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答えにくい質問

 22,2007 21:29
仕事が早めに片付きそうだったため、入院中のボスのお見舞いに行ったら、ボスの古い友人かつ同業者のUさんがいた。

「そろそろずっと寝ている生活に退屈してきたのよね。この前、lucindaがマンガを持ってきてくれたでしょう? そういう差し入れが嬉しいわ…」というボスの言葉を受け、vivian先輩オススメのルパンⅢ世(高口里純さん脚本のものだ!)などのマンガを持って行ったのだが、わたしが以前差し入れたマンガを持って帰ろうとしたら、「借りてもいい?」とUさんに尋ねられた。

ちなみに、わたしが差し入れたマンガは「暴れん坊本屋さん」全3巻。「BLではなく(重要)」「笑えるマンガで」「長さがほどほどのもの」という条件をすべて満たしているのは、手持ちのものではこの作品かなぁ…と。

幸い、ボスはマンガを堪能して下さったらしいのだが、不意に

「ねぇ、『暴れん坊…』を読んで思ったんだけど、lucindaはあれから、やおいに詳しくなったの?」

と質問してきた。

「詳しいって……。あれから、って、わたし、なんか言いましたっけ?」
「BL作品をこのごろ読んでるって言ってたじゃん、前に。だから聞いてみたの」

――そんなお気楽な発言をボスにしていたのだろうか、わたし……? 必死であれこれ遡って、ようやく思い出した。そうそう、昨年の3月ごろ、ネット掲載の二次創作作品やオリジナル作品を読みまくっていた頃のことだ。ボスはといえば、もともと大ファンだったデビッド・ボウイ関連のDVDを買いまくっていて、仕事の打ち合わせの後、グラム・ロックとそれが流行った背景についてや、セクシュアリティについて、あれこれ好き放題話したのだ。その時、「わたし、このごろボーイズラブを読んでるですけどー…」と、やおいやBLを持ち出したんだっけね――。

でもまさか、「ええ、もう、あれから大ハマリで、BL商業誌を毎週買っているばかりか、同人誌だって買ってます! なんでも聞いてください!」と、さもなんでも知っているかのようには啖呵はきれず、「いやー…」と言葉を濁していたら、Uさんが「え、なに、やおい? わたしも読んだことあるよ!」と言い出すじゃありませんか。

「え、Uさん、やおい…というか、BLも読んだことあるんですか?」
「あるよー。わたし、昔、C翼や聖矢にハマっててさー。その流れでやおいも読んでたの!」
「へぇー…。あ、ちなみに、C翼は好きなキャラはいたんですか?」
「ゴールキーパーの若林くんが好きだったわ」

Uさんはニコニコしながら答えてくれる。

「やおいって、エロなんでしょう? わたし、『暴れん坊…』を読んで一番笑ったのが、BL小説の帯のくだりだったんだけど(帯をつけたまま棚に並べると場所を取るので、帯をはずしたらモロ見えで外せなかった…というエピソード)、Uさんが読んだのはエロだったの?」

ボスが「興味津々!」という感じで尋ねたら、Uさんも身を乗り出して

「エロもあったけど、エロじゃないのもあるのよ。別に、エロばかりじゃないのよね、やおいって。エロがあってもなくても、ストーリー自体はさーっと読めてくだらないんだけどさ」

と答える。

「いや、『暴れん坊…』を読んで思い出したことがあってね。やおいは男同士のセックス描写があるけど、わたし、それは単にア○ルセックスをするんだと思っていたのね。でも最近、やおい穴ってものが設定されているんだと聞いて、ええっ!?…と思ったからさ。やおい本はどれも、その『やおい穴』が設定されているのか、聞きたかっただけなの」

ボスは大真面目な顔をしてそんなことを打ち明けた。

――やおい穴……。名前だけは知っているけど、わたしは、それが設定されている作品を読んだことがない。あるところにはあるんだと思う。だけど、こうしてインターネットが普及し、同性愛の情報も手に入れやすくなった現在、はたしてそんな超ファンタジーな設定、受け入れられるものなんだろうか……そんな疑問を、常々抱いていた――。

「わたしは『やおい穴』が設定されているものは読んだことないので、わかりませんけど……。でもやおいやBL作品のどれもが『やおい穴』を設定されているわけではないと思いますよ…?」

恐る恐る、ちょっと控えめにそう答えたら、ボスは、

「あ、そうなのね。わたしはそんなのありえないと思っていたからさ。なんかホッとしたわ」

ニッコリと微笑んだ。ええ、デビボやグラム・ロックや「ロッキー・ホラーショウ」が好きなボスなら、そんなスーパーファンタジー設定、納得できなかったかもしれませんよね。

「でも、『暴れん坊…』を読んで、BLのエロを改めて認識したわ」と話すボスに、冷や汗をかきまくりのわたし。……「暴れん坊本屋さん」には、たしかにBL作品に触れられるところがいくつかあるけど、ここまでボスが反応するとは思わなかった……。

「なに、『暴れん坊…』って、BLなの?」
とUさんが聞くと
「ううん、そうじゃないのよ。でも面白いわよ!」
とボスが答える。

「BLもエロっていうけど、エロといえばさー…レディコミもすごいじゃない? 一度、どんな内容なんだろうと思って買ったことがあるんだけど……なんかもう、ほんっとにつまんなくてさー。買う時にめちゃくちゃ恥ずかしかったのに、棄てるのも早かったのよね。だけど棄てる時も恥ずかしくて、表紙を破って、ほかのゴミの間に挟むようにして棄てたの」

Uさん、その気持ち、よくわかります。きっと男性も、エロ本の購入や処分については、同じじゃないかと――。でも、さっき、C翼や聖矢の同人誌を買っていたとおっしゃってましたよね? それも速攻廃棄だったんでしょうか?

「あ、そっちの方は、そうじゃないの。エロがあってもなくても、面白かったからさ」
「ということは、ちょっとハマってらっしゃったんでしょうか?」
「うん、ハマってた。ああ、懐かしいわー!」

――Uさん腐女子予備軍決定の瞬間を、この目で確かめた。そばで、興味深そうに聞いているボスも、もしかしたら……いや、かなりの確率で…――。

ま、ボスとUさんは、御年49歳なんですけどね。でも、萌えに年齢は関係ありませんから!
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Comment 6

2007.06.23
Sat
20:22

ぽーちゅらか #6Y5jgf3c

URL

うわぁー。何故にLucindaさんはそれほど恵まれた?環境にいらっしゃるのでしょうか。
腐女子以外の方とするには、かなり際どい会話ですよね。私も昔デビボの大ファンでした。彼自身がバイらしき言動が多かったので、今思えばその辺が惹かれた理由だったのかもしれません。ボスもUさんもかなりの確率で、いえ、実はもう既に・・・。
それにしても腐女子予備軍の就職率が高い業界ってあるのでしょうか。

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2007.06.24
Sun
00:22

lucinda #-

URL

ええ、かなりヘンな汗をかきながらの会話でした。病室は涼しかったのに…。
デビボ、バイっぽい発言や行動は狙ってたらしいとどこかで聞いたことがありますが、デビボだから、それも許す! って感じだったんだろうなぁと思います。ボスも、そういうところに惹かれていたみたいです(笑)。
多分、ボスはBL作品を見せても、それほど動じないと思いますが、ハマるかどうかは未知数かなぁ……と。いや、わたしからはあえて働きかけませんよ!?

腐女子予備軍の就職率が高い業界……ありますかね? まあ、わたしの仕事の業界は硬めではないので、そういう趣味を、比較的オープンにしやすいかもしれません。多分もう、硬派な業界では働けません…。

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2007.06.25
Mon
02:23

ヒトコ #hHr8eLEw

URL

やおい穴・・・リンク先読ませていただきました。本来そういう意味だったんですか。私はてっきり、そこを想定して書いているにしてはあまりにも簡単に事に至ってしまうお話におけるア○ルを指しているのだと思ってました。まさか別の・・・と思いもよらず、パソ通でこの言葉を目にして以来8年(位かな)ずっと勘違いしてました(^^;) 
今まで全然知らずにいたので、驚きのあまり変なところに反応してすみません・・・。

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2007.06.25
Mon
11:46

月読 #Yve4qmu6

URL

こにちは。

うふ。ボウイのお話ですか。うふふ。
その昔「JUNE」には、ボウイの記事が載っていない号はないっ!ちゅうくらいD・ボウイ祭りでありました。二次元でなく実際生きている耽美の象徴みたいでしたね。そしてまだまだ色気がある。怖いわ(笑)
49歳ということであれば、しっかりその下地のある世代。ジュリーこと沢田研二とかの一番美しい時を知ってらっしゃる世代ですものねえ。昭和元禄みたいな時代で青春をお過ごしになられたことでしょう。きっと、腐女子に抵抗はございませんでしょう★大変に良き環境でうらやましい♪

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2007.06.26
Tue
00:23

miriam #SFo5/nok

URL

人に歴史あり(笑)

ナイスカムアウト、ボスのお友達(笑)
そうですよね、JUNE界を引っ張っていたのはその世代の方々ですもの!(萩尾望都さんや吉田秋生さんもその世代だと思います)
まさに「人に歴史アリ」ですね。
しかしlucindaさんのボス、ナイスキャラクターだと思います(笑)

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2007.06.27
Wed
02:17

lucinda #-

URL

>ヒトコさん
>そこを想定して書いているにしてはあまりにも簡単に事に至ってしまうお話におけるア○ル

個人的には、この説に大賛成です。ホント、「そ、そんな簡単に…!?」って思いますもん。その上をいく「やおい穴」―ああ、腐女子って。

>月読さん
えーっ、Juneでデビボの記事がガンガン掲載されていたんですか……! まあ、彼のPVや映画を見ればそれもわからないでもないけど……でも、今の10代は知らないでしょうねぇ……もちろん、ジュリーも。感慨深いです。いえ、ボスがマジで、「60年代後半~の時代の動きをリアルに感じていた興奮はすごかった」と言った時は、一生敵わないと思いましたよ。わたしの世代は、その点、遅れた世代なので、羨ましい限りです、ほんと。
わたしは、ジュリー、好きでしたよ! 紅白やレコ大の楽しみは、かつてはジュリーでした。んー、トシだなぁ…。

>miriam先輩
>萩尾望都さんや吉田秋生さんもその世代

ええ、そうですよね。ボスをはじめ、60~70年代に青春を送った人たちの話を聞いたり読んだりすると、その時代が、いかに特異な時代だったかを思い知らされます。今も時代の動きは早いけど、あの頃のようなポジティブさは感じられるかどうか……。
ボスは不定期「女塾」を、わたしとvivian先輩に開講して下さる方です。今度いかがでしょう、女塾…?

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