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王の男

 24,2006 01:15
韓国では思いがけず大ヒットした映画だとか、韓国での賞を総ナメしたとか、韓国映画では珍しく同性愛を扱っているとか―1年前から何かと評判を聞いていて、とても見たかった映画のひとつ、「王の男」。

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16世紀初頭。固い友情で結ばれたチャンセンとコンギルは、時の王・燕山君(ヨンサングン)が、妓生だったノクスに入れあげ、宮中に招き入れて遊び呆けている宮廷を皮肉った芝居を演じ、大人気を博す。ある日、王の側近に捕らえられ、「王が芝居を見て笑わなければ死刑」と宣告された彼らは、王を笑わせて一命をとりとめものの、美しく艶やかなコンギルに惹かれる王の気まぐれに振り回される――。

とにかく、旅芸人の女形、コンギルが、もう本当にびっくりするぐらい色っぽい。一重まぶた(もしかしたら奥二重かも)の切れ長の目、細面、しっかりある上唇、白くてきめ細かい肌。
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きれいでしょう?
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泣き喚いていても美しいのだった。

コンギル役のイ・ジュンギは、何かのレビューで、「さらばわが愛 覇王別姫」で女形を演じたレスリー・チャンと比較されていたけど、さもありなん。レスリーに負けないくらい色っぽかった。イ・ジュンギ、上背があって、ガタイはいいし、声も低い。それなのに可憐なくらい色っぽい。チャンセンや王の気持ちを推し量って慎ましやかに行動するところが、またいじらしいったら。王とチャンセンが夢中になるのも仕方ないよねぇ、と思わせられる。王の愛妾・ノスクもきれいだったけど、色っぽさでは、コンギルの方が……。

韓国の映画やテレビドラマのラブシーンは抑え気味だけど、この作品も、王がコンギルにキスするところが一番ロコツだったかも。でもそういうシーンがないだけに、あれこれと妄想というか想像をかきたてられる余地が大いにアリ。公式サイトやチラシでは、コンギルとチャンセンは「固い友情で結ばれている」などと説明されているけど、友情っていうか……コンギルを見るチャンセンのまなざしは、異様に熱いんですけど。

時代は、日本でいえば室町時代後期といったところ。映画に登場する王の燕山君は、人気ドラマ「チャングムの誓い」に登場する王・中宗の前に即位していた王で、相当な暴君だったらしい。あまりに暴君で、後世、「●宗」「●祖」とかいう称号が送られていない。たしかに映画でも、王はやりたい放題だった。

だけどその王も、幼い時に生母を殺され、名君だった父王と何かと比べられるなど、かわいそうな人として描かれている。実際、チャンセンとコンギルの芝居を見て大喜びしたり、興奮して劇に飛び入り参加したり、激昂して家臣を罷免する姿は、子どもそのもの。暴君の孤独や哀れさは、いろいろな物語で描かれるところだけど、この映画では、王の悪行はどれも一貫して「死に別れた生母を切なく求める気持ち」に裏打ちされていて、わかりやすい。

ラストはクーデターの寸前で、なんとなく余韻を残して終わる。李朝の悪い夢が終わるみたいに。

映画では、 男寺党(ナムサダン)の芸人たちが披露する綱渡りや演舞も迫力があり、それを見るのも楽しい。綱渡りは、スタントマンではなく、チャンセン役のカム・ウソンや、イ・ジュンギが、本当にやっていたと聞いて、びっくりした。役者って、本当にすごいですね……。
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Tags: クィア映画 歴史

Comment 2

2006.12.27
Wed
01:03

もと #4pDgvQA2

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あ~、これ、見たかったやつだ~。でも、確かその辺の劇場ではやってないんですよね。だから、なかなか観にいけなくて・・・
韓ドラ好きの子がDVD貸してあげるからと言ってくれてるけど、「好きな映画は劇場で」派なんで、一人でも見に行きたいな~。
私も、コンギル役の人の色っぽさに驚きましたよ。凄いですよね!
役の上での事とは言え、納得の美しさ。
でも、普段の彼は、ちょっときれいめの普通の男の人に見えたんですよ、何かの映像で見たとき。
だからコレは多分、この色っぽさも含めて「演技」らしいと思ったんですけど、だとしたらそれも凄い!
あれだね、歌舞伎の女形の人が、舞台で見せる妖艶さに似てるかも。
歌舞伎の女形の人も、舞台から降りたらフツーの人だったりしますもんね(^^;

編集 | 返信 | 
2006.12.27
Wed
01:22

lucinda #-

URL

わたしも、チラシとか、webでの写真を見ていて、「これはスチールだからこんなにキレイに見えるんだ。映画を見たら、たいしたことない可能性大!」と思っていたんですが……めちゃくちゃ、キレイでしたよ! もう、ずーっと色っぽいんです。たしかに男なのに!

>普段の彼は、ちょっときれいめの普通の男の人に見えたんですよ
「ヴァージン・スノー」という映画が、日本公開では新作(?)らしいのですが、たしかに、そこに出ている彼は、普通でした。なので、「王の男」の尋常じゃない美しさは、メイク+演技の力なんだと思います。
ほんと、歌舞伎の女形の美しさに通じるかもしれません。
ミニシアター系ではあるけど、こっちでは、シネマコンプレックスみたいな、複合映画館でやってるんですが……。もうもう、ぜひ見ていただきたいなぁ…!

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