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今月の表紙買い/自己破壊願望、トゥルース、徒花

lucinda

本を買うと、よく挟み込まれているあのチラシ、折込チラシでいいんだろうか。とにかく、あの折込チラシに掲載されているものを見て、ちょっとグッときて買ってしまうことって、ありませんか。

一種の「表紙買い」みたいなものかなぁと思うのだが、わたし自身が、あんまり書店でじっくりと本を選ぶことがなく(それ以前に、近くの書店の品揃えがあんまりよくない)、その代わりに折込チラシで一目ボレしてネットでクリック!ということが、ちょこちょこある。

そうやって買った、今月の表紙買い。

自己破壊願望自己破壊願望
松田 美優 あじみね 朔生

大洋図書 2006-07-31
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父親の借金を返済するために、ピンサロの呼び込みとして働くことになった夏目亮太は、店の支配人でヤクザの千葉に、ある日身体を奪われてしまう。千葉に反感を抱きつつも、たった一度のセックスで心を囚われ、次第に惹かれていく亮太だったが…。

この表紙のドコにそんなに惹かれたかというと、いかにもヤクザなキャラと、その向こうに見える、ケバく安っちい夜の町(昔なら「ピンク街」って言うのかしら。古…)の雰囲気の組み合わせ。なんとなくBLでは新鮮な気がしたのだった。

夏目は、無責任な父親の借金を真面目に働いていて返済する、なかなか健気ないい子なのだが、けっこう大胆。千葉が、店の女と電話で話している耳元で、千葉を誘うんだものねぇ。その女が、千葉に惹かれていて、自分を敵視しているのを承知の上で。

そんな夏目を、千葉は威圧感と冷淡さで翻弄しまくる。誘惑する受けを押さえ込む強気な攻め。なんか力と力のぶつかり合いって感じだ。

とかいいながら、最後には、千葉は夏目に夢中で、夏目を陥れようとする周りをあれこれ牽制していたことがわかるのだけど。ラスト、もしかしてこれから千葉は、夏目に翻弄されるのではないかと、ちょっとだけ思わせるような終わり方なのが気になる……。続編は、出ないのかなぁ…。

夏目を陥れようとする一人が、千葉の元仕事仲間で元ヤクザの長谷川。最初の頃、長谷川は、一癖ありながらもいいヤツなのかと思っていたら、実は小ズルい悪党だった。でも、悪党だと判明するところが、なんだかサラッと書かれているのが、ちょっと物足りなくて残念なところかな。

トゥルーストゥルース
いおか いつき 國沢 智

竹書房 2006-11-25
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警視庁の検挙率№1の河東と、化学技術捜査研究所の神宮は、付き合い始めて2ヵ月。だが、お互いに相手を「抱きたい」と想っているため、会えばケンカになり、恋人と呼べるものには進展していない。ある日、美しいフランスのVIPが河東を気に入り、SPを要請するのだが――

この作品は、イラストの雰囲気に惹かれたのはもちろんなんだけど、「攻め×攻め」というコピーに、ちょっと興味を持ったのだった。たしか、「受け×受け」は百合カプといわれるんだよね…(違いましたっけ…)? 「攻め×攻め」には、なにか名称があるんだろうか。

ともかく、「攻め×攻め」ってどういうことかしらねぇ…ひょっとしてリバもあるのかなぁ…という期待も抱きつつ読んでみたのだけど。

えーっと、結局のところは、受け攻めがハッキリしていました。いや、張り合っていることはわかるんだけど、いかんせん、河東の歩が悪い。駆け引きも上手く、元々ゲイでタチな神宮が、一枚も二枚も上手で、河東を組み敷く結果に。おまけに、河東は「襲われ体質」。フランス人VIP・ジュールを守るためにヤクザたちに捕まり、襲われてしまうのだった。すんでのところで、神宮たちが助けに来たのだけど。

この作品は、「リロード」の続編らしいのだが、そこでも河東は襲われているようだ。だめじゃん、河東。まあ、襲われたり、神宮に振り回されたりしていても、気持ちの上では「攻め」って感じだろうか。あとがきで、「表紙と口絵では、受攻がわからない仕様にしていただいた」と、作者のいおかいつきさんが書かれていたけど、たしかにわからない。そしてイラストがカッコいい! 國沢智さんの名前を見るのは初めてだけど、ステキな絵です。

ストーリは、さくさくさくっと進み、あっという間に読める。いおかいつきさんといえば、「真昼の月」シリーズを読んでいるだけだけど、このさくさく感は、もしかしたらこの人の作風なのかもしれない。

徒花(アダバナ)徒花(アダバナ)
水原 とほる 水名瀬 雅良

海王社 2006-11-24
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会社員の和彦は、ある夜、高校時代に片思いをしていた同級生の赤澤に再会する。赤澤はヤクザになっていた。酔った赤澤に気まぐれに抱かれて、赤澤への思いを自覚する和彦。危険な目に遭わないよう。赤澤に組を抜けてほしいと強く思った和彦だったが――

この本は、「買おうかな」と思っていたところ、vivian先輩宅で見つけて、借りたのだった。先輩の評価はイマイチだったけど、これ、わたしはかなり気に入ってます。ヤクザらしいヤクザが登場する作品では、これまでで一番好きかも。

和彦が赤澤の怒りを買ってひどい目に遭わされたり、赤澤がケンカしたりと、いろいろ事件(?)は起きているのだけど、どういうわけか、作品全体が静謐な雰囲気。それは、何があっても赤澤への気持ちにブレがない和彦の、しなやかさというか、打たれ強さが滲み出ているからかも……などと思わせられる。表紙の雰囲気も、タイトルにピッタリあっているように思う。暗い赤が効いてますね。

赤澤が、徐々に和彦に心を開いていく様子もいい。粗暴で短気でとっつくいにくい赤澤だけど、和彦につきあったり、ちょっとマニアックな映画を好きだったりと、意外に思いやりがあるというか、繊細なところがあるのも、わたしとしては、高ポイントです。

赤澤が組を抜ける決心をしたラストあたり、ジンときます。刑務所での面会シーンもグッときます。刑期を終えた赤澤と、迎えに来た和彦の再会シーンも、しみじみイイです。

ちなみに、vivian先輩がイマイチだった理由は、赤澤が和彦を痛めつけるシーンらしい。ま、たしかに、痛くて辛いシーンなんだけど、きわどいところで赤澤がストップをかけるし、そこに愛らしきものがある――というわけには、いきませんかね、先輩?

最近、よく遊びに行くブログで、その名前が取り上げられていることが多い水原とほるさんだけど、それもわかる気がする。わたしも要注目の作家さんということで、これからいろいろ読んでみるつもり。たしかに、ストーリーのあらすじを読むと、シリアス&痛そうなのが多いんですけどね。
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Comments 6

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もと

私はあまり表紙買いはしないんですけど、好みのイラストの人が、・・・な感じの小説に当てられてるのとか見ると、かなり切ないですね・・・。
それはともかく、私は一番上のと、一番下の、ちょっと読んでみたいですね。いいよな~、小説借りれる横のつながりって羨ましい(笑)

lucinda

切ない気持ち、なんかそれ、わたしもそうですね。イラストは……とかね。もとさんからお聞きしたお話を思うと、余計に切ないです。

一番下は、わたし的に一番オススメです。イタいかもしれないけど、しっとり良いです。
もとさんが近くにいらっしゃったら、多分あれこれ貸し借りをしていることでしょうねぇ。……とかいいながら、これ、わたしも先輩から借りたんですが。でも借りても、気に入ったものは自分も所有したくなるところが……困ったものです…ははは……。

  • 2007/01/17 (Wed) 02:58
  • REPLY
乱菊

「徒花」読みました~!
すごい良かったです。
ちょっとジンときちゃいました。
自分の感想を書き終わるまでlucindaさんのものは読まずにおこうと思ってたんですが、改めて見てみると感想が近くて嬉しいです~(´∇`)

私も和彦の大胆さと赤澤の繊細さにツボったですよー。
特に赤澤が好きです。
あの粗暴さの裏に隠された、とても脆い部分が見え隠れするたびに、私はきゅんとしてました。
和彦もあそこに惚れたんだな!きっと!
はあ・・・いいモノ読みました。

あ、オトメンも読みましたよ~。
連続でlucindaさんセレクトとなっております♪
飛鳥は萌えましたよ、かわゆ過ぎです(´∀`∩)

lucinda

ご報告、わざわざありがとうございます!
さきほど、コメントしちゃいました。しかも立て続けに(笑)。

いやぁ…「徒花」、乱菊さんが「よかった」といってくださって、かなり嬉しかったです。赤澤の繊細さと脆さ、すごくうまく描かれていましたよねーっ!!
……こんな風に、あまりに嬉しかったゆえに、長いコメントを投稿してしまいました……。わたしも水原さんの作品、まだまだこれからなんですけど、また読もう…と思ってます。楽しみ………オトメン同人も……(え……?)!

  • 2007/02/21 (Wed) 02:38
  • REPLY
jumpi

はじめまして。こんにちは。m(__)m

最近、BL小説を読む頻度がめっきり減ってしまい、近頃のBL事情に全くついていけなくなってしまった者ですが、
愛着からかこのシリーズだけは一冊目から未だ購入し続けてます。
でも、BEST本ってわけでもないのですが。(><)

仰られるように、攻×攻というコピーとステキな絵の二人に惹かれて購入しましたが
完全な河東受けですよね。
対等に渡り合ってる雰囲気はイラストだけだし・・・・男らしい風貌で強がってる河東が攻だっていうのも伝わってくるんですが。
期待してたリバも一切なく(この先もなさそう…)
攻×攻としてのいい材料が揃っているだけに、この中途半端な感じが残念でなりません。(T-T)
BL小説でリバはいまだに歓迎されてないでしょうか?か・・・
でも私としては、神宮受けじゃなかっただけでも良かったと思ったりもしました。
以前の記事に、突然お邪魔いたしてすみません。(^-^)

lucinda

jumpiさん、はじめまして。コメントありがとうございます! 過去記事も読んでくださって嬉しいです。レスが遅くなってすみません。

この本、本当に攻×攻というコピーのわりには、しっかり受け攻めが決まっているのが、なんだかなぁ……って感じがしますよね。イラストはおっしゃるとおり、対等な雰囲気なのに……!もうイラストの魅力が、いろいろカバーしているような気までします。小説では同カップル内のリバって、難しいのかどうか……でもわたしとしては、ぜひとも読んでみたいんですけどね。神宮受けでも、バッチコーイ(古)ですよ。

  • 2009/05/25 (Mon) 23:01
  • REPLY