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導入は似ていても…/「王様は美男がお好き」「艶めく指先」

 25,2007 19:11
鳩村衣杏さんの「王様は美男がお好き」。玩具メーカーを舞台にした、デザイナー×営業マンの話。

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憧れの玩具メーカーに転職した各務真琴は、初出社の朝、「身体、見せてもらえませんか?」と突然男に迫られる。思わず男を殴って逃げた真琴だったが、その男は会社の模型部のデザイナーで、プラモの世界においては「王様」と呼ばれる天才・榎本太郎だった。「あなたのアウトラインは完璧だ」と妙な言動ながらも一途に愛を伝えてくる榎本を、なぜか邪険にできない真琴だったが…。


これを読みながら、なんかこれ、秀香穂里さんの「艶めく指先」を思い出させるところがちょこちょこあるなぁ…と思った。


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売れっ子アートディレクター・藤居に舞い込んだ大型企画──それは、老舗ゲーム会社が仕掛ける新型ゲーム機のパッケージデザイン。依頼主の美咲の、ストイックな美貌と理想の身体つきに一目惚れした藤居は、「身体に触らせてくれたら仕事を受ける」と条件を出す。単に骨格や肌触りを確かめたかっただけのはずだったのに、美咲の肌を触るうちに、藤居は欲望を感じてきて…。


どちらも、デザイン系の仕事をしている攻めが、「完璧なアウトライン」「理想の身体つき」などと受けの骨格や顔・体のバランスを絶賛するいう、ちょっと変わったアプローチでストーリーが始まる。気になって、どちらもざざっと読み返し、ちょっと下のように比較してみたのけど――。




★舞台★
■王様…老舗玩具メーカー。主力商品はプラモデル製品。


■指先…老舗ゲームメーカー。ハードもソフトも手がける。


★キャラクター・攻め★
■王様…プラモデルの設計を行う模型部の天才デザイナー・榎本太郎(26歳)。メガネを外し、前髪を切れば、恐らく今風のハンサムになると思われる。


■指先…業界注目のアートディレクター・藤居匠(33歳)。友人と事務所を構えている。大柄で黒髪の短髪。少し厚めの下くちびるが特徴で女性にモテる。


★キャラクター・受け★
■王様…販売事業部・各務真琴(27歳)。憧れの会社に転職したばかり。整った顔立ちをした美男。


■指先…総合開発部・美咲雪生(33歳)。ハードの開発を手がける。笑うと艶やかな美男。ゲイ。


★ストーリー展開★
■王様…人気マンガのグッズ商品化を中心に展開。各務の視点で進む(書き下ろしは榎本視点)。心に重大な傷を負った過去を抱えているのは榎本で、各務がその傷に少し触れたことでお互いの関係も急展開。最後はハッピーエンドに。ちなみに榎本も各務も、男とつきあうのは初めて。


■指先…新作家庭用ゲーム機のパッケージデザイン制作を軸に展開。藤居の視点で進む。重い過去を引きずっているのは美咲。美咲を好きになってしまった藤居が、傷つくことを恐れる頑なな美咲の気持ちを解して、ハッピーエンドに。美咲はゲイだが、藤居は男を好きになったのは、というか恋をしたのは初めて。


★作品の雰囲気★
■王様…榎本のヘンな人ぶりが際立ち、最終的にほのぼのテイスト。


■指先…藤居と美咲の関係が途中行き詰ったり、パッケージデザインが最終段階で波乱があるなど、わりとシリアスめ。





――導入部分こそ似ているけれど、当然のことながらストーリー展開はまったく異なり、最初に感じたほど両作品が似ているというわけではないと認識した。


攻めの職業も、どちらもデザイン系ではあるものの、こうしてみると、「王様」はプラモデルのデザイナーでアナログな雰囲気、「指先」はパッケージだけでなくCDや本など幅広いものを手がけていて、デジタルとはいえないまでも、アナログなイメージではない感じというか。


これも、鳩村さんと秀さん、それぞれの作風やカラーを表しているように思えて面白い。


あえていえば、受けの名前がどちらも男にしてはきれい目な感じなのが共通しているかな――キャラたちが美男とかハンサムなのはBL的お約束といえましょう。


そういえば、偶然にもどちらの作品にも、別作品がちらっと登場している。「王様」は、「人づきあいの勉強をしろ」と各務に言われた榎本が読んでいる本、とい設定で「絶対に負けない恋愛」が、「指先」は、新発売のゲーム機に対応したソフトの目玉、という設定で「くちびるに銀の弾丸」が登場しているのだが――多分、こういった細かい共通点が頭に残って、両作品がことさら似ているように思えたのかもしれない。


それにしても、デザイン系の仕事に携わる人といえば、「骨格がいい」とか「顔や体が好みのバランス」とか日常的に感じている人――というイメージなんだろうか。


まあ、確かにそういうことを思っていそうな人たちではあるけれど――でも、「いい骨格だ…」などと思ったものには触らずにはいられない――というのはむしろ、そうだと面白いなぁ…という著者の願望なのかしら。2人の作家が期せずして、キャラに似たような行動を取らせているということは、わりとありがちな「デザイナーに対するイメージ」なんだろうか。


鳩村さんも秀さんも、しっかり働く男たちが活躍する作品が多いけれど、この2人の作品をこうして簡単に比較できたのは、個人的にちょっと満足なのだった。いつか、勝手に祭りができるといいのだけども。

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Tags: 鳩村衣杏 秀香穂里 かすみ涼和 サクラサクヤ 2作品比較 複数レビュー

Comment - 2

2007.09.26
Wed
00:50

miriam #SFo5/nok

URL

職業イメージ

なんでだかBLってデザイナーとかシェフとか作家とか特殊技能の職業多い気がします。やはりイメージしやすい職業かつ魅力的な職業なんですかね~。
特に秀さんの作品ってアート系職業の働く男が多い気がします。ご本人が近い職業を経験されてるのかしら、と深読みしたくなってしまいます(笑)

編集 | 返信 | 
2007.09.26
Wed
13:42

lucinda #-

URL

秀さんは、たしかにわたしも、ご本人が映像や出版関係の仕事を経験されていたのかなと思うことがあります。作品中でキャラたちが作ったと紹介される作品も、けっこう凝ってて面白いし。
特殊技能の職業はイメージしやすいですもんね。そうはいいながらも、電気技師とかそういう堅実っぽいものがないのが、個人的に寂しい感じです…。

編集 | 返信 | 

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