形ある“モノ”への愛着と萌えと。【熟な腐女子を探る!(仮)】#9 「電子書籍、利用したことある?」結果発表[11]

 15,2014 23:16
「熟な腐女子を探る!(仮)」アンケート第9回「電子書籍、利用したことある?」の結果発表、11回目です。


諸事情でポツリポツリと結果を公開したため、長々と引っ張ってしまった結果発表。


しかも自分でもビックリの、まさかの2桁更新に達してしまったので、最初の方の結果内容については記憶も薄れがち――。<わたしだけか


というわけで、今回のアンケート結果からなんとなく分かったことを、簡単にまとめます。


●電子書籍の利用経験者は、31歳以上熟腐女子で約7割。30歳以下ヤング腐女子では8割を占める。


電子書籍購読に利用しているデバイスは、スマートフォンが最も多い。熟腐女子はパソコン利用の割合も多め。なお、読んでいる電子書籍のジャンルは、腐に特化しているわけではない。


●複数のデバイスを利用したことのある人は4割。複数利用は年齢よりも、収入や自由に使えるお金の有無が影響している模様。


●今回、特に“31~40歳”はいろいろなデバイスを積極的に試しており、電子書籍に対する価値観は“21~30歳”と似ている感じ。今回のアンケートに限っては、“現41歳”が境界線といえそう。


●フィーチャーフォン(ガラケー)も少数ながら根強く利用されており、今回のアンケート参加者に限っては、ヤング腐女子の利用者もいた。


利用している電子書籍専用端末およびサービスで、最も多かったのはKindle。自炊派もそこそこいる様子。


●電子書籍利用者が、電子書籍を利用するようになったきっかけは、書籍の収納・整理問題。また、電子書籍のみで読める作品も、利用につながる強い動機になっていた。


電子書籍利用者が感じる電子書籍のメリットとして、熟腐女子で最も多かったのは「場所を取らないこと」、ヤング腐女子では「ポイントやセールを利用できること」。なお、41歳以上の熟腐女子にとっては「老眼でも読みやすい」こともポイント高し。


電子書籍利用者が感じる電子書籍の最大のデメリットは、「購入したデータが供給元の都合により消滅してしまう可能性がある」こと。


●熟腐女子は、電子書籍のシステム(高価格、デバイスによる保存形式等の違い)に関して不満を感じる人が多く、ヤング腐女子は電子書籍の使い勝手(コマ割の見づらさ、流し見ができない)に関して不満を感じる人が多かった。


電子書籍未経験者は、全体の1/4。また1割が、今後も利用する気がないと回答。ただ、「利用する気がない」と回答した人は年齢が高い(or低い)ほど多いというわけでもなく、何らかの傾向はつかめず。


●電子書籍未経験者で「いつか利用してみたい」と回答した人は、腐を含めジャンルを問わず利用してみたいと考えている。なぜ利用してみたいのかといえば、やはり「場所をとらない」点に魅力を感じているから。


それでも電子書籍未経験者が利用に踏み切らない最大の理由は、やはり「購入したデータが消える可能性」を危惧しているから。特に「今後も利用する気はない」と回答した人は、紙書籍の触感や所有の実感がある点を捨てがたく考えている傾向がある。


電子書籍利用者でも、「やはり紙書籍が好き」とあえて書いた人はコメント回答者の2割を占め、「電子書籍で読んだ後に紙で買いなおしたことがある」と書いた人は、コメント回答者の1割を占める。



……あら? “簡単”のつもりだったのに、これでさえも長くなっちゃったわ! ソーリー!


集計の間、巷間に流れる電子書籍やデジタルデータに関するニュースを読むと、いただいたコメントを思い出して、あれこれ考えさせられることが多かった、今回のアンケート。


特に、電子書籍利用経験の有無に関わらず、しばしば見かけた


紙書籍は物理的な実体を実感できるのがよい


といったような意味のコメントは、こんな記事を読んだ時により強く思い出されたものでした。


ここから折りたたみます。

ニューヨーク・タイムズが稀有な日本の音楽市場を紹介。未だに売上げ85%をCDが占める現状をどう報じたか? 
(All Digital Music)



音楽ビジネスにおいて、ダウンロードとストリーミングが世界のメインストリームだというのに、日本はいまだにCDが中心だよどういうこっちゃ!? と、かのニューヨーク・タイムズが取り上げたということだけど――。


もちろん、CDを利用したいろいろなプロモーションの影響も強いと思うのだけど、個人的にはこれもやはり電子書籍と同様、


将来失われる可能性が低く、しっかり所有を実感できるCDがよい


と考える人が日本人には多いってことじゃないのかなぁ? などと思うわけです。実体のないものこそ、目に見え、手に触れられる“形”や“モノ”にして大切に手元に置いておきたがる傾向があるというか。


電子書籍は紙媒体と比較して価格が思うほど安くないこと、また、やはり紙をめくるという行為、本を買い揃え所有していくという行為、それらを愛しく大切に思っている自分がいます。古い人間なのかもしれませんが、どんなに時代が巡っても、紙媒体は無くならないと思います。図書館や家庭で本に囲まれることが幸せだった子供時代を過ごした人たちがいる限りは。
でも時代が電子書籍に流れていっているのは事実で。それは書店の存続問題という大きな社会問題にも関わる大きな課題だと思います。少し逸れましたが、今後電子書籍を利用することはあってもお気に入りの本は紙媒体で持ちたいと絶対に思うと思います。(31~40歳)



興味はあるが積極的に…と言うほどでもないのが現状です。紙媒体だとかさばるので、自室に収納するのに限界が来るたびに電子へ…と言う気持ちになりますが、20年前に読んだ本を改めて読んだりすると、大事に持っていると言う事も奇跡的な再会を味わえるのも紙媒体かな、と思うので、現状維持できている限り紙媒体で行こうと思ってます。(41~50歳)



こういうコメントを読むと、日本における電子書籍やデジタル音楽の普及率・移行状況が欧米に比べて芳しくないのは、“モノ”への愛着が強いからなのだよ――という思いがますます強まるのだけど、いかがなものかしら?


それこそ、第6回の結果発表で引用させていただいたコメントにあった


本を“データ”として捉えるか、“装丁や挿絵まで含めた作品”として捉えるか


という価値観の違い、と言いましょうか。


とはいえ、人は“萌え”に突き動かされたら、どんなに敬遠していたことでも軽く飛び越えてしまうんだ! ――と、深く実感したご報告をいただいたので、紹介したいと思います。


ご報告くださったのは、熟腐女子のN様。N様、ご快諾をありがとうございます!


アンケートで、電子書籍は「利用したことない」で回答済みなのですが、状況が変化したのでご報告したく!

というのは、lucindaさんの読書メーターにも上がってる、『アドリアン・イングリッシュシリーズ』にはまってしまい、先が気になって気になって、米アマゾンでダウンロードしてしまいました。キンドル端末も持ってなくてガラケーなのですが。

米キンドルならパソコンでも読めると聞いて、訳がポップアップするならいけるかなあと思ったのですが、パソコンではポップせず。やむなくせっせと打ち込んで調べながら読みました。

もう先が気になってしょうがないのにせいぜい20ページしか進まず、お盆に買ってから今日ようやく読み終わりました(注:メールをいただいたのは8月末)首がヘルニアになるかと思いましたが後悔はしていません!!

電子書籍の何がすごいって、萌えの燃え盛る勢いのまま次が読めることですね。よい時代になったものです…。

でも昔同じようなことを考えて、翻訳が出る前のミステリーのペーパーバックを買ったことがあるのですが、ほとんど読まずに挫折したんですよね。まあ辞書と電子辞書の違いはありますが、やはり萌えの引力…。一人暮らしなもので、睡眠以外の時間をほとんど費やしていたらちょっと痩せてしまいました(笑)。



すすすすごいっ! 


パソコンでコツコツ言葉を調べながら!


首の痛みをものともせず、睡眠意外の時間をほぼ費やし!


「ようやく」とかおっしゃりつつも2週間余りで!


原書読破ですよ……! それ以前に、原書を読もうと思うところが、まずすごい。


N様も書かれているけど、年明けの翻訳本出版を待ちきれず、その気もなかった電子書籍にチャレンジさせてしまう萌えの引力、恐るべし。著者のジョシュ・ラニヨン先生も感激されるに違いないよ……!


思わぬ電子書籍デビューを果たされたN様だけど、そうはいっても年明けに出る翻訳された紙の書籍も購入されるんじゃないかな、と思う。大好きなシリーズだからこそ、実体のある“モノ”を自分の手元に持っておきたいと思われるんじゃないかしら?


電子書籍について考えていたら、日本人の考え方みたいなところまで漂流しちゃった――今回は“漂流”が多いのも特徴ですね。あ、だからこんなにフラフラと長くなってしまったのか……。


アンケート結果発表はこれにて終了、と思っていたのですが、身近に「買う本は電子書籍に切り替えようかなって思ってます~!」と話してくれた方がいたので、この機会にいろいろ聞いてみました。


というわけで、ラスト、プチインタビューです。


引用したコメント内の伏せ字、コメントの強調、省略は管理人によるものです。


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Tags: アンケート 腐女子 熟腐女子

Comment 1

2014.12.27
Sat
13:44

lucinda #-

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拍手コメントRES

>12/16 16:57の方
コメントありがとうございました!
お礼が遅くなってすみません。

図書館にお勤めなんですね。電子書籍について、図書館員の方がどんなふうに思われているのかなぁ…。
でもおっしゃるとおり、紙の本がなくなることはないとは思います。今より発行部数が減ることはあるかもしれませんけど…。

今回のアンケのコメントは、みなさんの本loveな気持ちを目の当たりにしたような感じでした。

アンケートのご参加もありがとうございます!
またお時間のあるときにいらしてください~!

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