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今月の表紙買い3/可愛いひと、弟の親友、君の顔に射す影

 12,2007 12:25
今月…というか先月、中古店でお買い物することが多くて、わりと気安く、いろいろ買ってしまった。お値段が安いと、お買い物も弾みますね。それはさておき、とくに印象的だったものをピックアップしてみた。

ビーボーイコミックスビーボーイコミックス
紺野 けい子

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全2巻。篠田は片思いしているバスケ部の後輩・池内に、ある日、遊び慣れた風を装って誘う。本当はエッチの経験などない篠田の懸命な姿に、池内も夢中になっていく。

なんて花が、男子高校生に似合ってるんだ――と思って購入。アマゾン、なんでタイトルが「ビーボーイコミックス」なんだろう…。本当のタイトルは「可愛いひと」ですよ!

さて、篠田センパイは、本当に可愛い人。初めてなのに慣れたように、あけすけに誘う姿も可愛いのだけど、女の子とつきあっていた池内に、自分が男であることに引け目を感じたり、自分の気持ちを素直に打ち明けたり、それはもう、池内だってたまらないでしょうよ、という感じ。しかもただ可愛いだけでなく、同級生の皆川に迫られても、啖呵を切ってキッパリと断る潔さも持ち合わせていて、池内に、「”純情”と”世間知らず”も、似ているようでだいぶ違う」と思わしめる。

じつは池内もけっこうかわいらしいところがあって、2巻では、BL雑誌を読んで、2人の関係を盛り上げようとがんばる姿が、おかしい…。まあ、篠田に、「ふつうにして」と止められるのだけど。

紺野けい子さんの絵が、またホントにキャラたちの「可愛さ」を際立たせている感じ。このフワフワした感じというか、髪の毛をクシャクシャにしたくなるようなタッチというか、もう! 作品全体に可愛さが溢れてはいるけど、キャピキャピした感じではないのがいい。

私が気になるのは、皆川と、彼と幼なじみでバスケ部のシンの関係。シンは皆川が好きなんだけど、皆川はほかの男ばかり追っかけて、傷ついたらシンに慰めてもらおうとする。2巻の最後あたりでは、もしかしたら……?と、今後の明るい展望を予感させるような終わり方だったけども。しかし、この学校、というかバスケ部、ゲイ率高めだよね?

弟の親友弟の親友
椎崎 夕 佐々 成美

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医療機器会社に勤める藤崎は、営業先の病院で、高校時代の後輩で弟の親友でもあった伏見に再会する。かつて、伏見が弟にふられた場面に居合わせたことのある藤崎は、伏見の逆鱗に触れて、無理矢理抱かれるようになる――。

一瞬、タイトルを見て「兄弟モノ…?」と思ったのだが、よくよく見るとそれは勘違い。早トチリには注意しましょう。ホッとしながら裏表紙のあらすじを読んで購入。

言ってしまえば、「すれ違う思い」モノなんだけど――しかしですね、あれこれ、さっさと確認していれば、そこまでねじれることはなかったんじゃないかと、激しく思う作品だった。ネタバレになってしまうけど、藤崎は、伏見が弟を好きだったのだと思い込み、伏見は、藤崎が自分の気持ちを知っていながら自分を翻弄していると思い込んでいる。ここの誤解が解けない限りは、何も解決しないな――というのが、作品を読んでいる途中からわかってくる。

作業療法士になったのも藤崎への思いからだというほど藤崎のことが好きなのに、毎日のように無理矢理藤崎を抱いてしまう伏見の、その行動も「うーむ…?」という感じだったし、そんな無体を強いられながら、「でも伏見は弟が好きだから……」と、あれこれ気を回す伏見もじれったい。まあ、結局、誤解は解けて、ハッピーにはなるんだけど、かなりイライラしてしまった。

唯一弟だけが、お互いの気持ちをきちんと把握していた感じ。「男同士なんて気持ち悪い!」とかいいながらも、兄と元親友を応援しているし、一番まともなキャラのような気がする。

君の顔に射す影    ビーボーイコミックス君の顔に射す影 ビーボーイコミックス
野火 ノビタ

ビブロス 2005-09-10
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クラスメートの加藤に、自分の気持ちを打ち明けた三和。しかしあくまでも親友として振舞おうとする加藤の態度に、三和は思い悩む。そこへ、加藤の友人で、三和が好きだという保科が現れるのだが…。

この表紙、色は明るくやんわりしているのに、みんな悲しそうな顔をしてるところに妙に惹かれてしまった。野火ノビタさんは、榎本ナリコ名義でも作品を発表されているけど、どちらにしても、けっこう切ないというか痛みを感じる作品を描く人――というイメージがあって、読んだことがなかった。

そして内容は――予想に違わず、大変切なかった。こちらも、ある意味すれ違いモノなのだけど、「すれ違い」の様子に説得力があるという感じ(ヘンな表現だけど)。三和は加藤にふられても思いきれない、保科はそんな三和を思いきれない、加藤は、本当は三和に惹かれているのに、その自分の気持ちを受け入れられない。

三和は加藤のことを思いながら保科に抱かれ、まさに慰めてもらっている状態。なんだかフランス映画の主人公みたいなヤツだ。

途中、加藤と保科、それぞれ体調を崩すのだけど、そのきっかけは、加藤が図書室で三和を犯したこと。加藤は三和を傷つけたと自分を責めるあまりに、聴覚や視覚が正常に機能しない引きこもりになり、保科は保科で、やはり三和を傷つけたという負い目から不能になる。どっちも気の毒だが、わたしは、保科がより気の毒というか、なんというか――だって、あれほど三和のことが好きだと言って尽くしても、三和は加藤を忘れてくれないし、加藤からは三和への気持ちをチラ見せされるんだもん。そんなに自分を責めるな、保科――と思ってしまう。

ひたすら愛される受け・三和は、最後は、自分の気持ちに従って加藤を選ぶ。きっと保科の方が大切にしてくれそうだけどなぁ…と思わないでもないけどねぇ…。

「人はみなかかわりあう相手に影をおとしあっている。その陰影がお互いのかたちを刻むのだ。はるかとおいふたりの背中にオレはオレの影をみた」という、保科のモノローグで、切なさの大締め。やっぱり保科はいいヤツだと思うのだった。
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Tags: 紺野けい子 椎崎夕 野火ノビタ 佐々成美 表紙買い

Comment 6

2007.03.12
Mon
19:56

乱菊 #pMXl.iIs

URL

野火さんは「デジモンアドベンチャー」(子供向けアニメ)のパロをずっと描かれていて、私はそこから入ってオリジナルはまだ未読なんですよねえ。
1月のイベントでもデジモンスペースでお見かけしたので、まだ描いてられるのかしら・・・。
とにかくこのアニメのどこをどうしたら、こんなに根暗になるねん!というほど、切ないです。
だからなんとなく彼女の作風はわかりますよー。
早く私も読んでみたいと思ってます。
繊細なタッチとかもすごい好みだし。

あ、でも・・・このお話は水原とほるさんの「初恋」に近い・・・?
>三和は加藤のことを思いながら保科に抱かれ
うわあ・・・多伎を思い出しまする(笑)
lucindaさん的には三和は許せるヤツですか?
ちょっと気になる。

編集 | 返信 | 
2007.03.12
Mon
23:36

lucinda #-

URL

レビューを書いていて、わたしも、乱菊さんの「初恋」のレビューを思い出していました!

多伎と三和……うーむ、そうですね……
ただ三和は、ひたすら加藤が好きで、保科のことは、いっそ気持ちいいくらいの利用の仕方なんですね。好きとはいうけど、「愛」じゃないのね、というのが、丸分かりというか…。

愛されまくる受けではあるけど、方向性にブレはない感じです。むしろ、三和に想われる加藤がちょっと、弱すぎというか、身勝手というか……。まあ、ともかく、「初恋」の多伎に比べれば、三和、ちょっと正座しなさいっ!な気持ちにはなりません。

野火ノビタさん、デジモンの二次創作されてるんですねぇ。知らなかった……。そして暗いのか(笑)。ああ、なんかでも、言われると想像できる感じです。読むのに気力がいる作家さんじゃないかなぁと思いましたです、はい。

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2007.03.13
Tue
02:17

miriam #SFo5/nok

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紺野さんの「可愛い人」、かわいくてエッチで良いですよね~。紺野マンガの中に出てくる男の子はゲイ率高いです。で、可愛いかったりイケメンだったりするのにちょっと根暗なのです。でもそこが可愛い(笑)

野比さんは…2次創作では私は幽●白書で存じ上げてます。野比さん(榎本さん)のお話は木原さんに近い気がします。なんかこう心が痛いと言うか切ないと言うか、素手で弱いところを掴まれる感じで。

椎崎さんは未読なので存じ上げないのですが、挿絵の佐々さんは大好きです。佐々さんも二次創作からなんですが…基本路線が2次創作ヲタなmiriamです…(笑)

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2007.03.13
Tue
03:09

lucinda #-

URL

基本路線が二次創作ヲタ…先輩はそうでなくちゃ!(笑)。いや、ひとつの憧れでもあります。好きだったあの作家さんがメジャーデビュー!!っていうの、本当にファンなのね…という感じがするじゃありませんか。

紺野さんの本、miriam先輩のレビューを読んで買い始めたんですよ! 「君の名はスター」も買っちゃいました。エヘヘ。あ、根暗、といわれればそうかも。ちょっと屈折してるんですよね。

野火さんが木原さんに近いっていうのも、大納得です。わたしもそんな感じを抱いていました。「センチメントの季節」が有名ですが、あれもあらすじを読む限りは……。

椎崎さんの本、もしご希望とあらば今度お持ちします。アマゾンのレビューでは、けっこう絶賛なんですが……人の感じ方や好みは、やはり千差万別ですね……。

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2007.03.13
Tue
12:17

はづき #no8j9Kzg

URL

榎本ナリコ名義ですが、夏目漱石の「こころ」をコミック化されていて、これも相当もどかしく擦れ違う、痛みと孤独の物語になっています。
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/07148105
「こころ」を高校の国語で習ったときにも「なんでこんなホモ臭い話を授業で…」と思ったものですが、榎本さんの漫画で再読してかなりスッキリしました。そうそうダメなおっさんとダメな学生のダメ合戦よねv と。。。

紺野さんの描く、年下の非ホモ男前(攻)×年上のホモ(受)という組み合わせが好きです(笑)。

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2007.03.13
Tue
14:09

lucinda #-

URL

漱石できましたか……。うーむ、高校生の時、すでに「ホモ臭い」と思うのも、すごいというか、なんというか。
しかし榎本さん(野火さん)の「こころ」、リンク先を見ただけで、うわぁ…という感じです。ちょっと読む前に深呼吸が必要そうです。

ああ、なんか、「それから」も、ホモ臭いような気がしてきた!(笑)

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