妄想癖があるし、この共通性はなに!? あと、連動企画に登場した、「夢が叶う12月」「誰がお前を好きだと言った」に登場したママが幸せになった様子が、嬉しかった。カバー裏の企画は恒例?

思い過ごしも恋の内 (花音コミックス)思い過ごしも恋の内 (花音コミックス)
ヤマダ サクラコ

芳文社 2007-10-29
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ヤマダサクラコさん、3年ぶりの新作。ノンケの男を好きになったゲイの日野の葛藤が、なんだかちょこっと真に迫るような気がする。日野のことが好きだったちょっとイタいコ・秋生がカワイイ。「MORE PAIN」、SM的関係を、Mの側からアプローチして展開されているのが新鮮。

檻-おり- (キャラ文庫 う 1-3)檻-おり- (キャラ文庫 う 1-3)
烏城 あきら 今 市子

徳間書店 2007-11-27
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HPもクローズされ、あああ、この先どうなるんだろう……と心配していたのだが、新作が発売されて心底ホッとした烏城あきらさん。しかしこの作品、これまでの「働く男の働くシーンもりだくさん」な作風とはガラリと変わって、かなり、いや超耽美。あとがきでも描かれていたように、「外からはどれほど醜く歪んでいても、内部は丸く平穏に収まっている」感が漂う、宗司と稔の関係。烏城さんの新境地開拓かもしれない。雰囲気にぴったりの今市子さんのイラストも良し。

アパルトマンの王子 (キャラ文庫 (え1-4))アパルトマンの王子 (キャラ文庫 (え1-4))
榎田 尤利 緋色 れーいち

徳間書店 2007-11-27
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「藤井沢商店街シリーズ」第4作。今回は、不動産業界の大企業の御曹司・世羅×商店街のつぶれそうな不動産屋の跡継ぎ・優一。優一には、なんと4人の弟妹がいて、父親は既に亡く、母親は入院中という、長男の重責に押しつぶされそうな状況。けなげに頑張る優一だけど、時には何もかもイヤになって泣きたくなることもある――そんな気持ちが伝わって、ジーンとしてしまった。とはいえ、優一が家族を切り捨てられないところは、けっこう現実的なんじゃなかろうか。世羅の兄・世那は憎々しいけど、その息子・当真7歳が、父を庇い、そして優一を弁護する姿がいじらしい。それにしても、藤井沢商店街、ゲイ率高めだなぁ……。

恋愛至難! 通常版 (Dariaコミックス)恋愛至難! 通常版 (Dariaコミックス)
タカツキ ノボル

フロンティアワークス 2007-11
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タカツキノボルさん初コミックス。美しい絵がとても好きなんだけど、ストーリーは……お気楽ハッピーなBLストーリーという感じなのだけど、もうちょっと深く突っ込んでほしかった感じ。ページ数の制約も大きかったのかな。でもこれからに期待。

きのう何食べた? 1 (1) (モーニングKC)きのう何食べた? 1 (1) (モーニングKC)
よしなが ふみ

講談社 2007-11-22
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よしながふみさんの非BL作品。だけれども、主人公はゲイのカップル。でもエロなし。二人の日常生活が、日々の食事を通して淡々と描かれる。
でも――でもね。世間のゲイに対する無神経な発言が、そこここに散りばめられていて、そういうところによしながさんの野心を感じるのだ。超個人的にですけど。たとえば、スイカがきっかけで知り合った佳代子さんの夫が、「さぞかしご苦労なことも多かったでしょうな…」と言うと、娘が「そんな優しいこと言ったら、この人お父さんのこと好きになっちゃう!」と言ったり――シロさんのお母さんが「自分が同性愛者だって事職場の方たちにはきちんと『カミングアウト』したんでしょうね!?」と言ったり――シロさんのお父さんが、「どんな女だったら大丈夫なんだ?お前は」と言ったり――そんな一言一言は、決して悪意から発せられているわけではないのだけど、ゲイであるシロさんを凹ませる。こういうことって、メジャーな雑誌に掲載されている作品では表現されなかったことなんじゃないかな、と思うのだ。

もちろん、作品中の料理はどれも美味しそうで、どれも試してみたくなるとも。これからも、ずっとこんな風に淡々としているのかもしれないけど、もっと読みたい。アメリカの調査だけど、職場ではビアンよりもゲイの方が差別を受けやすいという結果が出たらしい。日本ではどうだかわからないけど、「モーニング」は青年誌。「モーニング」を読んでいる男性に、この作品を好きな人が増えればいいなぁと思うのだった。
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Tags: 榎田尤利 石原理 山田ユギ ヤマダサクラコ 烏城あきら 今市子 緋色れーいち タカツキノボル よしながふみ 作家買い

Comment 2

2007.12.15
Sat
03:12

多香子 #IaTY7YzE

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うわ。ヤマダサクラコさんの新刊が出ていたのですね! 可及的速やかに購入しようと思いました。いつもそうですが、lucindaさんのレヴューを読むと、読書欲がそそられますっ

編集 | 返信 | 
2007.12.15
Sat
12:21

lucinda #-

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ぜひぜひ、可及的速やかなご購入を!・笑。
最近、レビュー特訓中なので、そのお言葉、とても嬉しいです。ありがとうございます!

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