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総ホモ展開での妄想の余地

 07,2007 02:46
「アタシ倫」で、miriam先輩は、「登場人物全員ゲイはアウト」だと言っていた。

でも、どうしてダメなの? もともとBL作品は、男同士のアレコレだしファンタジーなんだから、登場人物全員がゲイというのも、ひとつのファンタジーじゃないの?

そんな疑問を先日の合宿でぶつけたら、miriam先輩とvivian先輩は、口を揃えてこう言ったのだった。

「登場人物全員ゲイって、現実にありえないでしょ」

――たしかに。周りの男が全員がゲイというのは、まあ、今の世の中を見渡してみると、非現実的ではあります。なんだかんだいって、世の中、ヘテロが圧倒的マジョリティですもんね。

そんな世間をあっさり無視して、出てくる男がみんなゲイ、というか、男も愛せる、というか、男とセックスできる人たちばかりの作品を、vivian先輩から借りた。

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大正時代を背景にした、没落寸前の華族・清澗寺家シリーズ。次男・和貴編。

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東京・恵比寿のデザイン・オフィス Yebisu graphicsを舞台にした通称エビリティシリーズ。久家×益永編。

どちらの作品も、とにかく登場人物が多いのが特徴で、主要人物は、ゲイだろうがバイだろうがストレートだろうが、もれなく男同士で恋に落ちる。そして、ある特定のカップルをピックアップして、丸々一冊、物語が綴られる。

とくにエビリティシリーズは、キャラクターズブックが出るほどの登場人物の多さ。しかも、身長から誕生日から血液型から好きな食べ物から、いろいろ設定がギチッと決められているのだ。ネットでのBL作品でも、こういう細かい設定がされているものを時々見かけるけど、あれこれと想像しながら設定するのって、楽しいんだろうなぁ…と思う。現実にいなくても、設定をすればするほど、自分の妄想の中でリアリティが増していく――そんな感じじゃないだろうか。

わたしが読んだのは、現在のところ久家×益永編だけなのだが、これは同僚同士の、いわゆるツンデレカップル。べつにどっちも、元々ゲイという設定ではないけど、お互い、その才能を意識していたってことで親密な関係に。ほかにも、デザイン勉強中の学生アルバイトや、事務所のビルに入っているカフェのギャルソン、学生時代の友人の医師など、いろいろな男が登場するけど、もとから堂々「ゲイ」と設定されている人、どのくらいいるんだろう…。ともかく、登場するキャラクターはすべて、自分の仕事に情熱を燃やしつつ、恋に悩む。仕事シーンの割合が多めなラブロマンスという感じ、かな。

清澗寺家シリーズは次男編のほか、長男編、三男編、父親編とあるのだが、作者の和泉桂さんがあとがきで書かれているように、どれも昼メロな雰囲気。大正ロマンなハーレクイン。わたしはこれまで、長男編>父親編>次男編と読んでいるのだけど、最初は、「うわー……なんかちょっとこっぱずかしいほどベタ」と思っていたくせに、巻を追うごとに、その「ベタな雰囲気」が気にならなくなっていった。没落を阻止しようと必死で画策していたくせに、あっさりと意中の男と海外逃亡した長男編が、わりきれなさすぎたのだ、きっと。代々の清澗寺家の血を色濃く受け継ぐ淫乱受け・父親編や、調教される次男編は、長男編ほどのわりきれなさを感じずに読み進められた。というか、ただたんに、「慣れただけ」なんだろうか? 慣れって怖い。

まあとにかく、誰もかれもが男同士で愛し合っちゃう清澗寺家シリーズとエビリティシリーズ。百歩譲って、類友現象かしら…? ととぼけたとしても、きっと

みんな・全員・すべてが、美男・ハンサム・男前

というところが、「ありえなさ」を助長しているんだろうなぁ……。半分くらいは、高身長だし。

「登場人物全員がゲイだとさー、おいしすぎて、妄想の余地がないって感じだよね」
「妄想できないと、つまんないもんねー」

と口々に言う先輩ズ。とかいいながら、vivian先輩、買ってるくせに――。でも、全員ゲイなこの2シリーズ、あえて、「まだ許せる」と思える作品はどっち? と聞いてみたら

「清澗寺家シリーズ、かな。なんかねぇ、読んでると、もう逃れられない”血”かな、って思えるの」

――なるほど。父親がワケありな淫乱受けですもんね。宿命のDNAって感じですかね。

「ありえない」とかいいながらも、どっちのシリーズも、読み始めたらとまらない。でも、登場人物が全員ゲイだとしても、万が一美男でなければ、「妄想の余地」は、少しは発生するのだろうか――。

美男じゃなければ、BLじゃないですかね、やはり。
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Tags: 和泉桂 岩本薫 円陣闇丸 不破慎理 総ホモ展開 複数レビュー

Comment 6

2007.02.08
Thu
02:21

もと #4pDgvQA2

URL

総ホモ設定は私もあまり好きじゃないですけど、ここまでいっちゃうと、いっそ潔いですね(笑)
ちょっと読んでみたくなりましたが、買うのは躊躇われちゃうな(^^;
美男は絶対条件みたいなBL界ですけど、私は最近ちびっと流行?かもなブサ系も好きです。
だから、美男じゃなくてもイケる?と思ってたんだけど、「片方がブサでもイケる」んだという事に、今コレを書いてる瞬間に気付いてしまいました( ̄□ ̄;)!!
片方ならブサでもいいけど、そうなったらもう片方はもてる美男じゃないとダメだ。
そうしないと、どうしても想像の余地がないことに気付きました(^^;
やっぱ、妄想の産物であるBLは、想像出来る余地を残しておかないとダメなんですね・・・。

編集 | 返信 | 
2007.02.08
Thu
14:31

lucinda #-

URL

こんなことをいうと、いかにもゲンキンなのですが、わたしも、多分自分では買わなかっただろう作品だなぁ…と思います。

わたしもブサイクなのはキライじゃないのですが、両方がブサだったら……うーーーん?? あ、いや、絵柄によるのかなぁ…と、そんな気がするような…。でも妄想の余地といわれると………ギャグに転ぶことしか考えられません……余地、少なすぎ。

編集 | 返信 | 
2007.02.08
Thu
16:07

ようこ #cXVds/aM

URL

『ホモはもう飽きたわ』と言って卒業していったウチの母は以前、
『やあねぇ、いい男ばっかりホモで』
と言ってたので、
じゃあ、いい男じゃなかったらいいの?と尋ねたところ、
『そんなの読むわけないじゃない』
と矛盾した返答がきました(笑)
あと、『いいわね、最近の男はさらっと料理が出来て』と、攻めの生活能力の高さにも注目していました。
顔よしスタイルよし、経済能力アリ、そして生活能力も高い…。
今更出すけど、BLに出てくる攻めって、女性の夢と希望が詰まってますよね!
顔がイマイチな攻めはいなくもないですが、受けよりも経済能力と生活能力が低い攻めって、あんまりというか、ほとんど(?)見たことないような(笑)

編集 | 返信 | 
2007.02.08
Thu
17:25

lucinda #-

URL

「いい男ばっかりホモ」って、海外ドラマや小説などでよく見かけますよね。日本も、そのうちそうなるかしら…。

>BLに出てくる攻めって、女性の夢と希望が詰まってますよね!
あ、たしかにそうですね。しかも床上手。やっぱり読者は、読むときは受けに感情移入してるから、ってことなんでしょうかね。

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2007.02.10
Sat
19:18

miriam #SFo5/nok

URL

総ほも・・・説得力のある設定ならば別にかまいませんが、あまり出会ったことがありませんん(笑)総ほもでも突っ込み役の女子がいれば許せるんですがね~
確かにBLの攻は必ず床上手ですね…男相手は初めてでも上手だったりしますから(爆笑)

編集 | 返信 | 
2007.02.11
Sun
00:24

lucinda #-

URL

説得力のある設定。難しいですねぇ。総ホモ・総ゲイっていうその設定自体が、もうファンタジーですもんね。突っ込み役は、ストレートの男子でもいいかも……って、安易ですかね。

BLの攻めの床上手さは尋常じゃありません。しかも絶倫なのは、まあ、官能系としては当たり前なのかもしれませんが…。たしかに、男は初めてなくせに、いきなり上手ってのが、もうBL万歳って感じですね(笑)

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