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女同士のキラキラ感

 19,2007 22:32
百合モノへのトライは、今も細々と実行中。マンガはちょっと置いておいて、小説はどうなんだろうと、いろいろ調べてみた。

代表的なのは「マリア様がみてる」のようだが、「女子校・ミッション系・お姉さま&妹」という、もうなんだか、古典的ともいえそうな背景に、ちょっと足踏みしていたら、vivian先輩が言ったのだった。

「『マリみて』ってさ、『丘ミキ』に似てると思うんだよね」

丘ミキ――「丘の家のミッキー」ですね!? ああ、懐かしい。それ、中学生の時、友達から借りて読んでましたよ! 友達が好きでねぇ……。そうか、丘ミキも、たしか最初は、主人公の未来(みく)が、ミッション系の超お嬢様学校にいたのだった。父親の都合で転校した先は、超お嬢様学校ではないにしても、これまた女子校だったのだけど。超お嬢様校時代の未来の呼び名は「ミシェール」だったのに、転校先では「ミッキー」に変わるところが、子ども心に、「校風の違い」を感じさせられたものだった。でも、「ミシェール」時代だろうが、「ミッキー」時代だろうが、憧れのお姉さま的存在はいたわけで、そういわれてみれば、

――女子校における、女同士の絆――

のようなものは、読んでいてひしひしと感じられるような気がした。

「マリみて」が「丘ミキ」に似ていると思うと、ゲンキンなもので、すっかり読む気を失い、かといって「丘ミキ」を再読する気持ちにもならず、仕方ないか……と思っていたら、大好きな氷室冴子さんの「クララ白書」が、これまた女子校を舞台にした、百合っぽい作品だという情報をゲット。

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氷室 冴子

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全2巻。徳心学園中等科3年のしーのこと桂木しのぶは、父親の転勤のため、付属の寄宿舎「クララ舎」に入ることに。しかしクララ舎には、新入りに対するとんでもない伝統があった。しーのと、編入生のマッキー、菊花の3人に課せられたのは、なんと食糧庫破り&ドーナツ45個を作ることだった――。

「クララ白書」が出版されたのは、1980年。その後、2001年に復刊された。当然、時代風景は、今とは若干違和感のあるところもあるけど、細かいところは、手直しされているのかもしれない。登場人物が携帯電話を使うところとかね。

読んでいて、なんというか、女子校独特の華やいだ雰囲気に圧倒され、中学生のピョンピョン跳ねるような、いかにも「青春」な描写に、思わず遠い目をしてしまった。それに、とにかく女の子同士のかしましいことといったら。うーん、そのキラキラ感にクラクラしそうだ。

「クララ白書」でも、「高等部の憧れのお姉さま=先輩」は何人か存在し、やれお近づきになりたいとか、やれ学園祭で一緒に演劇ができて卒倒しそうだとか、賑やなことこの上ない。逆にしーのたちは、同じ中等部の後輩たちには慕われる存在であり、彼女たちにはお姉さんのように相談に乗ったりもする。

ふと、しーのたちは「憧れのお姉さま」はもちろんのこと、同級生や下級生でも、自分が「ステキ!」と認める人には、ただただ憧れと尊敬のまなざしでみつめて賞賛かつ崇拝し、けっして「わたしだって負けないわ!」と、ロコツに張り合おうとしないんだな――と思った。そもそもの立ち位置が違うのだけど、BLでわたしがグッとくるものって、「アイツには負けられない」「アイツと対等でいたい」という、「張り合う・競争心を刺激しあう」関係性だ。主人公たちは、同い年や年下にはもちろん、時には年上に対しても、ただおとなしく憧れてはいないことが多い。もちろん、ただただ「カッコいい!」と憧れている設定もあるけど。

でも、「クララ白書」にしても、かつて読んだ「丘ミキ」にしても、「美しい人」「才能のある人」は、もう雲の上的存在なのだ。その人を追い越したいなんて、身の程知らずもはなはだしいのだ。もちろん、時には「わたしも負けられないわ!」と奮起するけれど、あくまでも、「わたしはわたしでがんばろう」的なスタンスのような気がする。

これが、ひょっとして百合とBLの違いのひとつなんだろうか――。まあ、これからまた、いろいろな作品を読んで、ボツボツ確認していきましょう。

中学生のしーのたちは、高等部に進学すると「アグネス舎」に移動するのだが、アグネス舎時代をまとめた「アグネス白書」は、文庫で復刊されていない。あれば読みたいけど、どうしても読みたいわけではない――というのも、結局のところ、百合だろうがBLだろうが、わたし自身が、もうほとんど学生・学園モノに興味がないからなのだ。それよりは、自分により身近な、働いている人のあれこれを読む方が面白い。もうこれって、百合への適性がないと断言しているにも等しいような気がするが、ま、いいや……。

ちなみにわたしは、けっこう現実的な菊花と、エキセントリックなマッキーがスキだ。しーのはカワイイけど、中学・高校時代に彼女みたいな人がいたら、あの自己完結的なけなげさを敬遠していたかもしれないなぁ……などとぼんやり思ったのだった。逆にいえば、「わたしもそうなりたい」と、内心憧れているということなのかもしれないけれど。

同じ学園もので、やはり寮が舞台のBL作品。

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私立櫻丘学園高等寮で暮らす烏丸旭には、「その気になった男を弄ぶ」という悪い噂があった。ある日、端正な容姿と雰囲気から「王子」と呼ばれ慕われる寮生・伊達が現れ、旭への好意を隠すことなく接するようになる。旭はやがて、伊達と付き合うようになるのだが――

この雰囲気、装丁やイラストの雰囲気からしてもう「耽美」ムードむんむん。萩尾望都の「トーマの心臓」を、ちょっと思い出した。「ギムナジウム」とか「パブリック・スクール」とか、そんな言葉も似合いそう。とにかく、寮が世俗から切り離されている別世界な雰囲気だ。

この寮の男子高校生たちは、同じ寮内の同性同士の恋愛やセックスにめちゃくちゃノリ気。誰が誰とつきあっているのか、誰が誰に迫ったのかという噂も、瞬く間に寮生の間をかけめぐる。もう全方位「恋愛」にアンテナ稼動中なのだ。でも恋愛に興味津々でも、むさくるしさは感じられない。たんにセックスに興味津々というわけではないからかもしれない。まあ、BLなのでその設定はデフォルトですかね。

旭があまりにも思い込みが激しく一人よがりゆえに、好きな伊達とすれ違う。旭は苦しそうだが、旭の周りの友人や先輩は、旭に気を遣って見守ってやっていて、なんだかんだいって、「旭、みんなに愛されてるじゃん」と思うのだった。このわたしの感想は、旭に意地悪くあたる先輩・松嶋の視点と同じかもしれない。うーん、ここでも主人公に100%共感できなかったか……。

これはこれで悪くない作品だったのだけど、なんというか、耽美寄りではない男子校の寮が舞台のラノベって、ないのかしら。もっとおちゃらけていても、むさくるしくても、暑苦しくても、多分読める、と思う。男子校が舞台でも、女子校とは違うキラキラ感があるんじゃないかなぁと思うのだ。少なくとも仕事でお邪魔した男子校の生徒さんたちは、それなりにキラキラしていたような気がするんだけど。

――幻想かしらね?
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Tags: 氷室冴子 橘紅緒 北畠あけ乃 百合 BL

Comment 7

2007.02.20
Tue
01:39

miriam #SFo5/nok

URL

lucindaお姉様、次々と新しいジャンルを切り開いていらっしゃいますね。さすがお姉さまですわ!(女子校モノ風)
実は私はコバルト関連ってほとんど知らないんですよね。なので「丘ミキ」も「マリ見て」も名前だけしか知らないのです…。宝ヅカよりもジャニー●、女子校モノより男子校モノが好物な立派な腐女子でございます(笑)
あ、でも実はユリものもどきは書いたことあります(爆)

編集 | 返信 | 
2007.02.21
Wed
00:13

もと #4pDgvQA2

URL

コバルトは結構読んだ筈なのに、どれも未読のような気がします。
クララ白書、アグネス白書、な~~~んか、知ってる以上に知ってる感があって、読んだような気がするのに・・・全く覚えて・・・ない orz
百合モノ、言われてみればそうですね。お姉さまを超えようという子はいない。
そのお姉さまの愛を一心に受けようとする人はいっぱい居ますけどね。
あれかな、エースをねらえ!辺りからの、お姉さま信仰的なのが脈々と受け継がれてるのかな!?
「おにいさまへ・・・」って漫画なんか、もう、モロそんな感じだしな~。てかあれ、オチにびっくらこいたから!(笑)
そんな事本気でそんなに聡明な人が考えちゃうの!? 女子校だから~~?って感じだったもんな。
誰か一人でも「プッ」と噴出したら、一瞬で消え去りそうに脆い世界・・・
だからきらきらしてるのでしょうか?(^^;
そういや、百合モノって、男向けに描かれてるか、女向けに描かれてるか・・・でちょっと違うような気がします。何となく。

編集 | 返信 | 
2007.02.21
Wed
00:28

lucinda #-

URL

>miriam先輩
そんな、わたくしなんてまだまだですわ!キャ!<おい
いやいや、わたしも、読んでたコバルトは好きな作家さん5人くらいだったし、高校出てからコバルトって読まなくなったんですよね。多分、好きな作家さんが、あんまり作品を出さなくなったからだと思います。
「マリみて」なんて、パラパラっと立ち読みして「……ノれない…」と思ってしまいましたしね……。やはりわたしは腐女子なんだなと。というより、いい加減、百合モノは萌えないと、認めるべきなんじゃないかと思う今日このごろです(涙)。
それにしても先輩、なんでユリもどきを書いてるんですかー!?

>もとさん
クララ白書もアグネス白書も、わたし、当時読んでなくてですね……でも、当時読まなかったってことは、あんまり興味がなかったんだな、と。
「おにいさまへ…」って、タイトルだけ知ってます。池田センセイのですよね!? オチってなんですかー!? 調べなきゃ。

>そんな事本気でそんなに聡明な人が考えちゃうの!?
なんつうか、「学校」という閉鎖的な社会だからということもあるのかもしれませんよね。学校は学校独自のシステムで動いてますからね。たしかに、そこで誰かがハッと我に返ったら、あっという間にひっくり返りそうかも。
男性向け百合と女性向け百合の違い……エロですかね? 違うか。しかし、百合にはどうもちっとも心が動きませんが、レズビアンものはそうでもないんですよね、わたし。ゲイの方が「BLは違う」と思う気持ちと、ほんのちょっぴり似ているかもしれません。ほんのちょっぴり。

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2007.02.22
Thu
00:20

ようこ #onVA9wqc

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百合は、『期間限定』で『いつか卒業していくもの』って感じがします。
昔の少年愛ものとか、近代の純文学系の同性愛モノとかも、恋はあくまで青年期への脱皮前の一瞬のもので、二人の関係にはいつか終止符が打たれるものである、というような雰囲気を醸し出してたような…。
百合とか昔の少年愛モノって、『いつか終わりが来る美しいもの』って雰囲気がいいんじゃないかな~と思います。

BLモノは、『ハッピーエンドのその先の人生も続いていく』って感じで描かれているがいいなあと思います。
社会人モノBLだと、その後の生活が続いていきますものね~。

編集 | 返信 | 
2007.02.22
Thu
08:58

lucinda #-

URL

鋭い考察です。言われてみれば、納得です。
「いつか終わりが来る美しいもの」という観点いただきです。舞台が学校なので、余計に「終わり」を想定しやすいですよね。キャラクターが少年・少女というのも、これまた限られた期間ですし。

>BLモノは、『ハッピーエンドのその先の人生も続いていく』って感じで描かれているがいいなあと思います。
あ、わたしもそう思います。でももっと前の、BLレーベルなんてほとんどない頃であれば、期間限定色が強かったんじゃないですかね……違うかな。
百合にも、BLのように、社会人モノが増えてくると違ってくるのかもしれないですね。逆にそれなら読みたいかもしれません。

編集 | 返信 | 
2007.02.22
Thu
23:06

ようこ #onVA9wqc

URL

百合で社会人モノが少ないのって…。
こういうこと書くと、
『お前はどこぞの失言大臣か』
『あんたも人のこと言えないでしょ!』
ってな感じの危険な発言になるのですが…。
少子化に直結。
ってイメージになりやすい気がするので、少ないんじゃないかなあ…と思います(汗)
社会人BL読んでても、つい、これでいい男の血筋がひとつ絶えたんだなあ、とか余計なことがうっすらと脳内をよぎることが…。
総ホモワールドは気にならなくても、総百合ワールドが繰り広げられたら、人類が滅亡しちゃうんだよなあ、とリアルなことを考えてしまいます。
百合もファンタジーなんだから、別にそんな生々しいこと考えなきゃいいだけなんですが…。
とはいえ、百合はBLほど、ファンタジーだと割り切りづらいものがあります(^_^;)

BLが耽美小説、と呼ばれてた頃は、期間限定色っていうか、ラストで死亡フラグが立つ話が多かったような。
逆に今は悲恋ものが減ったような気がします~。

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2007.02.25
Sun
23:33

lucinda #-

URL

少子化ときましたか!
そこは思いつきませんでした……しかしその推測、まったくないわけじゃないのかもしれない…と考えているうちに思ってしまいました。
わたしは、BLを読んでいても、子孫繁栄的「その後」について、少なくとも今のところ、まったく思い至らないので、その考えはとても新鮮です。
まあ、男性と違って、女性の場合、自分が生める体をしているので、科学の力をもってすれば、子孫繁栄は、男性よりは叶いやすいかもしれませんが……。

ラストが死……耽美です。耽美って感じです。今現在の悲恋もの、そういえば、そうですよね。今度探してみようっと…。

>百合はBLほど、ファンタジーだと割り切りづらいものがあります
やっぱり、自分自身が女性だからですかね。ははは。

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