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こっち側だから笑えるの

lucinda

友人chloeから超強力推薦されていた「暴れん坊本屋さん」。実際に本屋さんで働いている少女マンガ家・久世番子さんの、実録エッセイマンガなのだ。

暴れん坊本屋さん (1)暴れん坊本屋さん (1)
久世 番子

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わたしも15年くらい前、ちょこっとだけ書店でバイトしていたのだけど、まあせいぜい、スリップの整理とかラックの整理、レジ打ちぐらいしかしていなかった。シュリンクもやっていたかもなぁ…。もう1件の書店では事務担当だったので、毎日毎日、電卓を叩いていたし。

それでもこの作品を読むと、なんとなーく書店員さんの気持ちが想像できて、笑ってしまう。でも一番笑ったのは――コミック兼BLコーナー担当で自らも筋金入りの腐女子・ハチさんが絡むところ。BL文庫の過激な口絵は表紙カバーに挟んでレジへ――これ、けっこう知られているテクニックだけど、そんな小ワザが施されていないままレジに出された時、店員さんも内心、気疲れなさってるんですね……と微笑ましい。やっぱりレジへ持っていく時は、

――BL買いますけど、何か?

くらい、シレッとしていた方が、店員さんに余計な気を遣わせずに済むんじゃないでしょうか。

また、鬼畜系・マッチョ系BL作品の売れ行きがいいからと、そのジャンルを増加させたところ、「うわー、店員の趣味なんじゃない?(クスッ)」とお客さんの会話を聞き、ガックリうなだれるハチさんの様子がおかしい。ちなみに彼女が好きなのは「王子さまモノ」らしく、ひっそりと「王子さまフェア」をやったとか。「売れる本と売りたい本は別」というオチなんだけど、これ、何も書店に限らずどの販売業でも、いやいや販売業に限らず別の業種・職種でも当てはまるジレンマじゃないかと思う。

そうそう、ハチさんの持論「王子さまモノは、8割の確率でオークションシーンがあり、9割方受けが出品される」にも、爆笑しました。1巻では、作者の本が、平積みされているよしながふみさんの本の底上げに使われているという、ちょっぴり悲しいエピソードがあったけど(新書館つながりか…)、少なくともうちの近くの書店では、この「暴本」はぜーんぶ平積みされていた。うーん、早く2巻、3巻を読まなくては!

BL作品のことやオタクのことが書かれていて笑ったのは、よしながふみさんの「フラワー・オブ・ライフ」でも同じ。

フラワー・オブ・ライフ (1)フラワー・オブ・ライフ (1)
よしなが ふみ

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1巻最後の、真島の夏コミ参加の様子と、2巻で真島が、うまいマンガが描ける武田さんにBLを描かせようと力説するところ、お約束と思いながら、ニヤニヤしてしまったのだった。

とくに夏コミ参加の完全装備の様子は、もうまさに、先輩ズからレクチャーされた通り。たくさんの参加者の経験によって編み出された結果に、間違いはないのね。

オタクのことについては、あんまり日の目に当てずにそっとしておいてほしい…という意見はよく聞くし、テキトーなことを面白おかしく書かれているものを読むと、わたし自身も心底、放っといてくれないか…思う。でも上の2冊は、気持ちよく大笑いしてしまったのだ。本格的な論説じゃないということもあるかもしれないが、なんというか、作者自身がこっち側の人(=オタク。久世さんは、多分…)だし――という安心感もあるのかも。身に覚えのあるエピソードが、ほどよく自虐的かつ愛を持って描かれているのがポイントじゃないかしら。

もちろん、オタクの主張すべてに、納得できるわけでもないのは、わかっていますとも。
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Comments 3

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タッキー@名古屋

こんにちは!

今日の日記とても面白いですね^^

また、見に来ますね~♪

それでは応援ぽちっ♪

  • 2007/03/27 (Tue) 12:16
  • REPLY
もと

こっち側の人でも、オタクの描き方って「同属嫌悪」タイプと「仕方ないよね・・・(^^;」ってタイプとあると思うんですよね。
上の二つは、どちらも後者のように思います。
だからイヤミなく見れるんじゃないかな~。多分客観的に描けるんだと思うんですよ。
逆に同属嫌悪系は、実はまだ囚われてて、自分や周りを客観視出来ない状態で描かれてる、だから痛かったり辛かったり感じちゃうような気がするんですよね。
ところで、全くオタクを知らない人と言うのは、意外と反応薄いと言うか、「へえ、オタクなんだ? それって何?」レベルで、特に嫌悪する事ないんですよ。
実は一番そういうのを嫌悪するのは、少しだけ知ってる人なんですよね。
よく知りもしないのに、情報だけで知ってるつもりの人。(一番多いんだこれが。)
そういう人に何度も痛い目に会いました(^^;

lucinda

そうそうそうそう、そういうことを言いたかったのでした! もとさんありがとうございます。
客観的かつ冷静な視点は、ものすごく重要なポイントですよね。
同属嫌悪はちょっとだけ知ってる人……なるほど。深いです。

  • 2007/03/27 (Tue) 18:05
  • REPLY