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箱の中(木原音瀬)

 30,2006 23:37
箱の中箱の中
木原 音瀬 草間 さかえ

蒼竜社 2006-03-23
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刑務所が舞台ということで、殺伐とした雰囲気の作品なのかと思っていた。

たしかに、刑務所内の情景描写は殺伐としていて、おまけに主人公の堂野が冤罪で投獄されている設定なので、しばしばやりきれない気持ちに襲われる。でもだからこそ、喜多川の不器用ながらもまっすぐな思いが際立つ感じがする。頭を撫でてもらいたがったり、「ありがとう」と言われたがったり、膝枕をさせてもらいたがったり―――喜多川の過去を知ると、もうもう、胸に迫るどころじゃありません。

堂野は、喜多川のことを思い(とはいえ、恋愛感情ではないのだが)、喜多川の出所を出迎えようとしていたのに、どうしても身体が動かない。その終わり方が……ビター。

同時収録の「脆弱な詐欺師」は、出所後に必死に堂野を探す喜多川の話だけど、喜多川の一途さが、これまた胸苦しいのだった。そして、喜多川をとりまく小悪人の大江や、ムショ仲間の芝との絡みが、「ストーリーを読みたいんだけど読むのが怖いような」気持ちにさせられる。この作品の終わりも、本編に負けず劣らずビター。人生は、苦いものよ。

★★★★★
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Tags: 木原音瀬 草間さかえ

Comment 2

2006.07.31
Mon
00:01

乱菊 #pMXl.iIs

URL

わーー。lucindaさんも木原音瀬読みましたか~!
いま一番大好きな作家さんです。
「箱の中」は私も記事に書こう書こうと思っていたところです。
というか、木原さんの作品は全部書くつもりでいるくらい好きです。
できれば続編の「檻の外」も読んでみてください。
BL小説で泣きそうになったのは初めてでしたよ。
けっこうガツンときます。
ガツンときすぎて、しばらく感想を書くのを先延ばしにしていたくらいなので。

読み終わって・・・あれだけ強烈に求められるのなら、性別なんてどうだっていいじゃないかという気持ちになりました。
逆に羨ましい。
続編の方が胸にグサグサきますが、結果的にはハッピーエンドなのかな。
また感想きかせてください。

編集 | 返信 | 
2006.07.31
Mon
01:00

lucinda #-

URL

>乱菊さま

乱菊さんも木原音瀬、お好きなんですね!
いいですよねー!!
実は「檻の外」、すでに読みました。もう胸がいっぱいになりましたよ。
感想を先延ばしにしたくなるの、わかります。気持ちがいっぱいになって、どう書いたらいいか、わからなくなるんですよね。

木原音瀬は、コンプリしようかと思っているくらいです。乱菊さんの感想もぜひうかがいたいので、アップ、楽しみにしております!

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